光る崖

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種別
長編
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あらすじ

2007年08月01日 光る崖 (光文社文庫)

名古屋地検の検事・千鳥朱子は、秘めた関係にある服飾MD・郷原の誘いを断れず、飛騨へ旅に出かけた。旅行後、名古屋市内で傷害致死事件が発生。朱子の前に現れた参考人は、旅先で知り合った女性・北沢昌代だった。事件の調べを進めると、背後に女子高生売春グループの存在が浮かび上がってきた。―初めて女性検事を主人公に配した「記念碑的作品」が新装版で登場。(「BOOK」データベースより)

評判

光る崖の評価:

0.00/10点 レビュー 0件。 C ランク

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光る崖の総合評価:

8.00/10点 レビュー 5件。

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No.5
(4pt)

夏樹静子、38歳の意欲作

2016年3月19日、作家の夏樹静子さん死去。その報に接したとき、ああまたひとつ昭和が逝ったな、という思いが胸をよぎった。死亡記事に代表作として挙げられていたのは、数々の映像化でおなじみの『Wの悲劇』、日本推理作家協会賞を受賞した『蒸発』など。わたしもそれらいくつかの夏樹ミステリを愛好してきた読者だが、しかしメジャーではない作品まではフォローしていない。よしこれを機に、と本書『光る崖』を手にした。

光る崖は、1977年刊行の比較的初期の作品だ。「初めて女性検事を主人公に配した著者の記念碑的作品!」と裏表紙にある。名古屋など東海地方を舞台に、東京から赴任してきたシングルマザーの女性検事・千鳥朱子の活躍を描いたもので、朱子のプライベートにもかなりの紙数が割かれているため、一種のビルドゥングスロマン(成長物語)として読める。純粋にミステリを楽しみたいむきには、それが少々もたつく要素になっていることは否めないけれど…。

途中で話があれれ…という感じで変わってしまうのも、弱いといえば弱い。名古屋市内で起こった傷害致死事件を追う朱子、と思いきや、急に彼女は後退して、一般家庭の主婦が実質的な主人公みたいな展開になっていくのだ。もちろん、それはやがて先の傷害致死事件とリンクするのだが、朱子の奮闘記として視点を終始一貫させておく方がよかった、と個人的には思う。その辺は、当時38歳の著者が欲張ってあれこれ盛っている感じが伝わってくるので、「意欲的」と好意的にとらえておこう。

しかし、そういう構成上の甘さは気になるものの、30代にして驚くほど達者な筆力が、それを補って余りある。これは近年の若いミステリ作家と比べてみても、圧倒的に30代の夏樹静子の方が円熟しているように思う。シャープで端正な文体を読むことは、パリッと糊のきいたシャツに袖を通すような快感があった。言葉の選び方、文章の組み立て方といったものから、この人はやっぱり賢いんだなということが伝わってきて、あらためて才能ある作家の死を悼んだ。あと何冊か夏樹ミステリを購入したので、もうしばらくその作品世界に親しみたい。
光る崖―長編推理小説 (1977年) (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 光る崖―長編推理小説 (1977年) (カッパ・ノベルス)より
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No.4
(4pt)

夏樹静子、38歳の意欲作

2016年3月19日、作家の夏樹静子さん死去。その報に接したとき、ああまたひとつ昭和が逝ったな、という思いが胸をよぎった。死亡記事に代表作として挙げられていたのは、数々の映像化でおなじみの『Wの悲劇』、日本推理作家協会賞を受賞した『蒸発』など。わたしもそれらいくつかの夏樹ミステリを愛好してきた読者だが、しかしメジャーではない作品まではフォローしていない。よしこれを機に、と本書『光る崖』を手にした。

光る崖は、1977年刊行の比較的初期の作品だ。「初めて女性検事を主人公に配した著者の記念碑的作品!」と裏表紙にある。名古屋など東海地方を舞台に、東京から赴任してきたシングルマザーの女性検事・千鳥朱子の活躍を描いたもので、朱子のプライベートにもかなりの紙数が割かれているため、一種のビルドゥングスロマン(成長物語)として読める。純粋にミステリを楽しみたいむきには、それが少々もたつく要素になっていることは否めないけれど…。

