光る崖
評判
光る崖の評価:
4.00/5点 レビュー 5件。 C ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1〜15 1/1ページ
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光る崖の評価:
4.00/5点 レビュー 5件。 C ランク
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光る崖は、1977年刊行の比較的初期の作品だ。「初めて女性検事を主人公に配した著者の記念碑的作品!」と裏表紙にある。名古屋など東海地方を舞台に、東京から赴任してきたシングルマザーの女性検事・千鳥朱子の活躍を描いたもので、朱子のプライベートにもかなりの紙数が割かれているため、一種のビルドゥングスロマン(成長物語)として読める。純粋にミステリを楽しみたいむきには、それが少々もたつく要素になっていることは否めないけれど…。
途中で話があれれ…という感じで変わってしまうのも、弱いといえば弱い。名古屋市内で起こった傷害致死事件を追う朱子、と思いきや、急に彼女は後退して、一般家庭の主婦が実質的な主人公みたいな展開になっていくのだ。もちろん、それはやがて先の傷害致死事件とリンクするのだが、朱子の奮闘記として視点を終始一貫させておく方がよかった、と個人的には思う。その辺は、当時38歳の著者が欲張ってあれこれ盛っている感じが伝わってくるので、「意欲的」と好意的にとらえておこう。
しかし、そういう構成上の甘さは気になるものの、30代にして驚くほど達者な筆力が、それを補って余りある。これは近年の若いミステリ作家と比べてみても、圧倒的に30代の夏樹静子の方が円熟しているように思う。シャープで端正な文体を読むことは、パリッと糊のきいたシャツに袖を通すような快感があった。言葉の選び方、文章の組み立て方といったものから、この人はやっぱり賢いんだなということが伝わってきて、あらためて才能ある作家の死を悼んだ。あと何冊か夏樹ミステリを購入したので、もうしばらくその作品世界に親しみたい。