文月の使者
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表題作の他、「文月の使者」、「影つづれ」、「桔梗闇」、「花溶け」、「玉虫抄」、「胡蝶塚」及び「青火童女」の全8つの作品から構成される幻想恐怖短編集。 個々の短編を云々するのはヤボなので、全体の印象を。読者をいきなり惹き込む鮮烈な冒頭の一行、過去と現在と夢想と冥界とが混沌とした世界の構築、たゆたう様に流れて行きながらジワジワと怖さが滲んで来る緻密な全体構成力、冒頭と対比させるかの様な鮮やかなラストの一行、どれを取っても素晴らしい。各編に性的仄めかしを織り込んでいる点も特徴で、艶めかしさを漂わせている。 各短編名から想起される様に、草花をモチーフとした作品が多いが、この他、長く伸びる黒髪、切られた指(2編に出て来る)、中国の妖狐、玉藻前、殺生石、鳴く地蔵、ロマノフ王朝の滅亡、玉虫厨子などの古今東西のモチーフが詰まっている。時代設定(大正末期~昭和初期?)のせいか、軍靴の音が響いて来る短編も多いが(作者の意図か否かは不明)、そのせいか、親子を初めとする家族・親族間の関係を冷静(あるいは狂気の如く)に断ち切っている短編が多く、これが怖さの1つの要因となっている。 作者のミステリも悪くないが、何気ない日常の中に潜む狂気・幻想を描き出した本作の様な作品も作者の持ち味の1つであろう。それを理知的に描いているのだから怖ろしい。秀逸な短編集だと思った。 | ||||
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