自らの限られた命を知った作家の守渡季里は、遺作の執筆を開始していた。

水だけでそばを食わせる究極のそば屋「無上庵」の店先にめんつゆを置き去る妖怪の正体(「無上庵崩壊」)、作家志望者が新進作家の名を騙ったがため立てた殺人計画(「郷土作家」)、スランプ俳人が素人の一句に天啓を受け発狂(「梅の小枝が」)など田舎ならではの怪事件!探

過去に怯えながら瀟洒な館でひっそりと暮らす少女。過剰なまでに彼女を守ろうとする執事。

多方面で活躍する才人・西木遵が東京・八王子で殺害された。

栗本薫は22歳、某マンモス私大の3年生。

経理課一筋37年で警視庁を定年退職した木野塚氏は、ハードボイルド探偵に憧れ探偵事務所を開設する。

十七歳の暑く単調な夏休み、広田悦至は元恋人の由実果が、千葉の海で自殺したことを知る。

零細業界誌の社長兼編集長・高梨は、禁煙運動にも、躰が汗臭くなることにも、夫婦の危機にも、無難な中年男になることにも抵抗しているタフな男。

公孫樹の枯葉がふりそそぐ十二月、中学時代の同級生・竹田寛子が、ラブホテルで殺害された。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

セーラはため息をついた。

「あたしがやるようにやってごらん、割れ足さん!」少女の声に応えてすばやく答えが返ってきた。トン…トン…トン…。

長閑な夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で銃声が轟いた。死んだのは、15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄。

お願い、わたしの生物学上の父を探して―。閑散としたオフィスに突然飛び込んできた少女にサムスンは面食らった。

素晴らしい宝石をつけた女優が誘され、宝石を奪われた事件に端を発して、お針子がまた誘された。

「いっさい料金はいただきません」パリの真中に開業した奇妙なバーネット探偵社の主こそ、実はルパンにほかならない。

海賊ジェリコと、剛勇侠気のエレン・ロックの誇り高い美女と、謎のメダルをめぐっての死闘を中心に、ルブランならではの活劇、悲劇、喜劇が、地中海、パリ、ブルターニュの海と街と田園を背景に展開する。

