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QED ~ventus~ 熊野の残照
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QED ~ventus~ 熊野の残照 の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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この作品はこのサブが付いているので事件らしい事件は起きません。 現実に殺人等も起きませんし。 基本的にタタルのありがたいお話がメインとなっています。 しかしながら… 実はこの作品タタルたちがメインの描写では語られません。 たまたま彼らと同行することとなった 一人のちょっと冷めた視点を持った女性が主視点となります。 実は彼女はある心の闇を抱えています。 そしてこの場所に対して、ある恐怖心を覚えるのです。 なぜならば… それは終盤、思わぬ形で露呈します。 そして彼女が抱える闇に対する真相も 出てくるわけで… その闇に関しては本当に読書時注意です。 苦手な人は読まないほうがいいです。 一応被虐描写が出てくるので。 | ||||
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対応早く、説明どおりの商品でした。 | ||||
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ミステリーのふりをして蘊蓄を傾けまくるこのQEDシリーズも ついに10作目に到達しました。 本作の舞台は熊野。 熊野本宮大社・速玉大社・那智大社に行ってみようとする人には その観光案内としてぜひ一読することをお勧めします。 背景が分かると観光していても 納得したり感動したりする度合がより高まると思われます。 速玉は水銀を意味するのでは、と思うのですがいかがでしょう? 五行思想における五金では速玉神社の相対的に位置する東は 錫もしくは鉛が当てられていますが、加工しやすい金属として 水銀もその仲間に入れられるかもしれません。液体(水)ですし。 ちなみに五金では赤は辰砂ではなく銅が担当しています。 せっかく三社の位置を五行の五芒星のうちの三点に比定したのに、 どうしても那智を瀧から龍に比定することから逃れられなくなったのが 残念でした。 五行で言えば龍は青龍、東・青・春を示すものとするのが普通です。 西・白・秋に相当するのは白虎、南・赤・夏に相当するのは朱雀、 これをわざわざ東を虎に南を龍にするのは牽強付会となりました。 十二支の方位で那智を南南東の巳で水神とするのも、 一つ前に辰があるのをきれいに無視することになりました。 この位置関係で本宮を北北西(亥)とするなら 新宮は方位としては寅ではなく卯でしょう。 変な物を持ちださず、相生で木火土金水(もっかどごんすい) で廻すだけに留めれば充分に興味深かったと思います。 本作では殺人事件はないかと思いましたが、一応ありましたね。 まぁ、それは本筋ではないので気にしないでいいでしょう。 ともあれ、熊野の祭神と日本神話については勉強になりました。 | ||||
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熊野古道は歩いたことがあるのだが、この小説に出てくるような視点はなかった。もう一度、熊野に行ってみたくなった。 | ||||
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今回の旅は熊野。三人称ではなく、学薬旅行に参加する若い女性の薬剤師、熊野出身の神山禮子が語り手となるという初めての趣向です。 同じくらいの世代の棚旗奈々と親しくしようとすると、得体の知れない漢方薬剤師、桑原崇(タタル)が何かとしゃしゃり出てきて、彼の熊野蘊蓄語りについ引き込まれてしまいます。 熊野といえば、神武天皇、八咫烏、ニシキトベ、小栗判官、伝説に満ち、そしてもちろん、古代において征服者がいかに原住の人々を攻め平らげ、騙り、裏切らせ、最後は怨霊にして祀ったか。タタルの持論が今回も微に入り細にわたり、熊野三山、三社、那智滝などをめぐりながら繰り広げられます。今回は地名、神名、人名がひじょうに読みにくく、また込みいっているので、正直すべてを追いつくすことはできなかったのですが、最後の三社の参拝順に関しての五行を援用しての謎解きあたりでまたもや驚愕、脱帽しました。 しかし今回は熊野の旅を追うことでページをどんどん繰る、という以上に、語り手禮子の手記らしいものが、何度もさしはさまれていて、そのいまわしい過去の事件の謎が、しだいに明らかになりそうな、そのミステリに引かれて一気に読ませられました。そのもどかしさは、叙述の矛盾が何度か出てきたことにより、いっそうあおられました。この矛盾にはいかにもミステリらしいトリックがあり、最後にそれが明かされます。 事件の謎そのものは確かに、この現代ではほとんど説得性がないものかもしれません。しかし、背景に怒濤のような「熊野という地の呪い」の歴史が底鳴りをしている小説のラストでは、それも膨大な時間の流れから連なる、土地と血縁の狂気として位置づけられ、重く深く響き合う感じがしました。普通の意味の謎解きではなく(謎はむしろ叙述の部分)、事件の皮一枚下に、この地方の負の歴史全体がパノラマのように立ち上がる、その構図自体に揺り動かされた、と言ったほうがよいのでしょうか。 人間が個人ではなく集団的意識に過ぎなかった時代。その哀しみと凄絶さを揺りたたせてくれるQED史学。血の奥で暗く何かがうごめくのを感じてしまいます。この既視感は、あるいは前作にあった「DNAに刻まれる記憶」かもしれないという気さえします。 ラストで、語り手の女性に訪れる癒やしもまた熊野の風土が抱きはぐくんでくれるもの。本作は、次作『神器封殺』への序章ではありますが、私には、Vemtusシリーズならではの深い余韻を残してくれました。 | ||||
