プロント



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初公開日(参考)1994年02月
分類

長編小説

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プロント (角川文庫)

1996年02月29日 プロント (角川文庫)

スポーツ賭博の胴元・ハリーは悪行から足を洗い、昔の女とよりをもどし、長年の夢を実現しようとしていた。かつて詩人エズラ・パウンドが住んでいたという、憧れの土地での甘い生活―。が、そうは世間は甘くない。ハリーがこれまでかすめてきた莫大な金をボスが見逃すはずはない。イタリアへ逃亡するハリーだが、さらに、昔だました保安官まで登場して、事態はますます混乱し…。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

プロントの総合評価:7.33/10点レビュー 6件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

罪深い一冊?

この奇妙な題名は英語ではなく、イタリア語。意味は“もしもし”。そう、電話に出る時に云うあの“もしもし”だ。レナード作品の舞台といえば、フロリダのある南アメリカやメキシコなどの中南米が多いが、本書では海を越えたイタリア。しかし地中海に面したこの国はヨーロッパでも温暖な気候であり、ラテン系民族が多くて国民性は陽気だから、扱う人物達もそう変わらないのだろう。

スポーツ賭博師であるハリー・アーノウは65歳で引退し、イタリアの地で晩年を過ごそうと計画していた。しかし儲けをくすねていたことが元締めにばれた上、FBIが元締めを逮捕するために張った罠のおかげで、命を追われるようになった。保釈されたハリーは早速憧れの地イタリアに飛び、恋人を呼び寄せるが、元締めの手下と警官も彼の後を追ってきて・・・。

主人公が66歳というのがまず驚く。1993年の作品である本書を著わした時のレナードの年齢は68歳だから、同じ年代の人物を主人公にしたようだ。このハリーは実在した詩人エズラ・パウンドに心酔しており、彼のゆかりの地であるイタリアで隠居生活を送ることを理想としているのだが、面白いことに心酔する詩人の詩をちっとも理解していないのだ。こういうミーハー心というのは日本人も往々にしてあることで、映画・ドラマや音楽や小説・エッセイなどをろくに読んでなくても「ファンです」と公言する輩はかなりいる。
大抵のアメリカ人は引退後の生活をフロリダで暮らしたがるそうだ。人生残りの日々を南国でお気楽に暮らしたいというパラダイス願望というのがあるのだろう。無論私もそういう生活に憧れるのだが、何もせずに暮らすというのが出来ないのが日本人の特徴で、退職してもなお働きたいという人が多くいる。この辺は全くアメリカ人は理解できないらしい。
このハリーの願望がそのままレナードのそれを投影しているかどうかは解らないが、風光明媚なヨーロッパというのはやはりアメリカ人にとっても憧れではあるようだ。エルキンズなんかは特にその作品を読むとその傾向が強いことがよく解る。しかし物書きとしてなかなか踏み切れないところがあるだろう。まあ、当っているかどうかも解らない勘繰りはこの辺で止めておこう。

本書でも個性的な面々が本作は出ているのだが、なんか全体的に話が散漫に感じた。レナードには珍しく、主人公のハリーがなかなか動かないキャラクターだった。賭博師という裏社会を渡り歩いた彼の老獪さはあるものの、やはり従来のレナード作品に出てくるような元シークレットサービス、元特殊部隊、警官、刑事らとは違い、肉体的な動きが少なく、知謀知略、いや正確な書き方をするならば悪知恵を働かせて戦うのではなく生き延びることを模索するキャラクターというのはある意味レナードにとっても挑戦だったのかもしれない。が、しかし本書を読むには成功しているとは思えない。

本書は当初ハードカヴァーで出た。けっこうな分量もあり、それなりに値段も高かったように思う。これは文藝春秋がレナード作品を同じ版型で出していたことを受けての出版だったのだろうが、本書が訳出された94年では既に文藝春秋は文庫へと版型を移行しており、角川書店は遅きに失したようだ。私は文庫版で本書を読んだが、実際この後同会社から出たレナード作品は『ゲット・ショーティ』以降、文庫で出版されているから、本書はあまり売れなかったのだろう。これは世の流れを読み誤った出版社側のミスでもあり、版型を決める際に中身を吟味すべきだったと思う。
海外ミステリの不況が嘆かれる昨今だが、昔から海外ミステリの出版状況を見ていた私にしてみれば、本書のようなコストパフォーマンスの低い作品をハードカヴァーで出して利益を得ようとした出版社側の怠惰も大いにあるのではないかと強く思う。
そういう意味では罪深い一冊ではないだろうか(ちょっと云い過ぎ?)。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.5:
(5pt)