デティーグ男爵の娘クラリスを愛する青年ラウールは男爵と対立するカリオストロ伯爵夫人の危機を救ったことから莫大な宝石のありかをめぐる抗争に巻きこまれる。

ニューオーリーンズ出身のカウボーイ、ベン・タイラーは、馬を売るべくキューバに渡った。

スポーツ賭博の胴元・ハリーは悪行から足を洗い、昔の女とよりをもどし、長年の夢を実現しようとしていた。

これはあの小悪党スティックの、「スティック」で語られる一件から七年前の冒険譚。

アル中更生施設で働く青年ジューヴェナルは、触れるだけであらゆる病を癒す“奇蹟”の力の持ち主だった。

不動産業者フランク・ドーソンとその妻ミッキーのあいだは冷えきっていた。

“世界の七不思議”の一つ、「バビロンの空中庭園」には不可解な謎がある。

体制に反逆する教えを説いて民衆の熱烈な支持を得、「神の子」と呼ばれたイエス。だが彼は反乱罪に問われ、十字架にかけられる。

男子高校生が謎の焼身自殺を遂げた。数年後、作家・阿坂龍一郎宛てに事件の真相を追跡した手紙が、次々と送りつけられる。

画壇の若き寵児が突然、不可解な焼身自殺を遂げた。その死に秘められた驚くべき秘密とは?(「仮面の遺書」)。

多摩川沿いの公園で、全身を骨折した惨殺死体が発見された。空木精作―彼は周辺の住民との接点も交友関係もない男だった。

変革の嵐が吹き荒れる、明治年間の帝都。帝國大学には多くの雇われ外国人が教師・研究者として赴任していた。

学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。

足だらけの狛犬が海で吠える―女は謎の言葉を遺して、マネキン人形と共に死体で発見される。

こんなミステリを待っていた! 不可能犯罪(ロックトルーム)×非情活劇(タランティーノ)×謀略(エスピオナージュ) 殺し屋が繰り広げる殺し合いの修羅場で殺人事件。

新署長赴任の朝。署の正面玄関前で、容疑者を連行中の刑事が雑居ビルから狙撃された。

警察OBの越沼が殺された。頭蓋骨が切断され、脳味噌に王冠のように釘を植えつけられて。

あの日から、世界は壊れはじめていたのかもしれない。首なし死体、連続猟奇殺人事件、そして…。

“奇跡の男”八木剛士の周辺で何故か頻発する怪事件。女子高生の首吊り死体が発見され、無差別放火事件が連続する。

友だちもいない、女にもまったくもてない。唯一仲よくしてくれていた大切な妹は、暴漢に撃たれ、意識不明の重態。

不死身の“力”を宿す奇跡の男―八木剛士の心にくすぶり続けるのは、デタラメな世界への激しい呪詛。

幸せだった純菜を、孤独な日々へと突き落とした“彼”との別れ。

男に命じられるまま、両手を頭上に高々と上げて背を向ける行員と客。

「鷹群山の笹姫様は…滑って転んで裏庭の、竹の林で右目を突いて、橋のたもとに捨てられた」。

高知の山深く、平家の落人伝説が残る蝶ヶ谷村。土砂崩れで密室と化した村の一夜に起こる殺人と自殺。

「神は三種類に分類される。まず第一が、大自然。

桃太郎の鬼退治は、曇りなき善行だったのか?岡山・吉備津神社に今も伝わる鳴釜神事では、大和朝廷によって退治された鬼神「温羅」が、釜を唸らせて吉凶を告げるという。

人には言えないある理由から、故郷・熊野を捨てた26歳の薬剤師・神山禮子。

靖国神社を皮切りに、築土神社、神田明神、首塚・兜神社、烏森神社、稲荷鬼王神社、鎧神社、さらには成田山新勝寺へ。

街のにぎわいと裏腹に、人が孤独に陥りがちなクリスマス・タイムには、信じられないような出来事が訪れる。

美少年にして天才高校生の千波くんと浪人生の“八丁堀”、慎之介の三人組が再び集合。

“川渡しの問題”を高田流に磨き上げた「山羊・海苔・私」をはじめ、論理パズルと小説が渾然一体となった、傑作短編集。

時代錯誤な家訓が邪魔をして結婚できない、勧修寺家の御曹司・文麿。

真紅の着物を着たおかっぱ頭の人形が空中をさまよい、しかもケケケと笑って振り向いたその顔は髑髏。

実業家・加瀬恭治郎が、焼死体で発見された。刺殺された上に、部屋に火をつけられたのだ。

…よ、水兵。

私は喰い散らすだけの存在である。作法もなにもない―。

父親の墓石会社で働く新納礼は、中国進出をもくろむ父から、中国語学習を命じられる。

温泉町で旅館を経営している古い友人が逮捕された。何かがある--。

女子プロレス界きっての強者・火渡抄子。人は彼女を「ファイアボール」と呼ぶ。

無名のマラソン選手・田村健一の長男が誘拐され、奇妙な脅迫状が届いた。金銭の要求はいっさいない。

「堕天使、占星術、魔術、騙し絵、迷宮、愛死、弦楽」各部屋に悪魔的な意匠をちりばめた館で奏でられる殺人組曲。

36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。

物に触れると所有者の記憶を読み取ることができる「サイコメトリー」能力を持った、女子高生の桐生紫。

タニアを見かけませんか。僕の彼女でモデルなんですけど、ひどい夢遊病で。

新宿、大久保、新潟そして茨城を点と線で結ぶ怨念と復讐の物語。本年度松本清張賞受賞。

旧家・朝比奈家に嫁いだ苑香は才色兼備の完璧な嫁。

恋人のために、新しい部屋を探し始めた中内希和は、一軒目に紹介された物件を一目見て気に入ってしまう。風変わりな洋館だった。

アパートの一室。男は、全身を切り刻まれ、鮮血に染まっていた―。

(どうしてこんなに完璧なんだろう)。 誰をも惹きつける美貌。

静かで快適な生活をもとめて、新しい部屋に引っ越してきた吉川真昼。しかし彼女には人に言えない秘密があった…。

娘の未来のために封印した過去の扉を開く。松本清張賞受賞作家が放つ意欲作。

三十代の若さで事業に成功し、誰もが憧れる優雅な生活をおくる麻生陶子。

本郷に住むフリーライターの野本泰史は、近所の洋食屋「琥珀亭」に足繁く通っている。

ある日、稲本家の三姉妹に父親から「実家に来い」と招集がかかった。すでに大人として、別々の人生を送っている娘たち。

誰にもさらせない弱味を抱えて、隠しサイトで出逢ったふたり。

「生きている。だけど…」十年連れ添った夫と別れ、会社も辞めた。

ある朝、勤勉な主婦・文枝は何もしない女になっていた。家事一切はもちろん、パート仕事にも行かず、一日、家にいるだけ。

産業カウンセラーとして、ヒーリングスタジオなども運営する友部真幌。

ぼくの妻は名探偵 伝説の安楽椅子探偵ミステリ 新装版で登場 アラメの煮つけ　目板ガレイの唐揚げ 醤油豆　スルメの天麩羅 オコゼの唐揚げ　さつま　エビテン 香川の郷土料理と、“ぼくの妻”の名推理1 八王子のはずれに住む、作家のぼくの元を旧友が訪ねてきた

おニャン子に夢中だったあの頃。

引退後、燃えつき症候群による鬱状態のホームズをみかねたワトスンは、思い切ってアメリカの旅へと誘う。

銘和乳業勤務のわたし(川村晶子)は37歳にしてマンションを購入。

殉職警官を父に持つ令子は、24歳にして南武蔵野署の副署長。

投資会社のオーナー掛井純一は、何者かに殺され、幽霊となって甦った。

マスター・オブ・ゲーム=MGと呼ばれる天才ゲームソフト制作者・相良は、新作のモデルに翼のタトゥを背負った少女・ヨリを選ぶ。

二十代の頃の恋愛、作家デビュー、そして母との別れ…。

新村あさひと須賀みずきは大の仲良し。ひどく内気なみずきは、あさひと先生以外、ひぐらし幼稚園の誰とも口をきかない。

誰もが憧れる高層マンション。そこに住む愛子は、幸せな結婚生活を送るはずだった。

弱小劇団「下北サンデーズ」の門を叩いた里中ゆいか。

これほどの快楽は、きっとどこか真っ暗な場所に通じている―。成功した仕事、洒落た生活、美しい妻と魅力的な愛人。

16歳。セカイは切ない。

高知行きのフェリーから男が転落死した。そして2年後、東京・高田馬場で男がマンションから転落死をした。