QED ~ventus~ 熊野の残照
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この作品はこのサブが付いているので事件らしい事件は起きません。 現実に殺人等も起きませんし。 基本的にタタルのありがたいお話がメインとなっています。 しかしながら… 実はこの作品タタルたちがメインの描写では語られません。 たまたま彼らと同行することとなった 一人のちょっと冷めた視点を持った女性が主視点となります。 実は彼女はある心の闇を抱えています。 そしてこの場所に対して、ある恐怖心を覚えるのです。 なぜならば… それは終盤、思わぬ形で露呈します。 そして彼女が抱える闇に対する真相も 出てくるわけで… その闇に関しては本当に読書時注意です。 苦手な人は読まないほうがいいです。 一応被虐描写が出てくるので。 | ||||
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対応早く、説明どおりの商品でした。 | ||||
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ミステリーのふりをして蘊蓄を傾けまくるこのQEDシリーズも ついに10作目に到達しました。 本作の舞台は熊野。 熊野本宮大社・速玉大社・那智大社に行ってみようとする人には その観光案内としてぜひ一読することをお勧めします。 背景が分かると観光していても 納得したり感動したりする度合がより高まると思われます。 速玉は水銀を意味するのでは、と思うのですがいかがでしょう? 五行思想における五金では速玉神社の相対的に位置する東は 錫もしくは鉛が当てられていますが、加工しやすい金属として 水銀もその仲間に入れられるかもしれません。液体(水)ですし。 ちなみに五金では赤は辰砂ではなく銅が担当しています。 せっかく三社の位置を五行の五芒星のうちの三点に比定したのに、 どうしても那智を瀧から龍に比定することから逃れられなくなったのが 残念でした。 五行で言えば龍は青龍、東・青・春を示すものとするのが普通です。 西・白・秋に相当するのは白虎、南・赤・夏に相当するのは朱雀、 これをわざわざ東を虎に南を龍にするのは牽強付会となりました。 十二支の方位で那智を南南東の巳で水神とするのも、 一つ前に辰があるのをきれいに無視することになりました。 この位置関係で本宮を北北西(亥)とするなら 新宮は方位としては寅ではなく卯でしょう。 変な物を持ちださず、相生で木火土金水(もっかどごんすい) で廻すだけに留めれば充分に興味深かったと思います。 本作では殺人事件はないかと思いましたが、一応ありましたね。 まぁ、それは本筋ではないので気にしないでいいでしょう。 ともあれ、熊野の祭神と日本神話については勉強になりました。 | ||||
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熊野古道は歩いたことがあるのだが、この小説に出てくるような視点はなかった。もう一度、熊野に行ってみたくなった。 | ||||
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今回の旅は熊野。三人称ではなく、学薬旅行に参加する若い女性の薬剤師、熊野出身の神山禮子が語り手となるという初めての趣向です。 同じくらいの世代の棚旗奈々と親しくしようとすると、得体の知れない漢方薬剤師、桑原崇(タタル)が何かとしゃしゃり出てきて、彼の熊野蘊蓄語りについ引き込まれてしまいます。 熊野といえば、神武天皇、八咫烏、ニシキトベ、小栗判官、伝説に満ち、そしてもちろん、古代において征服者がいかに原住の人々を攻め平らげ、騙り、裏切らせ、最後は怨霊にして祀ったか。タタルの持論が今回も微に入り細にわたり、熊野三山、三社、那智滝などをめぐりながら繰り広げられます。今回は地名、神名、人名がひじょうに読みにくく、また込みいっているので、正直すべてを追いつくすことはできなかったのですが、最後の三社の参拝順に関しての五行を援用しての謎解きあたりでまたもや驚愕、脱帽しました。 しかし今回は熊野の旅を追うことでページをどんどん繰る、という以上に、語り手禮子の手記らしいものが、何度もさしはさまれていて、そのいまわしい過去の事件の謎が、しだいに明らかになりそうな、そのミステリに引かれて一気に読ませられました。そのもどかしさは、叙述の矛盾が何度か出てきたことにより、いっそうあおられました。この矛盾にはいかにもミステリらしいトリックがあり、最後にそれが明かされます。 事件の謎そのものは確かに、この現代ではほとんど説得性がないものかもしれません。しかし、背景に怒濤のような「熊野という地の呪い」の歴史が底鳴りをしている小説のラストでは、それも膨大な時間の流れから連なる、土地と血縁の狂気として位置づけられ、重く深く響き合う感じがしました。普通の意味の謎解きではなく(謎はむしろ叙述の部分)、事件の皮一枚下に、この地方の負の歴史全体がパノラマのように立ち上がる、その構図自体に揺り動かされた、と言ったほうがよいのでしょうか。 人間が個人ではなく集団的意識に過ぎなかった時代。その哀しみと凄絶さを揺りたたせてくれるQED史学。血の奥で暗く何かがうごめくのを感じてしまいます。この既視感は、あるいは前作にあった「DNAに刻まれる記憶」かもしれないという気さえします。 ラストで、語り手の女性に訪れる癒やしもまた熊野の風土が抱きはぐくんでくれるもの。本作は、次作『神器封殺』への序章ではありますが、私には、Vemtusシリーズならではの深い余韻を残してくれました。 | ||||
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