(短編集)

陰の季節



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陰の季節 (文春文庫)
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初公開日(参考)2001年09月
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短編集

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陰の季節 (文春文庫)

2001年09月30日 陰の季節 (文春文庫)

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。 (「BOOK」データベースより)




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陰の季節の総合評価:8.48/10点レビュー 120件。Aランク


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全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(8pt)

短編集ですか

警察物の短編集ですがミステリーもちゃんとしているし読んでて楽しいです。警察サスペンスを敬遠されてる方にもオススメします

MEI
GD5UZMNE
No.10:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

陰の季節の感想


▼以下、ネタバレ感想

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mick
M6JVTZ3L
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

陰の季節の感想

警察組織の中でも目立たない陰の部分を支える人々の物語。ある組織の中では「権力」がこんなにも大切なものなのですね。組織を守るという大義名分のもと、意地を通しプライドを守るために男たちはここまでする…。女性の主人公もいるのですが、やはり男性的な思考としか言いようがありません。
管理社会に生きる男たちの悲哀を目の当たりにしたところに夫が帰宅…いつも以上に優しくしてあげたくなりました。感謝。

はつえ
L7BVQMDY
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

秀作です。

著者の初期の短編集。4作が収録されています。
どれも秀作だと思います。
ネタオチも歯切れが良くて、ストンと腑に落ちます。
緊迫感の持続という面では、第三の時効という作品には及びませんが、良かったです。


マッチマッチ
L6YVSIUN
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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警察もまた“人”であることを濃厚に描く傑作

D県警を舞台にした殺人課ではなく、警務課諸氏を主人公にした警察小説連作短編集。

表題作は警務課の人事担当二渡真治警視が主役を務める。
なんとも渋みの効いた作品。何を考えているのか解らない元刑事の鬼、尾坂部の存在感が途轍もなく大きい。
そして過去に未解決に終わった娘のレイプ事件が人事拒絶に絡み、その犯人が意外な形で明らかになる。全て無駄の無い作品だ。
正に横山伝説の始まりを告げるに相応しい一篇。

続く「地の声」は警務部監察課に務める新堂隆義が主人公。
人を疑うのが仕事の警察。それは犯人を挙げる外部の人間のみならず、自らの出世を企む内部の人間でさえ同じことだ。昇進の人事査定が迫った時期に密告がなされる弱肉強食の世界の警察内部の醜さと過酷さがここには描かれている。
第1話で主役を務めた二渡がここでは人事の鬼という存在で物語に大きな影響力を与えているのが非常に興味深い。

続く「黒い線」は警務課婦警担当係長である七尾友子が主人公。
実直で真面目な婦警が手柄を立て、マスコミにも報じられた翌日になぜ無断欠勤するのか?
この矛盾を感じる突然の行動に実に納得の行く結末が用意されている。しかもそれは実に残酷な結末。社会に生きる女性の厳しさや、パワハラといったサラリーマン社会にも通じる苦いその内容は組織に生きる一人の人間として心に響いた。
特に驚いたのが男性の横山氏がよくもこれだけ女性の、しかも警察という男性社会の只中で奮闘する女性の心理を描いたものだと感心した。本書の中でも個人的ベストだ。

最後の「鞄」は警務部秘書課の柘植正樹が主役を務める。
国会答弁があらかじめ質問事項が決まっており、それに基づいて部下の官僚などが答弁の原稿を書き、大臣や議員はそれを読むだけになっているというのはもはや周知の事実だが、県議会での警察への質問も同じとは知らなかった。そして警察もまた専用の担当官がおり、それが本編の主人公柘植の仕事だ。
権力と面子が物を云う世界で、質問する側される側双方の顔を汚さずに無事議会を終えるために奔走するこの仕事は非常にデリケートで神経を使うものだが、D県警初の30代警視になるという野心を持つ柘植にとって、それは出世への階段の近道であるため、かつての友人とも云える同期や周辺の人物を利用することを辞さない。
本編でも二渡は登場するが、ほんのカメオ出演というくらいで、それよりも2編目の「地の声」で主役を務めた新堂がここで再登場し、作品のその後の彼の姿がそのまま上昇志向の強い柘植と対比させるようになっている。


ミステリといえば、殺人事件。したがって警察が主人公となる警察小説の主役といえばやはり殺人事件を扱う捜査一係が専らで、変わったところでは大沢在昌の『新宿鮫』の鮫島の生活安全課というのがあるくらいだが、あえて横山氏は殺人課を使わずに事件性を持たして警察小説が書けることを証明した。
ここに出てくるのは警務課で主人公それぞれが就いている職務は人事、監察、婦警の管理、秘書課と事件に直接的に関わる部署ではなく、警察の内務をテーマにしながらも事件を描くという点が新しい。

しかも扱われる謎は云わば“日常の謎”なのだ。
辞任の時期が来たのに、なぜ辞めようとしないのか。
悪意ある告げ口としか取れないメモ書きの真意とその犯人は誰か。
前日に手柄を立て、マスコミにも大きく扱われ、一躍メディアの主役になった若き婦警はなぜ翌日無断欠勤し、失踪したのか。
ある県議員が議会で本部長を陥れるためにぶつける質問、即ち“爆弾”の正体とは何か。

