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七月七日



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【この小説が収録されている参考書籍】
七月七日
七月七日 (集英社文庫)

七月七日の評価: 4.58/5点 レビュー 12件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.58pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(5pt)

「戦争」という行為について考えさせられる

戦争モノの小説は複数読んできましたが、内容の薄っぺらいお涙頂戴系にうんざりしていました。
この小説は、ただただ救いようがないくらいに悲しく、重たい・・・。
「戦争はいけない。」と皆口を揃えるが、じゃあ戦争って何?という問いにどれだけの人が答えられるでしょうか?
私も、戦争を肌で経験した人間ではないので答えられません。
この小説を読んで戦争の奥底にある闇を垣間見た気がします。
七月七日 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:七月七日 (集英社文庫)より
4087463087
No.11:
(5pt)

こう言う作品を読んでほしい。

サイパン島玉粋までの日系2世の懊悩と日本軍人、民間人、捕虜、投降、種々な問題、なかなか読ませる。
七月七日 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:七月七日 (集英社文庫)より
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No.10:
(5pt)

日本の映画界にこれを映画化する気力があるか!

驚くべきはこの小説の著者が1970年の生まれで、この小説を著したのがわずか35歳の時だということなのだった。まさかこんな若い人が日系米国人二世達が太平洋戦争、あるいは欧州戦線でどの様な状況にあったかについて興味を持っているとは思いもしなかったからだ。
 しかも、戦争というものが何をひとりひとりの人間にもたらすのか、机上の議論ではなくて、現場の視点に立って戦争というものがどのようなものを作り出すのかについて突き詰めていることに恐れ入ってしまった。
 これこそ今このタイミングでこの国に必要な物語ではないかと思う。それにしても今の日本映画界がこうした小説を映画化することができるだろうか。もしハリウッドが映画化するのだとしたら、可能性は大いに高まるかも知れないが、日本の大手映画会社は決して手を出さないだろう。「永遠のゼロ」の映画化が精一杯だろう。ま、その程度だ。
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4087463087
No.9:
(3pt)

これが最初の古処読書だったら、他の作品に出会えなかったかも

このところ古処誠二の作品をいくつか読んだ。特に「接近」にはほとほと感心した、感動した。それらに比べると、ここでは話が作り物っぽい。語り手はともかく、登場人物の視点がすでにして戦後の視点である。また、捕虜と一緒に日本兵に化けるエピソードも、かなり無理があるような気がする。むろん小説はどんな無理も通すのかもしれないが、リアリティに欠けるような気がする。そのせいか、エンターテイメント的な面が強くなってしまったのではないだろうか。台詞回しなどもちょっとハードボイルド風で、このテーマではそれは相応しくないように思う。ほかにも、育ちの良い少尉が謝って民間人を殺したときの狼狽は、自分の部下が一人戦死しているのだから、ちょっと無理がないだろうか?
それと、この作者はひょっとして文体を毎回変えているのか?「敵影」にあった箴言風の文言がここにはほとんど見あたらない。文章のリズムは同じだが、なにかジャンルが違うような気がするほど。
しかし、あちこちに見られるセンスの良さに、もうしばらくこの作者の作品を読み続けてみたい。★は 3.5 というところ。
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No.8:
(5pt)

あまりに苦しい。あまりに切ない。

軽薄な戦争批判のドラマの溢れる昨今、この様な小説が新たに生み出されたのは驚くべき事である。これはあまりに重苦しく、あまりに切なすぎる。氏の作品は、特に日本軍と米軍の兵士が接触する場面が多い。両軍の兵士の根本的な差異は余りに大きく、深すぎる。特に氏は言語・風習といった観点からの描写には定評があるようである。日米の苦しみを丸ごと引き受けたかのような日系2世の語学兵が主人公の今作は、特にそれを余す事なく描き切っている。深い断裂に苦しみ、仲間を失い、どちらの国にも憎まれる日系2世の「ショーティ」が結末に下す決断は余りに非情だ。しかし、もし結末まで読んだのなら、彼はそうせざるを得ないのだと誰もが必ず理解するだろう。救いもなく、報われることもない、胸に焦付くようなこの戦争小説は、昨今の日本人が到底生み出す事のできない傑作だ。軽々しく共感や感動などできない。しかし、軽薄さを廃し、ありきたりな戦争小説を超越したこの様な作品が、もっと広く読まれる様に願う。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158
No.7:
(3pt)

戦記ものとは違う

最後までさくさくと読みすすむことができました。
日系アメリカ人が語学兵として戦場へ。そこで、日本兵・民間人に投降を呼びかけるが・・・。
日本兵を射殺したり、日本軍の軍服を着て日本軍に紛れ込んり・・・。
私は戦記ものがすきなので、その感覚で読み進みました。他のレビューで泣けるという話がありますが、まったく泣けませんでした。
日系アメリカ兵といえば、山崎豊子の「二つの祖国」ですが、これと比べるのは少しかわいそうな気もします。ま、ジャンルも違いますが。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158
No.6:
(4pt)

