伯林蝋人形館
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伯林蝋人形館の総合評価:
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欲しかった本なので少々の傷みは仕方ないと思っていたが、新品同様で感激した! | ||||
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なんだか夢の中でいくつもの螺旋が波をうっているようです。 皆、けして手に入らないものを追い掛けているよう・・・ いろんな読み方が出来るので、読み終ると又読み始める。 そんな本・・・ 皆川さんの世界大好きです。 | ||||
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この作家の年齢にして このエネルギッシュな 内容にまず 驚きました。 読み始めて最初は なにがなんだかわからないままに 第二次世界大戦後の ドイツの 生々しさに引き込まれて 読み進みました。 現実と 過去と が 交差しながら 進むのでかなり 難解でしたが、 途中から やっと 登場人物の からみが 解け始めました。 そして 最後にやっと 「こういうことか」 と いう 終焉。 かなりエネルギーの いる 作家さんです。 | ||||
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他のレビュアーの方が本作を「高度」と評していますが、全くその通り。 退落の巣であったワイマール・ドイツにおいて、幾人かの男女の運命が交錯し縺れ合う様を流麗な文体で描いた本書は、著者の本領発揮といえます。本書において、著者は只でさえ複雑なプロットを更に分解・再構成し、(メタフィクションと幻想小説の双方の技法を駆使しながら)まるで出口の無い迷路のように物語を進めていきます。「読者」はそれなりに頭を使わなくてはなりませんが、この「擾乱」を楽しめる度量さえあれば、愉悦に満ちた読書体験です。 また、最終的に提出される一つの「解釈」。これも唯一の正答ではないため、推理小説のカタストロフを期待する人には肩透かしに感じられるかもしれません。 本書は「『短編』作者略歴」という単位によって一応構成されていますが、大文字・中文字・小文字、それぞれの作者の主観が入り交じるいわば「超メタ的」な構造を有している為、こうした結末は不可避であり、寧ろその余韻を味わうつもりで始めから手に取るべきでしょう。 物語(あるいは著者の試み)の全体像を理解するのは骨のいる作業ですが、これ程精緻に創られた小説は多くありませんので、ぜひ一読を。 | ||||
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本書は非常に高度な小説である。何が高度かといえば、読者の頭を使わせるという意味ですこぶる高度な本なのである。では、それがいったいどういうことなのかということを説明したいと思う。本書で描かれる舞台は第一次大戦からヒットラー台頭までの混乱をきわめたベルリンである。体裁は連作短編となっていて、六つに分かれたそれぞれのタイトルにはそこで描かれる人の名が冠してある。そう、本書には六人の主要登場人物がいるのである。 貴族として生を受け、職業軍人となり、果てはジゴロに成り果てたアルトゥール・フォン・フェルナウ。ロシア革命によって亡命し、ドイツ内戦の中でシナリオライターに憧れるナタ―リャ・コルサコヴァ。貧しい家に育ち、流浪の末ナチ党員として銃弾に倒れるフーゴー・レント。ドイツ系ユダヤ人の裕福な家庭に生まれ、差別に悩まされながらもドイツ人として戦争に参加するハインリヒ・シュルツ。子供の頃にみた蠟人形の見世物に心奪われ、蠟人形師として名を成す薬中毒のマティアス・マイ。そしてこの物語の中心人物とでもいうべき異形の歌姫ツェツィリエ。これら六人の登場人物たちがそれぞれ絡み合い、ひとつの壮大な歴史絵巻を作り上げるのだが、これが一筋縄ではいかないつくりになっている。まず、それぞれの章で語られる事実が微妙にリンクしているのだが、年代が前後するので系統だてて頭の中で整理しなければならない。内容にいたっても微妙なズレが生じ、いったいどれが真実なのかと困惑してしまう始末。しかし、それは作者が仕掛けたミステリなのだ。幻視者として名高い作者の描く世界は混沌と退廃と耽美にまみれ、読むものを幻惑し強烈に惹きつける。ラストにいたって本書の仕組みは解き明かされるが、そこに整合性はない。しかし、それが物語の魅力となって余韻を残す。やはり、この作家は素晴らしい。心底惚れてしまった。 | ||||
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