途中で話があれれ…という感じで変わってしまうのも、弱いといえば弱い。名古屋市内で起こった傷害致死事件を追う朱子、と思いきや、急に彼女は後退して、一般家庭の主婦が実質的な主人公みたいな展開になっていくのだ。もちろん、それはやがて先の傷害致死事件とリンクするのだが、朱子の奮闘記として視点を終始一貫させておく方がよかった、と個人的には思う。その辺は、当時38歳の著者が欲張ってあれこれ盛っている感じが伝わってくるので、「意欲的」と好意的にとらえておこう。

しかし、そういう構成上の甘さは気になるものの、30代にして驚くほど達者な筆力が、それを補って余りある。これは近年の若いミステリ作家と比べてみても、圧倒的に30代の夏樹静子の方が円熟しているように思う。シャープで端正な文体を読むことは、パリッと糊のきいたシャツに袖を通すような快感があった。言葉の選び方、文章の組み立て方といったものから、この人はやっぱり賢いんだなということが伝わってきて、あらためて才能ある作家の死を悼んだ。あと何冊か夏樹ミステリを購入したので、もうしばらくその作品世界に親しみたい。
光る崖 (1981年) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 光る崖 (1981年) (角川文庫)より
B000J7YDPW
No.3
(4pt)

夏樹静子、38歳の意欲作

2016年3月19日、作家の夏樹静子さん死去。その報に接したとき、ああまたひとつ昭和が逝ったな、という思いが胸をよぎった。死亡記事に代表作として挙げられていたのは、数々の映像化でおなじみの『Wの悲劇』、日本推理作家協会賞を受賞した『蒸発』など。わたしもそれらいくつかの夏樹ミステリを愛好してきた読者だが、しかしメジャーではない作品まではフォローしていない。よしこれを機に、と本書『光る崖』を手にした。

光る崖は、1977年刊行の比較的初期の作品だ。「初めて女性検事を主人公に配した著者の記念碑的作品!」と裏表紙にある。名古屋など東海地方を舞台に、東京から赴任してきたシングルマザーの女性検事・千鳥朱子の活躍を描いたもので、朱子のプライベートにもかなりの紙数が割かれているため、一種のビルドゥングスロマン(成長物語)として読める。純粋にミステリを楽しみたいむきには、それが少々もたつく要素になっていることは否めないけれど…。

途中で話があれれ…という感じで変わってしまうのも、弱いといえば弱い。名古屋市内で起こった傷害致死事件を追う朱子、と思いきや、急に彼女は後退して、一般家庭の主婦が実質的な主人公みたいな展開になっていくのだ。もちろん、それはやがて先の傷害致死事件とリンクするのだが、朱子の奮闘記として視点を終始一貫させておく方がよかった、と個人的には思う。その辺は、当時38歳の著者が欲張ってあれこれ盛っている感じが伝わってくるので、「意欲的」と好意的にとらえておこう。

しかし、そういう構成上の甘さは気になるものの、30代にして驚くほど達者な筆力が、それを補って余りある。これは近年の若いミステリ作家と比べてみても、圧倒的に30代の夏樹静子の方が円熟しているように思う。シャープで端正な文体を読むことは、パリッと糊のきいたシャツに袖を通すような快感があった。言葉の選び方、文章の組み立て方といったものから、この人はやっぱり賢いんだなということが伝わってきて、あらためて才能ある作家の死を悼んだ。あと何冊か夏樹ミステリを購入したので、もうしばらくその作品世界に親しみたい。
光る崖 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 光る崖 (光文社文庫)より
4334742963
No.2
(4pt)

夏樹静子、38歳の意欲作

2016年3月19日、作家の夏樹静子さん死去。その報に接したとき、ああまたひとつ昭和が逝ったな、という思いが胸をよぎった。死亡記事に代表作として挙げられていたのは、数々の映像化でおなじみの『Wの悲劇』、日本推理作家協会賞を受賞した『蒸発』など。わたしもそれらいくつかの夏樹ミステリを愛好してきた読者だが、しかしメジャーではない作品まではフォローしていない。よしこれを機に、と本書『光る崖』を手にした。

