大迷宮
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「大迷宮」は横溝正史が雑誌「少年クラブ」に昭和26年1月から1年間にわたり連載した少年探偵小説。前作「怪獣男爵」では金田一は登場せず、怪獣男爵に対するのは等々力警部であったが、本作に至ってようやく本命である名探偵・金田一耕助が登場する。とはいえ金田一はあくまでサポート役という感じで、主人公である滋少年が大活躍するのが実にジュブナイルらしくて好ましい。 不気味な洋館や秘密の通路、金塊を隠した大迷宮、身体に埋め込まれた黄金の鍵、暗躍するどくろ男などサービス満点で引き込まれる。サスペンス要素も十分に盛り込まれており、読者を飽きさせない配慮が随所に感じられ楽しめた。 一方、子供向けとはいえあまりにも荒唐無稽な印象は否めない。また、瀬戸内海の孤島にある大迷宮に、何億円という値打ちのある大金塊が隠されているという舞台設定は非常に魅力的なのだが、作った本人が丁寧に道案内してくれるため、一度迷ったら二度と出られないというドキドキ感が無かったのは少々残念だった。 <登場人物> 立花滋 … 謙三に誘われ、軽井沢に避暑に来ていた中学生。 立花謙三 … 滋のいとこ。大学生。軽井沢で金田一と知り合う。 鬼丸剣太郎 … 古びた洋館の主人。滋と謙三を泊めてくれる。 鬼丸太郎 … 剣太郎の父。世界的サーカス王だったが行方不明。 鬼丸次郎博士 … 剣太郎の叔父。有名な科学者。ショウキひげ。 津川先生 … 剣太郎の家庭教師。足は悪いが射撃は上手。 ヘンリー松村 … タンポポ・サーカスの団長。 万力の鉄 … タンポポ・サーカスの力持ち。 鏡三 … タンポポ・サーカスから逃げ出した人気ブランコ乗り。 珠次郎 … 鏡三そっくりの少年歌手。軽気球で連れ去られる。 田代 … 青梅付近の森に着陸した軽気球を発見した老人。 怪獣男爵 … ゴリラの身体に天才生理学者の脳を移植した怪物。 北島博士 … 怪獣男爵の弟子。怪獣ロロの脳を男爵と入替えた。 音丸三平 … 幼いときから怪獣男爵にそだてられた無二の忠臣。 高木巡査 … 青梅で発見された軽気球に案内した若い警官。 井川刑事 … 等々力警部の部下。珠次郎を護衛する。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 | ||||
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「大迷宮」は、「少年クラブ」の昭和26年1月号〜12月号に連載された作品である。 連載当時から金田一ものとして、書かれた作品であり、由利ものに改稿されたなどという事実はない。 由利ものから、金田一ものに改稿されたのは、「夜光怪人」1作だけであり、由利ものから金田一ものに書き換えられた作品が多いというのは、勝手な思い込みであり、全くのデマである。 ちなみに、「蠟面博士」は三津木から金田一に書き換えられた作品である。 金田一もののジュブナイルオリジナル長編は、「大迷宮」「黄金の指紋」「仮面城」「金色の魔術師」「迷宮の扉」の5作品だけである。 | ||||
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小学校時代、毎日図書館で高木彬光、江戸川乱歩、島田一男といった作家の冒険譚に胸を躍らせ順番待ちをしてまで借りていた本たち。私にとってその一番がこの「大迷宮」です。雷雨を避けて泊まった軽井沢の洋館は、朝になると別の景色を見せていました。一体なぜ?また、拉致された少年が機転を利かせて犯人の居場所を告発する暗号ミステリー。どれをとっても出色で、この本を読むと少年時代のワクワクが一瞬で蘇ります。文庫本になり、手に取りやすくなりました。 | ||||
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戦後金田一物として角川文庫に出されたものは実際はゆ由利先生ものであることが多いので、その一遍かもしれない | ||||
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金田一耕助が登場する少年少女向け作品だが、正直、金田一耕助を登場させる必要があったのかと疑問に感じる。トリック、アリバイが問題となるような本格推理ものではなく、怪獣男爵をはじめ、怪しげな人物が大勢登場し、場所を次々と変えながらスピーディーな展開をみせる冒険活劇もの。金田一耕助が推理をみせる場面があるにはあるがそれほど大したものではないし、腕っぷしが弱くアクションが苦手な金田一耕助にとっては、この作品のようなハードボイル的な展開では本来の力を発揮できず、精彩を欠いている。 少年少女向け作品としてはまずまずの内容ではあるが、リアリティーに欠けると感じる箇所があるし、特に印象に残るような事柄は何もない。 | ||||
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