これらが警察組織で起これば、事件性を伴い、背後に隠された事件・犯罪を浮かび上がらせ、十分警察小説になりうることを横山秀夫氏は見事に証明した。これは正に新たなジャンルの誕生とも云える発想だ。
綿密な取材と落ち着いた文章と過不足ない引き締まった内容で横山氏はそれを高次元のレベルで成し遂げたのだから、確かにこれは歴史的快作といえるだろう。

ただ横山氏は必ずしも犯罪を描くことに腐心しておらず、特に後半は警察官それぞれの矜持や権力闘争、面子を重んじる風潮から生じた齟齬や弊害を上手く絡めて、謎に仕上げている。その微妙な駆け引き、上司のために自分を殺さなければならない理不尽さを受け入れる姿勢などは警察の世界のみならず私も含めサラリーマン社会にも通ずるものがある。
各4編でのテーマをそれぞれ抜き出すと人事問題、賞罰審査、部下の監督不行届け、会議を円滑に進めるための水面下での根回しなど、おおよそ警察小説とは思わず、企業小説としか思えないだろう。
こんな普通の会社でも起こりうる出来事が警察機構に組み込むことで事件性を持ってくるのだから、繰り返しになるが、本当にエポックメイキングな作品である。
これほど警察内部の男社会に切り込んだ作品を読んだのは『新宿鮫』以来だ。今までミステリを読んできた人間にとって警察とは本格物であれば、名探偵の引き立て役や道化役であり、警察小説であれば探偵役であり、警官同士が協力して事件を解決するものと思っていただろう。
そんな外側から見た警察の内部はこれほどまでに面子を重んじ、複雑な駆け引きと微妙な均衡の上に成り立っていることを知らされれば、単なる探偵役としての警官や刑事の見方も変わってくるだろう。

また全4編に共通して登場する人物は表題作で主役を務めたD県警のエースと呼ばれる二渡真治警視の存在感が物語の裏に影響を及ぼし、次第に増してくるのも興味深い。今後横山氏の作品で彼がどのように絡んでくるのか興味深いところだ。

組織で動きつつも個人の個性と上昇志向が強く、せめぎ合う警察機構の内部をここまで詳しく書いた横山氏。残る作品を読むのが非常に愉しみな作家だ。また追っかけなければならない作家が増えてしまった。



▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.6:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

陰の季節の感想

64が
はずれだったので、警察内部もの第一弾を読んでみた。
ピントが ずれてる絵見ているような
感じ


jethro tull
1MWR4UH4
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

陰の季節の感想

激しい出世競争だな

kmak
0RVCT7SX
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

陰の季節の感想

外れのない横山秀夫の短編集4作品。
表題作の「陰の季節」を除く3作は、「私はこうして警察の出世競争から脱落しました」というお話。
つまり警察の人事に特化した異色の短編集であり、そこに暗躍するのは当然人事部であり、そしてD県警シリーズという事になれば、警務課のエース・二渡となる。
ロクヨンにも登場し、主人公と同期の出世頭で、何やらコソコソと・・・のあの人である。
表題作を除けば、表立っては登場しないのですが、市原悦子の如くしっかり見ているのだ。「二渡は見た」なのだ。
一方、表題作は、天下り人事に手を焼く二渡視点の物語になります。
それとなく彼の人柄、人間性が分かる貴重な作品になっているように思います。

D県警シリーズはこれで読破した事になりましたが、1作目を最後に読んでしまいました。
これから読まれる方には、ロクヨン読むなら同じD県警シリーズの中でも、せめてこの作品だけは先に読んでおいた方がいいかと。

面白かったですが、つい最近「第三の時効」を読んでますからね。比較しちゃうと・・・
ロクヨン同様、「第三の時効」よりも先に読んでおいた方がいいですよ。かすんじゃう。

梁山泊
MTNH2G0O
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

陰の季節の感想

D県警シリーズの一作目。
短編集ながらそれぞれの話の出来は非常に素晴らしく読み応えがあります。
警察内部の描き方がリアルでオチも見事です。

歌舞伎蝶
LMC3R9P9
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

陰の季節の感想

警察の天下り人事のトラブル、刑事の不正疑惑等の警察内部の事をメインに扱った物語です。
そのため、警察小説ながら核となる事件の捜査は出てきませんが、何かが裏に潜んでいる気配を感じさせつつ話が進んで行きます。
そして、最後に明かさられる真実。これには、驚嘆させられてしまいました。
あらすじにも書いてあったように、まさしく新しい警察小説といえる作品です。
短編集で軽い気持ちで読めると思いますから、警察小説に興味がない人も是非読んでみて下さい。


松千代
5ZZMYCZT
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

陰の季節の感想

警察小説ですが、主人公は警務課など内勤の人達です。犯罪を捜査する訳ではなく、警察内部で起こる事件をどう解決して行くか、裏の真相は何か、という所に謎やサスペンスを感じる作品です。ある意味サラリーマン小説ですが、これを読んで警察官の特殊性に驚きました。もしかすると、公務員はみな同じ様な所が有るのかも知れませんが。
作りこまれたキャラクターと意外な真相が楽しめる短編集です。オススメします。

なおひろ
R1UV05YV
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