「自由のありがたみを思いださせるために宣戦布告する。私は容赦しない」―マスコミは、その男をフリーダム・キラーとよんだ。

応永15年(1408)、初夏。賢才の誉れ高い建仁寺の小坊主一休に、奇妙な依頼が舞い込んだ。

監察医務院に運び込まれた遺体の肺に未知の黒色胞子が発見された。

聾学校の生徒と教員を乗せたスクールバスが、三人の脱獄囚に乗っ取られた。

ポターの懸命の交渉とメラニーの奮闘の結果、人質解放に光明が射した。

銃身を短く切り落とした、アメリカ製の銃。死体のそばの、ふしぎなメモ。

建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。

ときは大恐慌時代、アメリカ南部。

建設会社社長が死亡し、四人の息子が巨額の遺産を相続することになった。

男子柔道81kg級のエースが薬物汚染。頻発する一撃必殺の通り魔事件―。

刑事たちは呆然と、眼の前で展開されている活人画を凝視した。床の上には、男の射殺死体が横たわっている。

明治末期、文明開化の波も遠い越後の山里。

「殺してくんろ。そいつは化け物んがんだ」。

新橋の老舗蕎麦屋の若女将、倉橋

黒鷲。不良債務者を地の果てまでも追う黒木の呼称だ。

観光地として賑わう、古代遺跡のローマ浴場の地下室で、白骨化した人間の手が発見された。

ようこは自分の部屋に戻り、箱を見た。

ハリウッドのスターダムに手が届かんとする演技派女優クリス。

犯人はどこからきて、どこへ消えた？

人々の妄想を取り除き、また必要とする人には提供する「妄想銀行」を始めたエフ博士。

東北地方の山村。動物行動学者・城島の最愛の妻が惨殺された。

誰も触れるな、誰も近づくな、もう、誰も喪うな。その事件は、些細なマンションの苦情から始まった。

光と風を浴びて、17歳の少年は、海沿いの道を駆け抜ける。愛する妹と母のために―。

「ミスター」と名乗る男。名無しでホームレス。

マット・スカダー―シリーズ最新作!―友人ミックと姿なき敵との抗争に巻き込まれたスカダー。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

エボラ、コレラ、細菌兵器…いや、この島にはもっと恐しいなにかがある!「将軍の娘」のネルソン・デミル最新作。

連続通り魔事件の犯人は同級生だった。揺れる中学生活のなかで見つめる「大人」でもなく「特別」でもなく「フツー」な自分…。

「惚けてしまったおばあちゃんは生ける屍や。

握手をするように人を殺す男。一歩踏み出したらもう戻れない。

クロックフォード―どこにでもありそうな平和で平凡な町。

1971年ワシントンDC。

ダニーとボブの狙撃ティーム“シエラ・ブラヴォー・フォー”は幾多の戦闘を勝ち抜く。

本所深川をあずかる回向院の旦那こと、岡っ引きの茂七が、下っ引きの糸吉、権三とともに摩訶不思議な事件の数々に立ち向かう。

自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。一人息子を国家に惨殺され、それまでの人生をなげうち鬼となった男。