レナード屈指の作品

この作品を読んでエルモア・レナードにはまりました。
こんな面白い作品を書く人だからさぞ有名なんだろうと思っていましたが(実際海外では有名なんですが)、日本ではそれほどでもありません。
知らない人がいるなんてもったいないですね。
これまでに読んだ小説の中で一番に推したい作品です。

ギャングなのにどこか滑稽でもある、魅力にあふれたキャラクターたちが命を削りあう様は興奮を覚えました。
「やつを始末してやる、などとオダをあげたりはしていねえよ。わかるか、なぜだか?そのときはもう、あの野郎はくたばってるからさ。」の台詞は秀逸です。
主人公を付けねらう殺し屋がいかに恐ろしい人物かを知らしめられます。

ジョジョの奇妙な冒険第5部にも同じような台詞が登場することや、59巻第7・8話のタイトルに「プロント!通話中」と付けているところからも、作品に影響を与えていることが伺えます。
ギャング物が好きな人はもちろん、そうでない人にも手にとってもらいたい逸品です。
プロント (角川文庫)Amazon書評・レビュー:プロント (角川文庫)より
404269201X
No.4:
(5pt)

レナード屈指の作品

この作品を読んでエルモア・レナードにはまりました。
こんな面白い作品を書く人だからさぞ有名なんだろうと思っていましたが(実際海外では有名なんですが)、日本ではそれほどでもありません。
知らない人がいるなんてもったいないですね。
これまでに読んだ小説の中で一番に推したい作品です。

ギャングなのにどこか滑稽でもある、魅力にあふれたキャラクターたちが命を削りあう様は興奮を覚えました。
「やつを始末してやる、などとオダをあげたりはしていねえよ。わかるか、なぜだか?そのときはもう、あの野郎はくたばってるからさ。」の台詞は秀逸です。
主人公を付けねらう殺し屋がいかに恐ろしい人物かを知らしめられます。

ジョジョの奇妙な冒険第5部にも同じような台詞が登場することや、59巻第7・8話のタイトルに「プロント!通話中」と付けているところからも、作品に影響を与えていることが伺えます。
ギャング物が好きな人はもちろん、そうでない人にも手にとってもらいたい逸品です。
プロントAmazon書評・レビュー:プロントより
4047912174
No.3:
(2pt)

なんだかよくわからない

レナードは大好きな作家だけど、この本は、登場人物の気持ちがさっぱり理解できませんでした。
だれが主人公なのかも、途中からわからなくなりました。
会話中で、過去の作品に登場した人物の後日談が出てくるなど、小さなサービスはありますが、全体的に見て、釈然としない部分が多すぎました。
結末まで読者を引っ張る力はあるのだけど、もしこの作品が初レナードなら、2冊目は買わない人が多いんじゃないでしょうか。
プロント (角川文庫)Amazon書評・レビュー:プロント (角川文庫)より
404269201X
No.2:
(5pt)

イタリア

エルモア・レナード「プロント」を読了。スポーツ賭博から足を洗い、引退してかなり年下の彼女と余生を過ごそうと考えていた男が、様々な思惑の中でどんどん流されていく物語。物語の前半と後半で物語の主人公が入れ替わり、そして前半主人公の男はどんどん魅力をなくしていく。不思議な物語構成。
しかしストーリに力があるので、どんどん読ませる。読者は作者のひいたレールに沿って物語の世界観の中に入っていけばいいのである。素敵な読書体験が待っています。

プロント (角川文庫)Amazon書評・レビュー:プロント (角川文庫)より
404269201X
No.1:
(3pt)

一応真剣ではあるが

 レナードの作品としては、少し見劣りのする作品ということになるかもしれない。レナードの作品の魅力は、計算され尽くした完全犯罪と、その更に上を行く天才的な正義の味方との、あり得そうもない知力合戦といったものではなく、登場人物達にも予測のつかない意外な事態の発生(実際には彼らの計算違いであることが多いのだが)と、それによって引き起こされる良い意味での期待外れの展開や、フィクションにしては余りにも呆気ないその結末にこそあると、私は思う。そうした、傍から見ていると思わず笑ってしまうような、登場人物達のある意味での間抜けさみたいなものが、逆に彼ら(特に犯罪者達)にリアリティを与えている。勿論、現実の犯罪者達のことは知らないが、悪魔的に頭が良いなんてこともなく、一応真剣ではあるが、深刻というのではない、そんな彼らのあり方から、非日常である筈の犯罪を、日常として生きているという感じを受ける。そしてその日常性のようなものが、本当らしさという効果に繋がっているのではないかと思う。 この作品は、話の展開という点に於いて、少しおとなし過ぎる感があるので、星三つという評価にしたけれども、登場人物達の描き方という点では、他の有名な作品に引けを取らない、前述したようなレナード特有の良い味が出ていると思う。
プロント (角川文庫)Amazon書評・レビュー:プロント (角川文庫)より
404269201X



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