(短編集)

鳥少年



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    ミステリ→

    ↑現実的

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    初公開日(参考)1999年10月
    分類

    短編集

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    鳥少年

    1999年10月01日 鳥少年

    私の中に巣喰う狂気が、さまざまな夢を見させる―さらなる広がりと魅力を増した皆川博子の恐怖世界。妖しくも美しい、十三の不思議な物語。 (「BOOK」データベースより)




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    No.6:
    (2pt)

    私には無理だった 著者のファン向けすぎるかも

    文芸誌中で、何篇かあるうちの一つとして読んだら面白いのかもしれませんが
    短編集として連続で読んで楽しめるものではありませんね

    私は文章が美しいとか文学的に素晴らしいとかで本を読めない性質なので。

    著者さんの著作歴としての資料的価値は高そうですけど
    皆川さんだからって何でもありがたがる必要も無い気がします…
    鳥少年Amazon書評・レビュー:鳥少年より
    4198610835
    No.5:
    (3pt)

    女性の業の深さをミステリ的技巧で

    表題作他、全13の作品を収めた短編集。1970〜80年代に執筆された短編の中から単行本に未収録だったものを収録した由。50頁近いものからショート・ショートめいたものまで幅広い短編が収められているが、随所に作者らしさが出ている。

    基本的には性愛における女性の快楽の強さ、それに基づく性愛(恋愛ではないと思う)を求める女性の業の深さをテーマとした短編が多い。作品には勿論男性も登場するが、単なる添え物に過ぎず、この男性を絡めたヒロイン達の運命をミステリ的技巧で読ませている所が作者の真骨頂であろう。複数の書簡だけで構成してミステリ的効果を高めている冒頭の「火焔樹の下で」、同じく構成の妙が光る「血浴み」、「指」がこの代表だろう。また、ホラー味を強く出している「坩堝」、「魔女」も印象に残る。一方、無為が狂気を産むというテーマの「密室遊戯」は、乱歩「屋根裏の散歩者」を想起させて面白い。

    全編粒揃いという感じはしなかったが、作者の持ち味を知るには十二分の内容だと思う。この後に、重厚な長編群を発表するのだが、その入門としても恰好な短編集と言えるのではないか。
    鳥少年Amazon書評・レビュー:鳥少年より
    4198610835
    No.4:
    (3pt)

    ほとんどが「推理小説」ではない。

    創元推理文庫とあったので、推理小説の短編集と思い購入しました。しかし違いました。

    少なくとも刑事や探偵が謎解きをする話ではないし、日常ミステリーというわけでもありません。確かに要素的にはそういう話しもないではないのですが、ほとんどの話は推理のすの字も感じられません。

    何といったらよいのでしょうか……。人間の心の機微を表しているというか、「ブンガク」してるというか。ただ、額面通りに「推理」と受け取って買うと後悔すると思います。

    また中には性的な表現もあり、強姦などもある事から、その手の話が苦手な人は遠慮した方が良いかも知れません。

    それと文章の方ですが、話によっては非常に読みづらいですね。誰が台詞を言っているのか大変わかりづらい事も多いですし、そもそもキャラクターに個性があまり割り振られていない場合も見受けられます。少なくとも「娯楽小説」として楽しむのは難しいでしょう。

    あと表紙のイラストにある、鳥の羽をあしらった服を着ている横顔の青年らしき像。実際の「鳥少年」の中身とは相当かけ離れたイメージです。お気をつけ下さい。
    鳥少年Amazon書評・レビュー:鳥少年より
    4198610835
    No.3:
    (5pt)

    十数年、何処で何してた鳥少年。

    書籍化されることなく抜け落ちていた70〜80年代の作品を集めたという触れ込みで、単行本が刊行されたのは99年。
     それからまた10年以上経ち、ようやく文庫化された本書。収録作を時系列で並べれば、以下のとおりとなる。

    【70年代】
     『別冊問題小説』77年8月号     「火焔樹の下で」
     『小説現代』79年1月号       「指」
     『問題小説』79年1月号       「滝姫」
     『小説現代』79年9月号       「魔女」
    【80年代】
     『問題小説』80年6月号       「泣く椅子」
     『SFアドベンチャー』80年12月号   「バック・ミラー」
     『問題小説』81年2月号       「密室遊戯」
     『月刊カドカワ』83年7月号     「鳥少年」
     『オール読物』83年8月号      「血浴み」
     『問題小説』84年3月号       「サイレント・ナイト」
     『問題小説』84年8月号       「黒蝶」
     『問題小説』85年3月号       「卵」
     『問題小説』88年8月号       「緑金譜」
     『問題小説』89年1月増刊号     「沼」
    【90年代】
     『問題小説』91年9月号       「坩堝」
     『毎日新聞夕刊』99年8月11日付   「ゆびきり」

     これだけでもこの作家の、この文庫が、とりわけ異質であることの証明にもなるが、略歴を差し引いてもひとことでは説明しがたい魅力を備えている。

    ―― 最初から怖いぞ怖いぞというのではなくて、普通にすっと読んでいって最後にひっくり返されたときに、わっ、これは怖いと思うような……。(中略)合理的なもので隠されてしまっているけれど、理屈では説明できないような怖さに、一瞬パッと光りがあたった怖さ。

