ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件
- オペラ三部作 (3)
- 日本推理作家協会賞受賞 (110)
- 本格ミステリ (563)
- 本格ミステリ大賞受賞 (18)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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図書館で予約して借りたのですが、受け取った時にその分厚さにびっくり。辞書かよ。 | ||||
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作者の熱量に圧倒されました。作中作で(それだけではなく他の人の話なども混じり結構ごちゃごちゃしていますが)50年の時間、空間を行き来します。過去、現在の両方で不可解な事件が相次いで起こり、どう決着をつけるのか終盤まで全く分かりません。それぞれ明らかにされていく真相には、少し物足りないトリックも含まれますが、探偵小説としてはこう言った物を入れ込む事も必要だったのでしょう。過去の文章の部分で、自分には読めない漢字が沢山出て来るのに閉口しましたが、雰囲気は十分楽しめました。各ランキング上位であり、日本推理作家協会賞受賞作との事ですが、一般の方には決して勧めません。しかしこのサイトに来る様な方々なら読んでおくべき作品です。ぜひ挑戦して下さい。 | ||||
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ボリュームと密度が膨大で読書時間を要するのが難点。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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満足しています | ||||
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上下段680ページの大作。現在と戦時中を行き来するエイダのパラレルワールドのような始まり、しかも戦時中の満州国という重苦しさ、100ページも読まず挫折し、本棚の奥で眠り込んでいた。以降なかなか手が出なかったのが正直なところ。 今回根気よく読み続けるとストーリーの奥深さに圧倒されつつ、終盤は一気に読み込んでしまった。読み応えは充分。おかげでオペラ三部作全部を読むことになった。 なお、他の人のコメントでは賛否両論がありますが、そのどれもが長文になってます。否定者にとっても単なる愚作と片付けるには無視できない作品なのでしょう。これまでにない挑戦作です。 | ||||
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自分は1990年代に仕事で大連に駐在し、瀋陽・長春・ハルピンにも何度も足を運んだ。そんな自分の駐在していた中国東北部が舞台になったこの小説をひどく魅力的だと思った。現代と戦前の旧満州を何度も行き来しながら進むこの小説は重厚で無気味。次々起こる殺人事件、見立て、ありえない現象、ミステリーとホラーが融合した私の最も好きな分野の小説だ(と思った)。その不気味さはどんなすごいトリックによるものだろうとわくわくしながら読み進んだ。しかし、トリックがよくわからない。宿命城も満鉄図書館の構造が文章からはよく分からない。作者は夢中で書いているのだが、位置関係や部屋の構造がよく伝わってこないので、その密室トリックがなる「ほどすごいな」と納得できない。納得できないから、安っぽいトリックに思えてしまう。トリックに頼るなら図を付けて読者全員に分かるようにすべきだと思う。結局、全編に漂う無気味さは単なる安っぽいトリックによるなのかと思うと2段組みの680頁の小説を読んだことがむなしい。密室トリックなんてもともと安っぽいのかもしれない。もう一つ、中国人名には、漢字の右にカタカナで中国語読みのふり仮名がふってあるがこれが中国語の音になっていたり、いなかったり。魏鶴齢を「ギ・カクレイ」と振り仮名がついているがこれは全くの日本語読みでわざわざカタカナにする必要はないし、揚金英は「セン・チンイン」となっているが「揚」は発音は「ヤン」なのに誤って「セン」になってしまい小説初めから最後まで「セン」になってしまっている。中国人名を中国語発音に近いカタカナを振るとなんとなく本格的な感じがすると思っているのかもしれないが中国語知らない人が知ったかぶりするとこれも安っぽく見えてしまう。残念だ。 | ||||
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とても分厚い本です。総682頁です。 まずここまで分厚いと読んでいて手が疲れるてしまうのは宿命ですね。 寝る前にちょっと読む分には最適です。手が疲れてきたら寝てしまう。 肝心の内容の方は、パラレルワールド(並行世界・平行世界)の中を行き帰するお話です。 この現実とは別に、もう1つの現実が存在する。 故に、話が行ったり来たりしますので、読んでいて内容が混雑してしまうことがあるかもしれません。 どのように造り創めて、どのように進めて行き、終盤はどの様に終わらせたら良いのかを考える。 そんな葛藤が感じ取れてしまうのは私だけでしょうか? 長編故の難しさが感じられました。 | ||||
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"ミステリのあらゆるガジェットを投入した"との言葉が帯にある大作。パラレル・ワールドの実在を前提にして、夫祐介に自殺されたヒロイン桐子の過去が、旧満州に再建された「宿命城」を舞台にして昭和13年に書かれた"かもしれない"探偵小説「宿命城殺人事件」の"作中人物"朱月華であったとの設定(あるいは桐子の妄想)で物語は進む。「宿命城」は立体曼荼羅構造を持ち、主尊堂への最後の小房で良一と言う日本人と共に朱が密室状態で銃殺された事が冒頭で示される。時空、現実と虚構を超越した作品である。 ところが、桐子の意識が朱に遡った際、殺されたのは召使で、朱は良一と共に発見者の立場に変わっている。しかも、「宿命城殺人事件」を書いたかもしれない小城魚太郎に続く連続殺人だと言う。すると朱は実在の人間かも知れない。また、祐介が飛び降り自殺する直前、桐子は良一著の二つの「宿命城殺人事件」を発見する。その内の一つは手記で、小城が同行人として登場する。更に祐介は落下の際、20分程浮遊したと言う。最早迷宮の中である。満州建国を中心とする歴史の真相に迫る事が主題なのか、パラレル・ワールドを彷徨う桐子の意識の流れが主題なのか、祐介の自殺や「宿命城」に纏わる数々の事件の謎が主題なのか、探偵小説(虚構)と現実との永劫回帰が主題なのか五里霧中である。そして、両刃の剣でもある。これだけの趣向が凝らされていれば、逆にどのような結末に読者を導いてもミステリ的驚きを与えるのは困難だろう。 ミステリ的趣向、衒学、オマージュの"てんこ盛り"の作品だが、その割には結末は凡庸としか言い様が無い。「探偵小説でしか書けない」歴史の真実との作中の言葉が虚しく響く。 | ||||
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