ふたつの枷
- 戦争 (17)
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古処誠二の短編と言えば線が思い浮かぶが、こちらも線に負けず劣らずの短編集。 ニューギニアを舞台にした短編が、以前はそんなに面白いとは思わなかったのだが、最近、妙に味わい深く感じる。 麗しき戦友愛、といったところか。 ニューギニアだからね、遺体を埋めた後、そこに見張りを立てておかないと、掘り返して食べちゃう奴がいるから気を付けないとね(笑)。 魔境ニューギニアだからね、人を狂わせる。 マラリアで死んだ、と言っても、実質的には餓死というか、塩分不足で死んだ感じだろうが、その辺の飢餓はあまり描けていない感はある。 まあ飢餓を描く気があったかどうかは微妙な作品だが。 | ||||
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第2次世界大戦の敗戦直前直後の東南アジアの戦場の兵士達についての物語です。 あまり物語としての面白みが無く、大変、悲惨、過酷って事がつらつらと説明されるような感じ。 | ||||
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鋭さと暗さを増して、人間の業を掘下げている古処誠二の最新作。 負け戦に精神は限界をとっくに超え、肉体は病魔に蝕まれる。 食わなければ生きていけず、水を飲まなければ死んでしまう根本的な人間の弱さが晒される戦場。 生存が困難な山中でマラリアに蝕まれながら、ぼろぼろと崩壊していく部隊。 自壊していく部隊と自らの精神に耐える終わりのない苦しみ。 生と死が逆転し、死ねたものは幸いになる。 それでも、下士官として人間として父親として、ギリギリに踏みとどまる姿。 全ての虚飾を剥ぎ取った先に現れる、人間の痛ましく、時に気高くすらある姿。 文章もよく練り込まれ、感情表現を極限まで抑えています。 そして何より、「小説として表現される戦争」「過去の出来事としての悲劇」ではなく、「戦争を生きている兵士の、目を開いて見ている(生きている)現実」というスタンスが印象的です。 おおよそ想像もつかない生活の肌触りや、他の作家には描けない「生きる」ということのリアリティが、この一冊を他の作家の追いつけないレベルへと引き上げています。 目頭が熱くなりながらも、涙を流すことすらこの作品にはふさわしくないような気がして、腹の奥に何か重たく熱い、やり場のない感情がある読後感。 それにしても「接近」「ルール」「七月七日」等の傑作をさらに超えて、研ぎ澄まされていく筆致には驚きを禁じえません。 | ||||
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