神の子の密室(イエス・キリストの密室)



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初公開日(参考)1997年05月
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長編小説

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神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社文庫)

2003年07月01日 神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社文庫)

体制に反逆する教えを説いて民衆の熱烈な支持を得、「神の子」と呼ばれたイエス。だが彼は反乱罪に問われ、十字架にかけられる。その死体は密室状態の洞窟から忽然と消え、イエスは救世主となって復活した。人類史上最大級の奇蹟の真相と驚愕のトリックに、本格推理の英才が挑む。長編異色歴史ミステリー。(「BOOK」データベースより)




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神の子の密室(イエス・キリストの密室)の総合評価:6.60/10点レビュー 5件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

謎は謎のままの方がいい時もある

本書は前書きにも書かれているように小森氏が調査に携わっている1945年にエジプトのナグ・ハマディで見つかった古文書群のうち、イエス・キリストについて書かれた雑記を基に物語形式にされたものだ。小森氏によれば、他の記録に関しては公表されているのに、このイエスに関する記録については50年経った今(1997年当時)も公開される模様がないので彼はミステリという体裁を取って公表しようとしたのが本書に当るとのことだ。

したがって本作は厳密な意味ではミステリではないだろう。
前の『ネヌウェンラーの密室』でも書いたが“ミステリ”というよりは“ミステリー”に近い。すなわちキリスト復活という非常に有名な奇跡の謎について書かれたものだ。

本作で語り手を務めるエジプトの通商隊の通訳兼雑用係の私はそのまま件の古文書の記録者であるらしく、この物語で書かれた彼がイエスについて様々な人々から聴取した内容は事実であるらしい。
その内容は商売の理解者、東方思想の伝達者、医者、弱者の味方、神に愛される者という賛美の意見から、手品師、臆病者、夢見人、詐欺師と卑下する意見がほぼ同数であり、それぞれの属する立場による己の規範での評価で見方が変わる人物像であったようだ。

そして物語の主眼は磔刑によって死刑にイエスがどのように復活したのかに移っていく。これが本書の謎のメインなのだが、これがどうも魅力的とは映らなかった。
キリストの復活とは西暦の始まり頃の話である。この悠久の時を超えて明かされる謎にしてはいささかチープな印象を受けるのだ。

確かに書かれている内容は当時の各宗教の習慣や常識が詳細に記され、それに基づいた考察がなされ、理論的であり興味深いのだが、それが逆に仇にもなっているように感じてならない。
そして物語はその後、移送されたイエスが閉じ込められた安置所から如何にして消え失せたのかという謎へ移る。これこそ本書の題名となっている密室の謎なのだが、これも解ってしまえばなんともチープ。

さて小森氏が冒頭で述べたいつまでも公表されないイエスの復活についての記述だが、私はこれは関係者同様、公表は控えた方がいいと思う。謎は謎である方が魅力的だというが、まさしくこのイエスの復活の謎についてはそれが当てはまる。もしこれが事実だとして世界に公表されれば、世界中のキリスト教徒の猛反発を受けるのではないか。
明るいところで観るお化け屋敷ほど陳腐なものはない。まさしくこの謎はそっとすべき謎だと私は云いたい。
学者は歴史の謎を明らかにするのが仕事なのは解るが、その逆もまた学者の仕事なのではないか。小森氏が崇高なる使命感で小説という形で発表したこの謎は、その意気込みとは全く逆に、蛇足を連ねただけのように感じてしまった。


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No.4:
(4pt)

小森氏がキリストの復活劇に挑む

小森氏の講談社ノベルスからの2作目で、前作ナヌウェンラーの密室の冒険趣向から一転して、キリストの復活劇の秘密を探る本格歴史ミステリーになっている。
小森氏ならではのキワモノっぽさはなく、大量の参考文献から読み解いたキリストの洞窟からの一種の密室からの脱出の謎がメインとなっている。
史実に基づいて書かれているので、トリック自体はかなり地味だが、舞台も当時のエルサレムにするなどなかなかの異色作に仕上がっている。
神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)より
4061819534
No.3:
(2pt)

世紀の離れ業

1997年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。
 イエス・キリストの復活について、ミステリ仕立てで考えてみたという本。
 試みとしては面白いと思う。当時の政治的状況や宗教的慣習を掘り起こして、キリストの復活という「世紀の離れ業」について、もっともらしい解決が示されている。また、形式、構成、結末にも従来のミステリへの挑戦的な態度が見られ、興味深い。
 しかし、全体としては物足りない感じが強い。まず、小説としての魅力が乏しい。登場人物、ストーリー、捜査の進行などに惹き付けられるものがない。また、歴史ミステリとしては説明や証拠が不充分で、読んで納得できるものに仕上がっていない。
 まあ、失敗作と思う。
神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)より
4061819534
No.2:
(5pt)

イエス・キリスト復活の真相とは?

ミステリ作家・評論家・翻訳家・神秘思想研究者として活躍する小森健太朗のスピリチュアル系作品処女作。

エルサレムの町でエジプトの通商隊の通訳を務める“私”は、

メシアとして噂されているイエスについて、

直接見たことのある者からの見聞や証言を聞き書きして回ることにした。

証言が集まりイエスのエルサレム入城が秒読み体勢に入った日、

後ろ髪を引かれる思いで町を離れることに。

3カ月後エルサレムに戻るとすでにイエスは

ゴルゴタの丘で十字架にかけられ処刑されていた。

しかし、町中にイエスは<復活>したという信仰が浸透していた。

厳重に封印された死体置き場から消失したイエスの死体の謎を探り

“私”がたどり着いた驚異の真相とは?

格調高い筆致で描く歴史ミステリの傑作。
神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)より
4061819534
No.1:
(4pt)

目から鱗!

歴史ミステリー…ってジャンルになるんでしょうね、こういう作品は。そう、(もう古典かな?)「時の娘」なんかの系列ですよね。その中にあっても、この「神の子の密室」、この分野の作品の中では出色の出来です。展開がちょっとかったるい読者もいるかもしれないけど、最後のタネ明かし(謎解き)のところへきたら、ほんと、目から鱗。ミステリーだから、結末を喋れないのが…もどかしい(笑)
 また巻末についている引用・参考文献も、なかなかうれしい。とにかく、これまでに一回くらいは、聖書を読んだことがあって「キリストって分裂症??」と思ったことのある方(笑)、読んでみましょう。
 同時に、初期キリスト教を生んだユダヤ人世界について、ローマ側からの巨視的?な見方を提示している塩野七生のローマ人の物語 悪名高き皇帝たち」「危機と克服」「賢帝の世紀」の併読はお勧めです。
神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社ノベルス)より
4061819534



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