光る崖は、1977年刊行の比較的初期の作品だ。「初めて女性検事を主人公に配した著者の記念碑的作品!」と裏表紙にある。名古屋など東海地方を舞台に、東京から赴任してきたシングルマザーの女性検事・千鳥朱子の活躍を描いたもので、朱子のプライベートにもかなりの紙数が割かれているため、一種のビルドゥングスロマン(成長物語)として読める。純粋にミステリを楽しみたいむきには、それが少々もたつく要素になっていることは否めないけれど…。

途中で話があれれ…という感じで変わってしまうのも、弱いといえば弱い。名古屋市内で起こった傷害致死事件を追う朱子、と思いきや、急に彼女は後退して、一般家庭の主婦が実質的な主人公みたいな展開になっていくのだ。もちろん、それはやがて先の傷害致死事件とリンクするのだが、朱子の奮闘記として視点を終始一貫させておく方がよかった、と個人的には思う。その辺は、当時38歳の著者が欲張ってあれこれ盛っている感じが伝わってくるので、「意欲的」と好意的にとらえておこう。

しかし、そういう構成上の甘さは気になるものの、30代にして驚くほど達者な筆力が、それを補って余りある。これは近年の若いミステリ作家と比べてみても、圧倒的に30代の夏樹静子の方が円熟しているように思う。シャープで端正な文体を読むことは、パリッと糊のきいたシャツに袖を通すような快感があった。言葉の選び方、文章の組み立て方といったものから、この人はやっぱり賢いんだなということが伝わってきて、あらためて才能ある作家の死を悼んだ。あと何冊か夏樹ミステリを購入したので、もうしばらくその作品世界に親しみたい。
光る崖 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 光る崖 (光文社文庫)より
4334714765
No.1
(4pt)

夏樹静子、38歳の意欲作

2016年3月19日、作家の夏樹静子さん死去。その報に接したとき、ああまたひとつ昭和が逝ったな、という思いが胸をよぎった。死亡記事に代表作として挙げられていたのは、数々の映像化でおなじみの『Wの悲劇』、日本推理作家協会賞を受賞した『蒸発』など。わたしもそれらいくつかの夏樹ミステリを愛好してきた読者だが、しかしメジャーではない作品まではフォローしていない。よしこれを機に、と本書『光る崖』を手にした。

光る崖は、1977年刊行の比較的初期の作品だ。「初めて女性検事を主人公に配した著者の記念碑的作品!」と裏表紙にある。名古屋など東海地方を舞台に、東京から赴任してきたシングルマザーの女性検事・千鳥朱子の活躍を描いたもので、朱子のプライベートにもかなりの紙数が割かれているため、一種のビルドゥングスロマン(成長物語)として読める。純粋にミステリを楽しみたいむきには、それが少々もたつく要素になっていることは否めないけれど…。

途中で話があれれ…という感じで変わってしまうのも、弱いといえば弱い。名古屋市内で起こった傷害致死事件を追う朱子、と思いきや、急に彼女は後退して、一般家庭の主婦が実質的な主人公みたいな展開になっていくのだ。もちろん、それはやがて先の傷害致死事件とリンクするのだが、朱子の奮闘記として視点を終始一貫させておく方がよかった、と個人的には思う。その辺は、当時38歳の著者が欲張ってあれこれ盛っている感じが伝わってくるので、「意欲的」と好意的にとらえておこう。

しかし、そういう構成上の甘さは気になるものの、30代にして驚くほど達者な筆力が、それを補って余りある。これは近年の若いミステリ作家と比べてみても、圧倒的に30代の夏樹静子の方が円熟しているように思う。シャープで端正な文体を読むことは、パリッと糊のきいたシャツに袖を通すような快感があった。言葉の選び方、文章の組み立て方といったものから、この人はやっぱり賢いんだなということが伝わってきて、あらためて才能ある作家の死を悼んだ。あと何冊か夏樹ミステリを購入したので、もうしばらくその作品世界に親しみたい。
光る崖 (角川文庫 緑 445-5) Amazon書評・レビュー: 光る崖 (角川文庫 緑 445-5)より
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