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- サイコキラー (2)
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1981年に発表された、レナードらしさがあふれた作品。どこか壊れた登場人物たちが繰り広げる救いのないドラマ、病めるアメリカを味わい深いエンターテイメント作品に仕上げた軽快なアクション・サスペンスである。 | ||||
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80年代後半から90年代前半にかけてサイコサスペンスが一世を風靡した。このブームはトマス・ハリスの『羊たちの沈黙』に端を発したものだが、こぞってアメリカのミステリ作家はこの新しい分野にダイヤの原石を見出したかのように、みなサイコキラー物を書き出した。その影響は日本のミステリ界にも波及し、その中には傑作も少なくない。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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本作は「グリッツ」でブレイクする数年前の作品ですが、そのプロットなどからは「グリッツ」が生まれる前夜祭的な雰囲気と、円熟した文体の原型を感じさせます。 登場するキャラクターらの存在感と、リアルなその会話のやり取りには思わずニヤリとしてしまうユーモア感覚が満載です。 主人公はデトロイト警察殺人課のブライアン。 フリールポライターのアンジェラは彼をこう評する。 「ブライアン。あなたはただ減らず口を叩くタイプとはちがうのね。ちゃんと目的を持って減らず口を叩くのよ。相手にしゃべらせるために、わざと急所に針を突っ込むんだわ」 レナード作品でメインで登場する女性は、いずれも自分の考えをしっかり持つ自立した女性が多いが、本作のアンジェラも 「自分が何を望み、なにを望んでいないか、それはちゃんとわかっているつもりだから」 という魅力的な女性だ。 そして他のレナード作品同様、本作でも悪役視点のやり取りが同時に進行する展開の巧さ。 人を銃で撃ちたくてたまらない大富豪でガンマニアのロビーと彼に取り入る元刑事のウォルターという凸凹コンビのやり取りがなんとも可笑しい。 たとえば、ロビーが標的に選んだドミニカの大使館監査官のチチの邸宅を偵察するためウォルターにビデオカメラを撮影させた映像をテレビで見る場面は最高です。 撮影された映像は最初、手振れがひどく見れたものじゃなかったものの、チチの愛人がプールでヌードになった場面では手振れがピタリと止まる。それまで文句たれたれだったロビーが言う。 「だいぶ、画像が安定しているじゃないか。ウォルター、急に腕をあげたな」 ラストのカタルシスという点では少し物足りなさを感じますが、本作はレナード作品の中でも上位に位置づけられる秀作だと思います。 | ||||
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