蒸発-ある愛の終わり-
- ジェット機 (14)
- 失踪 (242)
- 日本推理作家協会賞受賞 (110)
- 飛行機 (16)
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数ある作品の中でも、1973年日本推理作家協会賞受賞作とのことで、楽しみにしていました。 機内から人が消えるシーンからのスタートで、どのようなトリックかとワクワクしながら読みました。 しかし、主人公には妻や子どもがいるのに、あまりふれていなかったり、2ー3度会っただけの女性が、突然主人公を好きになり、変な行動をしたりと不自然な設定が、多々ありました。殺人のトリックも、シンプルでした。 最後までスムーズに読めたのは、それに上回る、登場人物の情緒の描写が素晴らしく、引き込まれたためです。 | ||||
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つまらない | ||||
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1960年に江戸川乱歩賞候補となり、22歳でデビューされた夏樹静子氏。結婚後しばらく主婦業と子育てに専念されていましたが、1969年に改めてデビューされました。この「蒸発」は長編2作目で、1972年発表の作品です。 まず最初、航空機に搭乗したはずの女性が機内から消えてしまうという出だしに引き込まれます。作品全体の構成の巧みさ、そして列車や航空機など交通機関や時刻表を駆使した犯罪とそのトリック、複雑な人間関係の伏線などにうなりました。とても、本格デビュー後まだ2作目の長編とは思えません。恋愛は物語の重要な要素になっていますが、松本清張ばりの社会派的な雰囲気もあって、なかなか硬派な小説に仕上がっています。 ただ、今から約50年前に書かれた作品という時差はどうしてもついてまわります。他のレビューアさんが書かれていましたが、今となっては印象がよくない”裏日本”という表現や(当時の事情を考えれば、能登半島の田舎で情報の伝達が遅いというのは、実際ありえたことかもしれません)、個人的には、蒸発した人妻の美那子が最後までこだわり、自分を責め続けた心のありようも、今となってはそれほど自己批判しなくてはいけないことか?と感じてしまいました。これは、女性は、母親はこうあるべきであるという当時の倫理観を元にしたものと言えるでしょう。古い作品にはどうしてもこうした時代の感性の違いがマイナスになりがちです。 最近、続けて昔のミステリや小説を再読しましたが、たとえば、60~70年代には、なんでもかんでも体制や大人に反抗し逆らうのがかっこいいことだったようですが、このあたりも理解しがたいことが多いです。この作品に関しても、不倫が徹底的に叩かれる現在では、結婚後に出会ってしまった運命の相手との恋愛を純愛のように描いていることに対して、”不倫は絶対ダメ”派の人たちは憤りをおぼえてしまうかも。そこは、「へえ~、こんな感じだったんだな」と、一歩距離を置いて時代の変化を感じながら鑑賞すると、作品の本質を楽しめるのではないかと思います。 なかなかの力作でした。何十年かぶりの再読でしたが、他の夏樹作品も改めて読んでみたくなりました。 | ||||
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結末がわかるまではドキドキしたけど、推理小説としては、トリックにちょっと無理があるような気がします。動機もそうですが。 | ||||
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1973年 第26回日本推理作家協会賞受賞作。 ベトナムで殉職したとされていた新聞記者 冬木が帰国した。冬木は不倫関係の人妻 美奈子のもとを訪れるが、美奈子は夫と子供を残したまま失踪してしまっていた。美奈子を忘れられない冬木は、美奈子の行方を追う ・・・ 出だしはドロドロ系の愛憎ドラマのごとしである。人妻に恋焦がれる冬木、忽然と姿を消した妻を悲愴な面持ちで探し求める夫 朝倉。様々な負の感情が入り乱れ、とっても湿度が高い。 冬木が美奈子の消息と尋ね歩くうちに、札幌行きの飛行機から乗客が消失する事件や、美奈子の郷里 福岡の会社社長失踪、殺人事件にぶちあたっていく。探索を進めるうち、それぞれの事件と美奈子との関連が浮き彫りになってくるのだが、この入り組んだ状況を筋道たてて紐解いていく過程はさすがである。冒頭がうっとおしいだけに、謎解き要素が加わってくると俄然、面白味が盛り返す。 興味の中心は、美奈子の失踪=蒸発がどのような動機によるものかだ。これは本当に最後の最後でなければわからない。どうして不倫という要素をこの作品に持ち込まなければいけないかが分かる仕組みになっている。軽い驚きとともに、なんともやりきれない気分にさせられたのだがどうだろう。読者によって肌に合う合わないがあるだろうが、女性の情念を描いた作品として良くできていると思う。 飛行機からの人間消失は、さすがに今では許されないトリックだろうね。 | ||||
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