言葉に胸を打たれる

この本を読んでストーリーより、「言葉」によって胸を打たれました。作品中に出てくる主人公と護衛兵や主人公と日本人捕虜との口論のやりとりにはものものしさが意味でありました。ときどき出てくる主人公の幼い頃の記憶のエピソードなどにも胸を締め付けられ、主人公の苦悩が痛いほど伝わってきます。ただ、私の日本語能力が低いからだと思いますが、文章が難解なのが玉に傷。一度読んだだけでは状況が理解できないような文がところどころありました。例えば、一対一の格闘の場面で主人公が銃の引き金を弾いた、という描写があれば私は相手を射殺したのかと思うのですが、相手を打ったわけではなかったり、なかなか情景を思い浮かべづらい場面がたくさんありました。でも、扱ったテーマも良かったし、太平洋戦争の知られざる一面を知るにはとても興味深い本だと思います。このようなテーマに興味がある方にはおすすめ。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158
No.5:
(5pt)

技量もさることながら・・・・

読みながら涙が止まらなくなったのは、いったい何年ぶりか。記憶にない。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158
No.4:
(5pt)

またひとり素晴らしい作家と新たに知り合えた。この出会いを素直に喜びたい。

 日系二世の米兵ショーティは語学兵としてサイパンの戦線にいた。見かけが「ジャップ」の彼は、“同胞”である米軍兵士に猜疑の目を向けられることも珍しくはない。 日本軍の敗色が濃くなってきた夏、サイパンで玉砕覚悟の日本兵や民間邦人をなんとか投降させようとショーティは奔走する…。 太平洋戦争が単に物量の多寡によって雌雄を決するという闘いであっただけではなく、和洋双方の精神の激しいぶつかり合いでもあったことを、日系米兵という存在を触媒として描いた力作です。堪能しました。 この小説の中で日本兵や民間邦人とショーティとは、戦争遂行における〝和魂〝についてたびたび緊張感溢れる論戦を繰り広げます。「生きて虜囚の辱めを受けず」の思いが骨の髄まで染みついて閉ざされた日本人の心を、理をもってこじ開けようとするショーティ。彼が口にする言葉は、ときに過半を救うために一部を犠牲にするというギリギリの戦法です。 そしてこの対話の中で、戦争における義や日系米兵の置かれた立場といったものが、実に不安定なものであることが炙り出されていきます。 義のための戦争という美名のもとに投入された多くの兵士たちが、身も心も疲弊した果てに、自棄の気持ちへと駆り立てられていく。もうこの戦争には後がないという時期のやりきれないほどの焦燥感が南方の兵士たちを取り巻いています。そうした時間と空間にある戦争というものの極度に張りつめた様子が、乾いた筆致で見事に描かれています。心に痛みを伴いながら読みました。 同じ作者の他の作品も手にしてみたいと思わせるだけの力強さをもった作品でした。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158
No.3:
(5pt)

いや~泣けます。

古処誠二の本はすべて読んできましたが、この本がベストではないか?と思えるほどの内容です。戦争をテーマにした作者の本は他には「ルール」がありますが、(ルールも素晴らしい本ですが)戦争をテーマとする書き手としては私的には№1です。日本では戦争、特に大東亜戦争に関して論ずることはタブーとされた教育を受けたはずの作者が(1970生まれ)これだけの本を書けるとは本当に驚きです。その内容も、最後には感動的な場面もしっかり用意されており、お勧めです。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158
No.2:
(5pt)

戦後世代が書いた戦記物の傑作

日系二世の語学兵「ショーティ」(日本語なら「チビ」?)を主人公にサイパン玉砕戦を描いた作品。「日本人の子」でありながら「アメリカのために全力」を尽くさなければならぬという設定には「ナルホド」。後半は予想もしなかったストーリー展開で、最後は泣かせます。夕方から読み始めて、明日は仕事だというのに午前3時までかけて一気に読み切ってしまいました。日米国民双方にとって戦争がいかに苛酷であったかが、フィクションならではの深い心理描写で描かれています。はっきり言って傑作…とは思うけど、どうして、僕より年下の作者がこんな小説を書くことができるのか。「戦後世代」として深く考えさせられる一作でした。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158
No.1:
(5pt)

戦後世代が書いた戦記物の傑作

日系二世の語学兵「ショーティ」(日本語なら「チビ」?)を主人公にサイパン玉砕戦を描いた作品。「日本人の子」でありながら「アメリカのために全力」を尽くさなければならぬという設定には「ナルホド」。後半は予想もしなかったストーリー展開で、最後は泣かせます。夕方から読み始めて、明日は仕事だというのに午前3時までかけて一気に読み切ってしまいました。日米国民双方にとって戦争がいかに苛酷であったかが、フィクションならではの深い心理描写で描かれています。はっきり言って傑作…とは思うけど、どうして、僕より年下の作者がこんな小説を書くことができるのか。「戦後世代」として深く考えさせられる一作でした。
七月七日Amazon書評・レビュー:七月七日より
4087747158

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