死はすぐそこの影の中
- ピアノ調律師 (1)
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死はすぐそこの影の中の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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ピアノの調律師という仕事をしている女性が主人公。調律師という仕事に馴染みがなく、へえーそんな仕事あるんやと思いました。ストーリーは終盤になってまさかの展開。主人公の伯母と母親、見方によって、全く印象が変わりました。人間って怖いです。 | ||||
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主人公をピアノの調律師に据えることでベーゼンドルファーだとかディアパソンだとかの、本書を読まなければ知ることがなかったピアノの名前を知ることができる上に、ドビュッシーの「沈める寺」、ラヴェルの「水の戯れ」と「オンディーヌ」、ショパンの「雨だれ」などのピアノ曲(この四曲がそれぞれ章題となっている)のことまで(クラシックの素人にとっては)知識として得ることができる。いやそれどころか、タイトルの「死はすぐそこの影の中」さえ実はショパンの「雨だれ」の別名なのだと言う。そんなピアノの音を背景にしたこのミステリーは、出来事としては過去に起こった一つの「死」だけではあるのだが、主人公も含めてそれを取り巻くすべての「人間」たちが何らかの点で「異常」であることが特徴と言えるだろう。しかもその「死」の真相が明らかになった途端に二転し三転するのだから油断がならない。いやそれどころかなぜ「人間」たちも「異常」なのかが最終的には思いもかけぬ構図を描く(ここで「人間」と括弧付きで記述していることにも意味がある)。唯一「解決」とは言えない事象が残されているのも、余韻を引きずるという意味では正解だろう(心情的には心残りだが、それこそ余韻を生む)。というわけでこれは傑作。 | ||||
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推理作家協会賞受賞作家ということで、ミーハー心を起こして読んでみたら結構ハマった。 ぶっちゃけトリックらしいトリックはあまりないが、それが主題の作品ではないので気にならない。 水、それから水にまつわるテーマを題材にしたクラシック音楽を通奏底温として響かせつつ、もみ洗いされるように、麻衣子が自身の過去とともに、歪んだ人間が隠し持っていた黒い本性を暴いていく様子が本作の素晴らしさであり、おそろしく上手であるように思う。 工夫を凝らす悪意よりも恐ろしい悪意が、この世にはあるのだ。 はからずも耽美趣味、幻想趣味も味わうことができた喉ごしの良さもあいまって、個人的にたいへん満足な一冊。他の作品も読みたい。 | ||||
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作品の性質上、ネタバレを含ませて頂く。題名の「死はすぐそこの影の中」というショパンのビアノ曲は「全ての人間は2つの顔を持つ」という意味で、これを受けて、ヒロインのピアノ調律師の麻衣子が「多重人格者」である事及び作中で"聖母"として描かれる麻衣子の伯母の幸枝が実は"悪魔"であった事を軸としたサイコ・ホラー。 これを伝奇的ホラーと見せ掛けるために、麻衣子(あるいは幸枝)の出身地である愛媛の七富利村を"隠れキリシタン"の伝説の村としたり、麻衣子の育ての親の伯父(幸枝の夫)の一藤士日出男の怪異性・嗜虐性を大仰に描いて、麻衣子が"一藤家の血脈を切る"ために生きて行く決意(あるいは男を遠ざけて死んだ様になっている風情)を強調したり、ダム建設推進派の村長だった日出男の遺体発見時、体に"十字架"に見える紋様を入れたり、全体をワザと茫洋な記述にして、時系列も縦横に飛ぶ等、様々な工夫をしてるが、麻衣子が日出男に引き取られた時の唯一の仲間のミチル君(決して大きく成長しない)を登場させたり、麻衣子がピンチの時にはスーパー・ウーマンの如くに必ず麻衣子を救う"司"という女性友達を登場させたり(即ち、"司"は「多重人格」を司る支配人格)して、作者の意図はミエミエである。 作者としては珍しく冴えない作品。これまでの私の経験では「多重人格」を扱って成功したミステリは無い(ミステリと「多重人格」とは相性が悪いのである。"何でもアリ"という事になってしまうので)。ミステリとは相性が悪い「多重人格」を軸としたサイコ・ホラーとしてしまった凡作だと思った。 | ||||
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きれいな状態で届きました。 | ||||
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恐らく大洲の隠れキリシタンを題材に作った作品。 宇佐美先生らしい展開に引き込まれました。 そろそろどの作品か映画にならないかな…。 | ||||
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