日本沈没
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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大ヒット?らしいので読んでみたら・・・ | ||||
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30年ぶりに読んだが、全く色あせない。それどころか東北大震災を経験した今、数十年前に書かれたとは思えないくらい当たっている。作家としての知識と学者には無い先見性、やはり素晴らしい日本史上に残る傑作SF。小松の長編によくある前半は科学的知識に基づいた理論攻勢で きっちりと理解しうとすると少々理解しずらい点もあるが、単なる空想で書かれたものではない知識の蓄積と裏付けが出来上がる。内容はどこまでは本当でどこからが創作かわからなくなるくらい深く入り込んだ科学的側面をベース、現実味のある政治・経済的側面に思いのほかページを割くことでしっかりと土台を作り上げる。とはいえ、この作品の発表は1973年、40年前である。しかし、時代の古さというものは全く感じられないのは、作家小松左京の先見性なのか、当時から進歩していない為なのか。阪神淡路の震災、東北の震災等々の経験に対し、地震研はいまさらながら地震予知は不可と発表。政治はすでに茶番のレベル、経済もリーマンで簡単にひっくり返る中・韓初め東南アジア勢にひっくり返される状況に不安は増すばかりであるが、彼には日本の未来がどう予測されていたのだろうか。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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精緻に科学的に調べられた内容は言うまでもないが、当時、8歳だった小生は、カッパ・ノベルスのこの表紙のイラストに表された端的で象徴的なイメージに惹かれ、そして題名と直結した恐怖感を覚えた。それは今でも変わらない。 最近の文庫本の表紙のイメージは直接的すぎて噴飯もの、幼稚でさえある。 人生経験が足らぬ編集者の想像力の貧困がなせることなのか、それとも読者がこれでもかというほどのサービスたっぷりのイメージの示唆をしてもらわないとついてこられない結果なのか。多分、その両方だろう。 映画にドラマ、それを演じる俳優たち、そして広告…何を著しても、先の大戦を通して酸い甘いも経験した、つくり手のセンスの良さが光っていた黄金時代の作品である。 | ||||
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なにを言ってるのかわからん。 | ||||
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定年になり、暇を持て余している。そんなとき思い付いたのが、半世紀前に読んだ本を今読んだらどう感じるかの試みだった。最初の一冊として、この本を選んだ。初読は中1頃だったろうか。恐ろしさに慄きながら、文章にのめり込んだのを覚えている。中学時代にこの本を皮切りに、当時手に入る小松左京氏の文庫作品は全て読破した。文庫本に限定したのは、当時は収入がなく、単行本に手が出なかったという単純な理由。 小松左京氏の随筆の中にこのような言葉があったことを思い出す。SFとは99%の真実に1%のフィクションを織り込んで綴るものであると。この日本沈没は、氏の言わんとしていることを実践している代表作だと思う。事実を科学的に淡々と述べて、日本が沈むという事実を積み重ねていく。圧巻だったのは、日本列島を沈めるエネルギーの移動を、当時は気象学で用いられていた法則で帳尻を合わせる。この書籍中のエネルギー量で実際に日本列島を沈められるそうだが、当時はPCも無く、計算尺で弾き出したところに凄みを感じる。 勿論、理論的なところばかりで無く、登場人物の背景、配置、心情描写も巧みで、文字通り小松ワールドに引き込まれていく。純文学に重きを置かれ、SFは一段下の文学のようにとらわれがちだが、日本沈没は読み注がれなければならない歴史的一冊だと思う。 | ||||
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テレビドラマを見て懐かしく思い購入。阪神大震災、東北地震、能登半島地震 それを予見したようなストーリーで、今こそ多くの人に読み返してほしい。 | ||||
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小松左京さんの言わずと知れた代表作.私は今回初めて読みました(令和3年11月の11版).タイトル「日本沈没」そのままに、地球の地殻変動により日本列島が破壊され海に没する、という突っ込みようがないほどシンプルでストレートな内容だが、日本人にとってその意味は重い.上巻では冒頭の東京駅の雑踏から日本海溝の探査行、地殻メカニズムの理論説明、秘密裏に動き始める政治機構、いつも通りの平穏な日本社会からうち続く大規模災害に次第に不安感が醸成されるまで.人と技術に密着したディテール描写と国内外の社会・政治・経済といったマクロな記述との緊密な構成が素晴らしい.私的には日本海溝の深海で誰にも知られないまま静かに異変が起こっている不気味な、しかし静謐で美しい情景描写が好きです(照明弾に照らされる海底の様子が神秘的また厳粛な雰囲気で神聖さすら感じる).また優秀なはみ出し者が集まった秘密チームの描写は映画「シン・ゴジラ」に繋がっているように思います.昭和40年台後半の日本の描写には時代を感じますし、裏から支配する謎の老人も今ではちょっと非現実感がありますが、あくまで当時の世相に即した同時代的なエンターテイメント小説として私は肯定的に捉えたいです.と同時に、日本人にとっての国土の意味、世界における日本の在り方、日本とは?日本人とは?といった大テーマを真正面から読者に問い続ける、時代を超えた価値がある小説だとも思います.普通、独創的な優れたアイディアは一旦社会に公に認知されたら、その後、様々な角度から手を替え品を替えて引用・再発明されていくものですが、本作はそのアイディアの衝撃性と作品としての完成度があまりにも高いので、パロディものは別としてそのフォロワーが見当たらない、稀有な作品だと思います. (2022年12月12日追記)少し補足を.私が「フォロワー無し」と書いたのはつまり「世界の中で日本だけが全面壊滅し、日本列島が消滅する」というプロットのことです.世界が破滅する、というのは沢山ありますし、例えば「ゴジラ」等で破壊されるのはその怪獣の上陸地点に限定されますよね.「凄ノ王」(@永井豪)や「ヤマタイカ」(@星野之宣)などはかなり近い気がしますが(うろ覚えですが)、陸地まで消滅することは無かったようにおもいます.逆に気候変動等での海面上昇では日本に限定されないですしね.またたとえアイディアとして思いついても、ここまで念入りに仕上げてみせるのは至難の業だと思います.凄い小説です. | ||||
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