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QEDシリーズを読み始めて、最初の頃、読んだ本。 この本を呼んで、熊野の再訪を決意。同行者全員にお薦めした。 残念ながら祟のこだわりのコースでは参拝できなかったが、熊野を堪能できた。 民俗学の知見のある同行者が、強く進めて読み始めたシリーズである。 小説の内容や推理小説として楽しむのではなく、蘊蓄を楽しむ本である。 NHKの平清盛の歴史的背景を知るにも面白い。 | ||||
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熊野の歴史に興味があるので購入しました。 徐福伝説のくだりなどは大変面白くて那智の滝にもう一度訪れてみたくなりました。 主役の女性に魅力がもう少しあればいいのに、と思うくらいとげとげして偏見が多くて感情移入できなかったのが残念です。 最後の方に出てきた二人も、何も活躍しないで終わったのでちょっと拍子抜けがしました。 次の巻への繋ぎなのかな。 いちばん引っかかったのが、作中の悲劇である父親達がなぜそこまで追い詰められるくらいならその土地を出て行かなかったんだろう、ということです。 被害に合った娘達は結局家を出ているし父母も後に上京している(?)し、 だったら娘が犠牲になる前に上京すればいいのにと思ってしまいました。 | ||||
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おなじみのQEDシリーズ。 今回はventusシリーズということで、タタルたちは現代の事件と直接関係はせず、熊野三山に込められた呪を暴くという趣向です。 これまでのシリーズと違って棚旗奈々ではなく、学校薬剤師会の旅行で同行することになった女性が語り手になっており、事件はこの女性の過去に起きた事という設定。ただ、この事件はむしろ次作へのツナギ的な意味の方が大きいのかも・・・。 今回は熊野に祀られた神々が主役。熊野牟須美大神、速玉之男神、家都美御子大神といった、あまり馴染みのない神々で、これに八咫烏や起請文といった比較的ポピュラーなアイテムが絡み、三山の祭りや参詣順序に込められた意味を説き明かしてゆく。 民俗学的な面で楽しめる一冊です。 | ||||
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●現在進行形の方はかなりおどろおどろしいのですがミステリーとはいい難いですね。またいつものように人物描写が浅いので当事者が行動へ移る経緯にいまいち説得力がありません。●新しい登場人物にかなりくせがあってどちらかというといけ好かないです。自分の哀しみをもって超然とした世界観を確立しているのかといえばそうともいえない、う〜ん、周りを気に過ぎるしいちいち他人の粗探ししているような御仁。崇のような鬼才とか我が道を行くタイプではありません。分かりやすく喩えるなら中二の性根が熟成せずにそのまま瞬間冷凍され続けている感じです。●歴史探索の方は今回かなり難しい、ちょっと前提となる日本神話の知識がある程度必要です。かなり祟の口数が多いし神様の固有名詞も相当数出てきます。話について行くだけなら何とか可能ですが神話の出来事・登場人物同士の関係自体を私は時系列で知りませんでしたのでちょっと考え込みながら読んでしまいました。例えば神武天皇って人間?神様?・天照大神の係累なの?・天照が降臨してからどれ位たって東征が始ったの?・東征は大国主命を屈服させたあと開始されたの?・大国主命を屈服させた時点でヤマトは後から来た神様の手中に納まったんじゃないの?それなのに東征がなぜ必要なの?こういう疑問がどんどん浮かんできて主人公の謎解きに集中できませんでした。●ですから簡略に神話に関して知識を仕入れるか何らかのレファレンス本を傍らに置かないと難しいですよ、今回ばかりは。●これを読んだ後すぐに神器封殺を手にとるのをお薦めします。順番が逆でもなんとか大丈夫です。後ろで前のネタばらしはしてませんから。でも他の巻を先に読まなくても充分楽しめる理解できる構成です。●今回の見物は崇と奈々が第三者から見るとどう受け取られているのかそれがちょっと陰険で辛らつな視点の持ち主から提示されていることです。 | ||||
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本作は次作(神器封殺)の伏線ともなっていますが、本作だけでも充分堪能できる内容となっています。 シリーズに通底しているテーマとして“モノ語り”、あるいは怨霊信仰がありますが、 「六歌仙の暗号」でヒロイン“棚旗奈々”の名前にまつわる種明かしがされているように、 本作では小松崎良平の名前の由来(?)が明かされています。 上記のようなシリーズ通して読まないと「だからどうした」的なネタも多く、いきなり本作から読んでしまうのはかなりキツいですし、 “Q.E.D.ワールド”とも言える壮大な日本史観を基にした連作の中で、 作者が何故本作を独立した一冊にしたのかという意図が汲めないと本作の価値を見誤ると思われます。 また、歴史的な謎解きと現代の事件のバランス云々は確かに推理小説としてのの枠組みを思えば一言言いたくもなりますが、 この日本史観、あるいは社会史観のバックボーンの中での“モノ語り”として全体を捉え、 その中の欠くべからざる一冊と捉えるべきでしょう。 | ||||
