七月七日
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戦争モノの小説は複数読んできましたが、内容の薄っぺらいお涙頂戴系にうんざりしていました。 この小説は、ただただ救いようがないくらいに悲しく、重たい・・・。 「戦争はいけない。」と皆口を揃えるが、じゃあ戦争って何?という問いにどれだけの人が答えられるでしょうか? 私も、戦争を肌で経験した人間ではないので答えられません。 この小説を読んで戦争の奥底にある闇を垣間見た気がします。 | ||||
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サイパン島玉粋までの日系2世の懊悩と日本軍人、民間人、捕虜、投降、種々な問題、なかなか読ませる。 | ||||
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驚くべきはこの小説の著者が1970年の生まれで、この小説を著したのがわずか35歳の時だということなのだった。まさかこんな若い人が日系米国人二世達が太平洋戦争、あるいは欧州戦線でどの様な状況にあったかについて興味を持っているとは思いもしなかったからだ。 しかも、戦争というものが何をひとりひとりの人間にもたらすのか、机上の議論ではなくて、現場の視点に立って戦争というものがどのようなものを作り出すのかについて突き詰めていることに恐れ入ってしまった。 これこそ今このタイミングでこの国に必要な物語ではないかと思う。それにしても今の日本映画界がこうした小説を映画化することができるだろうか。もしハリウッドが映画化するのだとしたら、可能性は大いに高まるかも知れないが、日本の大手映画会社は決して手を出さないだろう。「永遠のゼロ」の映画化が精一杯だろう。ま、その程度だ。 | ||||
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このところ古処誠二の作品をいくつか読んだ。特に「接近」にはほとほと感心した、感動した。それらに比べると、ここでは話が作り物っぽい。語り手はともかく、登場人物の視点がすでにして戦後の視点である。また、捕虜と一緒に日本兵に化けるエピソードも、かなり無理があるような気がする。むろん小説はどんな無理も通すのかもしれないが、リアリティに欠けるような気がする。そのせいか、エンターテイメント的な面が強くなってしまったのではないだろうか。台詞回しなどもちょっとハードボイルド風で、このテーマではそれは相応しくないように思う。ほかにも、育ちの良い少尉が謝って民間人を殺したときの狼狽は、自分の部下が一人戦死しているのだから、ちょっと無理がないだろうか? それと、この作者はひょっとして文体を毎回変えているのか?「敵影」にあった箴言風の文言がここにはほとんど見あたらない。文章のリズムは同じだが、なにかジャンルが違うような気がするほど。 しかし、あちこちに見られるセンスの良さに、もうしばらくこの作者の作品を読み続けてみたい。★は 3.5 というところ。 | ||||
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軽薄な戦争批判のドラマの溢れる昨今、この様な小説が新たに生み出されたのは驚くべき事である。これはあまりに重苦しく、あまりに切なすぎる。氏の作品は、特に日本軍と米軍の兵士が接触する場面が多い。両軍の兵士の根本的な差異は余りに大きく、深すぎる。特に氏は言語・風習といった観点からの描写には定評があるようである。日米の苦しみを丸ごと引き受けたかのような日系2世の語学兵が主人公の今作は、特にそれを余す事なく描き切っている。深い断裂に苦しみ、仲間を失い、どちらの国にも憎まれる日系2世の「ショーティ」が結末に下す決断は余りに非情だ。しかし、もし結末まで読んだのなら、彼はそうせざるを得ないのだと誰もが必ず理解するだろう。救いもなく、報われることもない、胸に焦付くようなこの戦争小説は、昨今の日本人が到底生み出す事のできない傑作だ。軽々しく共感や感動などできない。しかし、軽薄さを廃し、ありきたりな戦争小説を超越したこの様な作品が、もっと広く読まれる様に願う。 | ||||
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