愚者の毒



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愚者の毒 (祥伝社文庫)
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初公開日(参考)2016年11月
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長編小説

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愚者の毒 (祥伝社文庫)

2016年11月11日 愚者の毒 (祥伝社文庫)

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。しかし、希美の紹介で葉子が家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかる。全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑集落で仕組まれた、陰惨な殺しだった…。絶望が招いた罪と転落。そして、裁きの形とは?衝撃の傑作!(「BOOK」データベースより)




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愚者の毒の総合評価:8.51/10点レビュー 41件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

救われないストーリー

第70回推理作品賞受賞作品ということで、作品自体は面白かったと思います。3章仕立てで、過去と現在と視点を入れ替えながら、倒叙ミステリー的に話を進め、第2章終盤で驚きの展開に。第3章は結論が見え、やや退屈な印象があるかと思って、油断してるとやられました。ただ倒叙ものなので仕方ないのでしょうが、話全体が暗かったのが残念でした。

タッキー
KURC2DIQ
No.1:
(8pt)

愚者の毒の感想

著者初読み。物凄い負のオーラに包まれた作品、幸せな家庭は出て来ません。「白夜行」や「砂の器」の様に、そうとしか生きられなかった、哀しい宿命を持った人々のお話で、面白いとは表現出来ないが引き込む力は物凄く強かったです。ミステリーとしては倒叙系なのでしょうが、序盤の仕掛けからラストのオチまで結構分かり易くてあまり驚きは無かった。きっとそれは重要では無く、安らぎは死ぬまで訪れない人々の壮絶で悲惨な物語であり、わが身のささやかな幸運を噛みしめたくなる物語。そんな読み方が多分正しい、素晴らしい作品だったと思う。

なおひろ
R1UV05YV
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.39:
(5pt)

深く、重く、凄みのあるすばらしい作品

初めての作家さんはデビュー作から順に読むようにしています。その方が作風がどこで変化したかとか、うまくなったとかがよくわかるからです。
が、この宇佐美まことさんに関してはなぜか前後してしまい、最初に読んだのが「入らずの森」。それから「虹色の童話」「死はすぐそこの影の中」「骨を弔う」「少女たちは夜歩く」と読んできました。「骨を弔う」で”一回り大きくなったなあ”と感じたのですが、この「愚者の毒」はその2年前の作品だったんですね。この作品が今までで一番よかったです。

理不尽な逆境を必死に生きてきた登場人物たちに圧倒されました。とても日本とは思えない貧しさ、けれどこれは江戸や明治などではなくほんのひと昔前、これから日本はどんどんよくなっていくと考えられていた希望に満ちた昭和の高度成長期のことです。このような貧困や不遇に苦しんだ人たちがいたというのはまったく知らず、自分の無知を恥じました。
九州の廃止になった炭鉱の村。高利貸しに搾取される希望のない生活。炭鉱事故で不自由な身となり暴力を振るうようになった夫を捨てて母親は出奔し、残された子供たちはどん底で生きてきました。
一方東京では、障害児を残して事故で死んでしまった妹夫婦、その借金を背負わされる姉。どうしょうもない不幸から這い上がりたいと願った彼らが出会ったのは職安でした。

第一章、武蔵野陰影。住み込みで働くことになった武蔵野のお屋敷、風景描写が大変美しいです。飄々とした学者である主の元でしばし穏やかな日々が続きます。がそこにまで過去の亡霊はついてきて・・。
第二章、筑豊挽歌。のどかだった第一章との対比が凄まじいです。陰鬱で凄惨な内容ながら読むのが止まらなくなりました。
作者は四国の愛媛県の方ですが、筑豊地方の方言で書かれた文章が効果を上げその独特の響きが凄みを増しています。
そして第三章の伊豆。表向きは幸せな生活なのにその空虚さは・・ネタばれするのであまり書けませんが・・。
読んでいて東野圭吾作「幻夜」や「白夜行」を思い出しました。雰囲気がよく似ています。

人間の描き方といい、ストーリー展開といい、最後のオチといい、しっかりとした構成で文句なしの星5つです。文学とも見まがうような素晴らしい作品でした。
愚者の毒 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:愚者の毒 (祥伝社文庫)より
4396342624
No.38:
(5pt)

尋常じゃないサスペンスに、くらくらきました。しびれました。

倒叙ミステリの妙味もある、非常な(非情な?)サスペンスに満ちた作品。
第一章「武蔵野陰影」の81頁、《私たちは恐ろしい罪を犯した。一生許されることのない罪を。そのことを片時も忘れるわけにはいかない。私たちは、それを共有するために夫婦になった。》の文章を読んで以降、ずぶずぶと沼地に沈んでいくかのように、首までずっぽり浸かって、頁をめくっていきました。

アガサ・クリスティーのミステリに『ゼロ時間へ』て作品がありますが、取り返しのつかない、ある決定的なことが起きるポイントを〈ゼロ時間〉とするならば、本書の〈ゼロ時間〉は第一章のラストにあります。その辺りからはもう、ぞくぞく、ぞわぞわとした思いに掴まれながら読み進めていきましたよ。

若かりし頃、夢中になってあれこれ読んでいったウールリッチ(またの名を、ウィリアム・アイリッシュと言う)サスペンス作品に近い雰囲気もあったかなあ。とにかく、半端ないサスペンスの空気にしびれました。

杉江松恋の巻末解説文が、実に読みごたえのある充実したものです。読み出す前と読後の二回、解説文を読みましたが、舌を巻く出来栄えに唸りました。
愚者の毒 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:愚者の毒 (祥伝社文庫)より
4396342624
No.37:
(5pt)

面白かった

3日で一気に読みました。 
しばらく余韻が残りました。 オススメです
愚者の毒 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:愚者の毒 (祥伝社文庫)より
4396342624
No.36:
(5pt)

生まれてくる環境は選べない

不幸の連鎖が各々絡み合った話だと思います。
生まれてきた以上、皆もがきながら本能で先に進む故。
炭鉱の事故、廃坑、それらの陰で病気や貧困に苦しんだ方が沢山いた事を知りました。
勉強になりました。
もう一度読み直します。
愚者の毒 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:愚者の毒 (祥伝社文庫)より
4396342624
No.35:
(2pt)

浅い

ストーリーが無理やりで、先が読めてしまいあまり楽しめませんでした
愚者の毒 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:愚者の毒 (祥伝社文庫)より
4396342624



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