    「幻想文学」インタビューにて、小説における怖さとはなにかという質問に作者はこう答えている。
     作者の短篇(長篇もしかり、だが)はホラー、ミステリ、幻想小説などジャンル分別をする暇もなく、前述の好みがきっちりと反映されたものが多い。確かに本書に収録されているのは、ひとことでホラーや幻想小説とは呼べない作品ばかりである。事実、この世ならぬものが明確に登場する作品はひとつかふたつきりしかない。その他はおおむねサスペンスの類だ。
     しかし、
    1.「卵」や「黒蝶」における大衆演劇の舞台裏、「坩堝」の鋳造工、そして「火焔樹の下で」の精神病院、「サイレント・ナイト」のスキー場などの設定の妙
    2.「緑金譜」の『玉虫物語』や「沼」の僧と稚児の話、「滝姫」の〈鬼姫滝〉、「ゆびきり」における隠れ座頭の噂など、背景にあるもうひとつの物語との共鳴
    3.死者に化粧を施す「指」、間仕切りから隣室を覗きこむ「密室遊戯」、青年のパネル写真に囲まれて暮らす「魔女」などのうつくしき病たち
    4.書簡形式の「火焔樹の下で」、美文調の「ゆびきり」、ラテンアメリカ文学に火種をもつ「バック・ミラー」など紡がれる文章技巧
     見慣れた日常にこれらがさっと入ってくることによって、たちまち人工的な世界が構築されていき、なんとも形象のしがたい独特な小説は最後、時に首をかられたような衝撃と、淡い砂楼を眺むような余韻、それぞれにうつくしき終わりを迎える。だからこそ恐怖小説と呼んでも差し支えないだろう。モダン・ホラーとも、サイコ・スリラーとも、サスペンスミステリーとも。うつくしき終わり……作者曰く「最後にひっくり返されたとき」とは、どんでん返しともショッカー的なオチとも呼べる。つまり皆川作品では本質的にミステリとホラーの境界がない。ミステリ領域における謎は人間心理の謎であり、人間心理の謎は総じて怖ろしいものなのだ。

     書簡小説という構成が見事な幕引きをみせる「火焔樹の下で」を筆頭に、そのラストシーンひとつ取り出したって息が詰まる思いを抱くものだ。
    “おんな”の情念の深さがおそろしい「滝姫」「坩堝」「魔女」や、勁さが印象的な「血浴み」「指」。悪意と悪魔主義に満ちあふれた「密室遊戯」「サイレント・ナイト」「鳥少年」「泣く椅子」「沼」。一方で、哀しみに胸をしめつけられる「ゆびきり」と、大半を占める女性たちの物語がことさら印象的ではある。
     しかし男性を主人公とした諸作、嫉妬がみせた悪夢ともいうべき「卵」「黒蝶」、華麗な狂気の世界「緑金譜」、消えゆく青春時代「バック・ミラー」とこちらも負けず劣らず忘れがたい読後感を抱かせる。

     ミステリ的な解決・ホラー的なオチと呼ぶことも躊躇うような、余韻をも断ち切られたあとの虚無こそ本書の肝である。しかし一読して浮かび上がるそれら共通項は本書にとどまるものではなく、皆川博子という作家の魂に刻まれた黥の如し。
     世に出た時期も重ならず、半ば無作為に収集したかの如き本書。これまで温存されてきた本書収録作品でさえこの出来ならば、他も期待できるだろうというあなたの見解は正しい。
     本書によって女史の作品の端々を啄み、ここから某文芸評論家が名づけた皆川魔界に向けて巣立つのもいいだろう。そして、毎作品に酔わされ心かき乱されながら、女史の活躍に喝采を送ろうではないか。十数年の時を羽ばたいてきた〈鳥少年〉の翼に乗って。クァーオ!と啼いて。
    鳥少年Amazon書評・レビュー:鳥少年より
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    No.2:
    (4pt)

    読み応え十分

    相も変わらず、捩れてクールな不思議と無臭感の漂う素敵な短編集である。なかでも「血浴み」は記憶に残る作品だ。タイトルから連想して単純に血腥い話なのかと思っていたら、これがなんとも泥臭いムンムンと淫らな話で、ラストにいたってタイトルの意味がわかるのだが、なかなか衝撃的な話なのである。あと巻頭の「火焔樹の下で」も、書簡によってすすめられるミステリで、精神病院が舞台となっているのは定番としても、それをこういう風に捩れされるところがさすが皆川博子である。「密室遊戯」「坩堝」「魔女」「滝姫」の四作はみなホラー風味のミステリで、なかでもラストにおいて世界が反転するかのような驚きをあたえてくれる「滝姫」が秀逸だった。表題作であるラストの「鳥少年」は、どうやったらこんな奇妙な話を思いつくんだと感心してしまう作品だった。主人公の淫蕩の気のある女性が素敵。
    というわけでこの短編集も読み応えがあって、かなり楽しめます。
    鳥少年Amazon書評・レビュー:鳥少年より
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