いくさの底
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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薄い。 | ||||
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プロローグが謎の犯人の自白から始まる戦争ミステリ。戦時中のビルマの村で発生した殺人事件は、舞台が戦時中というだけではなく、日中緬が絡み合う特殊な場所、特殊な人間関係ゆえ発生する。 | ||||
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戦争の特異性を活かした戦争ミステリであり、本書の状況だからこそ起きた事件という固性がある小説です。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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真相は海外の某古典的名作短編を連想した。抑えに抑えた文章で今どき潔い200頁という分量。好感の持てるスリムさだけど、物足りなさも感じでしまう。特に主人公に魅力がとぼしい。性別と前職だけで、はっきりした年齢すらわからないのだ。 | ||||
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ビルマ戡定後、重慶軍の遊撃隊から村を守るため、日本軍の警備隊がヤムオイ村に入るところから物語が始まる。 警備隊の隊長は学帽を被っていてもおかしくない若さの下級将校、賀川少尉である。 その隊長が、村に到着したその日の夜に、駐屯宿舎の厠で惨殺死体となって見つかる。 だれが、どんな理由で少尉を殺したのか。 シナ兵か、味方か、村人か。 シナ兵が村人に扮して紛れ込んでいるのか。 隊長の死は隠匿され、若い青年将校である切れ者の連隊副官が派遣されてくる。 彼と、軍属の民間人で通訳である依井の2人は、関係者一人ひとりを理詰めで追い詰め、 徐々に事実関係を明らかにしていく。 カメラやあだ名という仕掛けが効いている。 最終的に殺人犯と彼の動機を突き止めた2人は、やむを得ない理由によって、その男を罰することができない。 最後には重く苦い読後感が残る。 戦時中という特殊な状況の中で、止むをやまれぬ切実な理由から、登場人物たちはみんな何かを誤魔化している 日本軍は兵の死亡理由を誤魔化し 部隊幹部は賀川少尉が死んだことを誤魔化し 死んだ賀川少尉は自分の過ちで部下を死なせたことを誤魔化し 捕虜になった日本兵は身分を誤魔化し 村人は村長と助役の身分を誤魔化している 小さな欺瞞が積み重なった上の大きな欺瞞、それが戦争なのかもしれない 内部に欺瞞を孕んだ理詰めの組織、それが軍隊なのかもしれない 殺人犯の独白には、著者の苦い思いが滲んでいるように感じた。 「死者をおとしめまいと貴重な教訓に蓋をする。まったく愚かな行為です。」 「二名もの友を理不尽に殺した仇です。まったく迷いはありませんでした」 「人でなしは殺さねばなりません。殺さねばまた誰かが泣きを見るのです」 「軍隊は何より恥を恐れます。恥をさらすまいと常に努めます。」 「あなた方の想像をはるかに超えて重慶軍は辛抱強い。確かに戦意や装備の面では劣る。負けると思えばすぐに逃げる。これは文化や倫理の違いのためでしょうが、大陸の歴史に負うところがやはり大きいのです。 撤退も退却も重慶軍にとっては戦における一手段に過ぎません。ようは最後に勝てばいいのです。国を挙げての戦とはそういうものであって個人や部隊の名誉など些事です。戦乱に明け暮れたあげく今なお共産軍と国民党軍が戦いを続けるシナをあなた方はもう少し深く吟味する必要があります。 日本との戦いが始まってなお完全な共闘ができないのはなぜか。もちろん日本との戦いに勝利をおさめた後を双方が考えているからです。 シナ人は百年先を考える。目先の勝ち負けに一喜一憂し、個人の名誉不名誉にこだわる日本人とはものの考え方がまったく異なります。この村での両軍の動きはいわばその縮図です。ヤムオイ村を押さえられたからといって重慶軍は焦る必要がありません。いずれ取り返せばいいのであって、そのための布石を打っておけばいいのです。 では、いずれとはいつでしょうか。 十年先かも知れません。 二十年先かも知れません。 この戦争はまだ続きます。あなた方は相当に覚悟しておかねばなりません。」 | ||||
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必ずベスト5には入れる佳品。 もっと戦争について内容が濃いドロドロした話だと思ってました。 でも謎解きだったんですね。 それはそれで良しです。 他の作品も読んでみたいと思わせる作品です。 | ||||
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ミャンマーが舞台という珍しい作品。それもシャン州。懐かしい! 小説の評判を聞いて読んでみたが、うーん・・・。わかったようなわからないような。 最後に犯人がわかって一番に思ったのは、ええーっ、そんなの言葉でわかっちゃうと思うけどなあ、ということ。ネタバレになるから詳しくは言えないけど、謎解きには余り説得力なかったなあ。 あと、ストーリーテリングが時系列の一直線で、ちと単純過ぎか。そもそも、もっと分かりやすい説明がいると思うけど。ミステリーとしても戦争小説としても、私の評価はイマイチです。 | ||||
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戦争文学としてもミステリとしてもそれぞれが高い次元で完成されていて、しかもその両者が不可分であり、互いの要素が止揚して独自の世界を繰り広げています。とんでもない傑作で、古処先生の現時点での最高傑作と言えるでしょう。 | ||||
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