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QEDシリーズの読者の多くは歴史の裏側の謎解きを楽しんでいるのではないかと思う。その意味では本書はまさにQEDシリーズ。ストーリーに殺人事件はまったく関係が無い。むしろ二つのまったく違う話が順番に書かれているといった印象。謎解きを期待している人はやめたほうがいい。その代わりといっては何だが、歴史的記述に関しては相変わらず面白い。旅行に行く前に読んでおくと一味違った感覚で楽しめるかもしれない。 | ||||
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このシリーズ、回を重ねるごとにひどくなっています。いったい作者は何をしたいのでしょうか。歴史の謎解きをするのなら、不必要な事件やエピソードや登場人物が多すぎです。 | ||||
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『鎌倉の闇』では、本筋と関係のない取って付けたような殺人事件と、あまりにちゃちなトリックだったが、本作では事件すらない。家庭内の問題は起こるが、他人がどうこう出来るものではないし。 これは推理小説ではない。強いて言えば、小説の形を取った名所旧跡案内のようなものか。 それにしても、桑原崇の相変わらずの博覧強記ぶりには絶句させられる。年号や日付、人物名や著作名など全て暗記しており、あまつさえ書物の中の文章までをも暗唱する。著者にすれば、折角調べた資料を披瀝したいのだろうが、超人過ぎてリアリティが全くない。こんな奴いないだろう、と可笑しさすら感じる。まあ、それは京極堂にも言えることだが。それに、途中から奈々の妹や小松崎も登場するが、これも必然性が全くない。単に、崇の薀蓄を引き出すための質問者の役割でしかない。 毎度のことだが、こじつけとも思える強引な言葉の解釈や、何でもかんでも抑圧され歴史に埋もれた人々に結び付けようとする手法には、ちょっと食傷する。 と、まあ文句ばっかり言ってるが、新刊が出る度に即、買っている。それが真実かどうかは別にして、歴史の裏側などが好きな人には合っているかも。 ところで、崇は何故、団体旅行に行ったんだろう。 | ||||
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今話題の牛王宝印は出てきますがあまり本筋とは関係ありません。今回はシリーズの中では珍しく、神山禮子という女性の一人称で進みます。タタル達との熊野慰安旅行の中、この人物の過去が徐々に明らかになっていくのですが、ミステリー的な部分はどうしても途中(最初からの人もいるかも)でネタが判明してしまうので残念。熊野についてのこんな書き方をしていいのか?と少し心配になりましたが最後の証明部分は(やや課程をすっ飛ばしぎみでも)面白かったです。 | ||||
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ネタバレうんたらかんたらより、『殺人事件の謎解き』は本書に存在しません。代わりに、毎度ながらのタタルの解説により、歴史の謎解きがなされます。今回はタタルさん、最初からパワー全開です(笑)特に熊野は、その一部が、平成16年7月に世界遺産に認定されるなど、いま非常にアツイ地域です。(文中には、もし世界遺産になると・・ってあったように思いますが。)その謎解きは明快でいつものことながら面白かった。熊野を見る目が変わりました。本シリーズの読者にとっては、殺人事件はあくまでサイド・ストーリーなんじゃないか?そう感じさせる作品です。 | ||||
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【QED~ ventus~ 熊野の残照】 【高田 崇史】【QEDシリーズ】第10弾!?一作分の内容が濃いだけに10作も続くとは凄い。書店で発売に気がつき3秒で買ってしまった。(むぅ!・・・我ながらパブロフっぷりが立派で素敵な条件反射!)私は自身の責任に於いて、「高田崇史」先生の書かれる「崇」が語る歴史考察を全て事実と捉えています。今回は「人との繋がりを忌避する」初登場の女性薬剤師から話が始まる。彼女が「今回だけは」自身の好みに反して、薬剤師会の「熊野」旅行へ参加表明をし、彼女にとっての知人「奈々」と初見「祟(タタル:渾名)」、らと行動を共にする中で、「熊野」について語られていきます。そしてシリーズの根幹に関わる、「鬼」にされてしまった人々の歴史。今回「崇」により紐解かれる熊野の祭祀・風習・伝承もまた、「鬼」にされてしまった人々に関わる内容がありました。崇により淡々と語られる歴史考察もお馴染みで、地名、人名等についての豊富な知識から来る解釈も面白い。そして、語られない部分(歴史の暗部)についても、何時もながら行間から想いを馳せずに居られない。最後の「告白」は「やられた」と思ったのと、「歴史/風習」について考えさせられた。 | ||||
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~ 歴史を学びながら、自分の祖先にも思いをはせました。人間は悲しい生き物であり、又歴史の上に成り立っていると感じさせらました。多分に難解な所もある話ではありますが苦なく最後まで読むことが出来ると思います。勿論本筋としての話も読み応えがあるのですが、桑原崇と、棚旗奈々の関係も気になる所です。一度で二度楽しめる本になっていると思います。$N~~$ もし、歴史が嫌いではなく読んでみたいと思われる方は是非読んでみて損はないと思います。~ | ||||
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