(短編集)
少女外道
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少女外道の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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以前読んだ皆川作品は、過去の外国が舞台でした。本作は、戦前から戦後にかけての日本が舞台になっており、随分感じが違います。どの作品も冒頭の一文が素晴らしく、すっと引き込まれて行きます。しかし、それからが手強い。耽美的で、幻想的で、変態的。そして、魅力的なのに共感出来ない辛さ。時代が違えば決して、「外道」とまでは呼ばれなかったであろう、「少女」達の悲劇。いや、本人達にとっては、悲劇では無いのか?自身の、表には出せなかった「魂」に殉じた当然の帰着か。どの作品にも哀しさは感じ無かった、多分それで良かったのだろう。 | ||||
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普段純文学など殆ど手にしない者です 硬い文章を読むのは苦手なのですが、この本には想像しやすさと純粋な読みやすさがありました。 皆川博子作品はこちらが初めてです 短編であるのに関わらず、どうしてここまで繊細に響く物語を描くことができるのかと非常に感動しました。 内容については他の方が仰る通り、割と絶望的…なのですが、ウェットな絶望というよりは表すならばドライな絶望で自身の気分が落ち込むわけではありません。 戦の時代に翻弄された少年少女達が外道へと逸れていく様は、現実感と仄暗い美しさが混ざり合いほんのりと胸がざわつきます。 この方にしか出せない色や耽美さが存分に味わえる作品だと思います 寝る前に少しずつつ読み進めることがとても楽しかったです | ||||
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怪奇幻想色が強いく、ほのかに漂う程度の幻想感が心地よい。しっとりとした美しい文章に、地を這うように重厚さとが合わさって醸し出す甘美な雰囲気に魅了された。 | ||||
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己の劣情や時代の荒波、女としての役割など、抗いようのないものに翻弄される人々。 他人から求められる〝道〟を外れた〝外道〟の物語が 耽美で官能的な文体で綴られています。 物語の粗筋そのものは至って地味です。 描かれる人物へ思うところがなければ、淡白でつまらないものとなるかもしれません。 しかし、自分と他者の溝に落ち込んだり、 人間の共同体を息苦しく感じたことがあるなら、 少なからず少女(や彼ら)たちの苦味を理解できるのではないでしょうか。 たびたび描かれる、周囲の人の欲求を読み取り ひたすら無難に振る舞う様子や、 書物や絵画の趣味に現れる自分の世界、 表像として現れる兎の人形などが、 非力な彼らや彼女らが現実を生き抜くための武器なのでしょう。 私にとっても優れた武器となるような、そんな1冊でした。 | ||||
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美しい文章でエロティック。 著者は80代で、この短編は70代後半くらいに執筆したものなんだとか。 私の世代で言えば、ポップティーンとかのちょっとエッチな雑誌を読んでドキドキした…のと似たような感覚だとおもうんだけど(という言い方をすると途端に軽くなってしまいますが)、それが年配者の美しい文章で語られると、とてもドキドキします。 当時の女学生の心とか空気感が伝わってきて心地いい。 短篇集なので、時間がない時に読むのもオススメ。 | ||||
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生まれた時代こそ違え、皆川さんとはハタチまで似た境遇だった。あ、ケイトブッシュも。毎度、似たような設定だが飽きない。 家にたくさんの大人が出入りし、同じ釜の飯を喰う。みんな中卒で、父にはかしずくが、母と私達に向ける視線は容赦なかった。 可愛くない服を着せているだの、ピアノの音がうるさいだの、食器棚が替わっただの、支払いを渋っただの…プライバシーはなかった。 子ども心に察して、自分の立ち回りを演じるものだから、早く一人になりたかった。小説を読むと、あのまんまだ。 40年前に合唱団で「月のうさぎ」を歌ったから、読み終えて号泣した。次の章でも号泣した。主人公が不幸だかりからでも、悲しいからでもない。こいつら…凛として石橋を叩いて壊すタイプだなあ。 ちびたちとアップルパイを焼きながら、すべてを妄想にとどめる母となった。 | ||||
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