悪の吹きだまりを生きてきた男。理知的な顔だちの裏に、もう一つの顔を持つ女。

江戸の町を見下ろす三枚の大凧には、なぜか小判が結びつけられていた…。

新橋の老舗蕎麦屋の若女将、倉橋日登美が直面した信じられない現実―。父と夫と長男が、住み込みの少年に惨殺されたのだ。

デニスと政治家の確執が続くうちに事件は急展開し、娘は他殺体で発見された。

娘を返してほしければ、第一面で第一子であることを認めよ―脅迫状を見たタブロイド紙の編集長デニスは、10歳の私生児の娘が誘拐されたことを知った。

大江戸の風物をめぐる七つのからくりを八丁堀同心・夢裡庵が解き明かす。

小滝橋警察署に勤務する阿久津は、31歳のホステスから、結婚を約束した男と急に連絡がとれなくなったと相談を受ける。

橋口を追ううちに、阿久津は被害者の中に、かつての恋人美和子がいることに気付く。

「発明家クレイソンを調査してほしい」在米のコンピュータ・セキュリティの専門家笹生勁史に、通産省から極秘依頼があった。

1940年。内戦の痛手いまだ癒えぬマドリードに、日系ペルー人の男が現れた。

中国の僧坊で伏虎拳の修得に余念がなかったニールに、父親にさらわれた二歳の赤ん坊を無事連れ帰れ、という指令がくだった。

一千二百六十万円。

ヤクザの追跡を辛うじて逃れた道郎は、名前を変え復讎に挑む。

あんた、欲に眼ェ眩んだら、目利きを誤りまっせ。古美術でひと儲けたくらむ男たちの騙し騙され―これぞ、骨董商いの裏のうら。

このままでは、殺される―ある朝、シーツについた小さな血の染みをみつけて、ローズはそう口にしていた。

逃げた先の街でローズが見つけた不思議な絵は、異世界への入口となった。描かれているのは神殿の廃墟を見下ろす女性の姿。

スカダーの知人がレンタルしたビデオには、意外にも現実の猟奇殺人の一部始終が収録されていた!だが、その残虐な映像からは、犯人の正体はもとより、被害者の身元も判明しなかった。

鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。

ごく普通の女子高生・鹿島翔香は、ある日自分が『昨日の記憶』を喪失していることに気づく。

心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交る―と、一ヵ月後にその女胎を裂いて男が再誕する。

将軍家病篤し、の報に紀伊大納言は今や藩をあげて命運を賭すべく、魔界より甦った怪異の剣豪を供に江戸へ向った―魔人たちの大陰謀は大詰めに!この天下覆滅の奸計に立ちはだかる柳生十兵衛。

台風が九州を縦断した夜、ホテル玄海で宿泊客の男が絞殺された!その後、ホテルの経営者も青酸カリの入った牛乳を飲み、不審な死を遂げる。

断熱材メーカーの常務が殺され、工場に勤める東北出身の内気な青年が容疑者に。大都会の人間の孤独を鋭く抉る社会派本格推理。

女優・紅林ユリエが小杉隆一と作った劇団『紅神楽』は、推理劇を得意としている。座付き作者の小杉は大の推理マニアなのだ。

幼い息子を踏切事故で亡くしたメンリーは、娘ハナに恵まれた今も罪悪感に苛まれ続けている。

その町には幸と不幸の見えない境界線がひかれている。事業拡大を目論んだ鉄工所主・川谷を襲うウラ目ウラ目の不幸の連続。

インド洋上で原油を満載したマンモスタンカーが炎上沈没した。

再会は地獄への扉だった。十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る―。

人は救いを求めて罪を重ねる。連続殺人、放火、母の死…。

悪の華が咲き乱れる荒廃しきった高校へ転校した少年、逢川総二は、あの“極真”の達人だった!VS.中国拳法、ボクシング、少林寺拳法、柔道、空手、剣道。

フィラデルフィアから妻の待つサンフランシスコへ、義弟を連れサンダーバードで大陸横断五〇〇〇キロの旅に出たアレックス。

元調教師ギャリスンと仲間たちが狙うのは競馬場の金庫室に唸る現金二百万ドルだ。

十二歳のあの頃、世界は魔法に満ちていた―1964年、アメリカ南部の小さな町。

初恋、けんか、怪獣に幽霊カー。少年時代は毎日が魔法の連続であり、すべてが輝いて見えた。

その冷やかな微笑としなやかな身のこなしで世界的ファッションモデルとして活躍中の美織レイ子が自宅マンションで死体となって発見された。

舞台は東京郊外のニュータウン。

家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。

ボブはヴェトナム戦争で87人の命を奪った伝説の名スナイパー。

自分のミスでボブを逃がしたFBI捜査官のニックは、真犯人は別にいると考え、独力で捜査を続けた。

遺伝子操作監視委員会に所属する深尾直樹は、ライフテック社で発生した事故調査のため、現地に急行した。

二一世紀初頭。イントロンに封印された悪魔は解き放たれ、世界は焦土と化した。

寛永14年10月、島原の乱、勃発。

世田谷の某総合病院にかかってきた脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が相次いで殺害された―白衣を着せられ、首には針金が二重に巻きつけられているという奇妙な姿で…。

ヨークシャーの片田舎で、首を斧で切り落とされた農夫の死体が発見された。

日本最大のソフトメーカ「ナノクラフト」の経営するテーマパークを訪れたN大生西之園萌絵と友人たち。

幸せ一杯のはずの結婚式場は、大混乱の坩堝に陥っていた。死体が空から降ってきたのだ。

描くことに没頭し燃え尽きるように自殺した画家、東条寺桂。

「謎が解けなければ時間は永遠に止まったままだ」何かに疑問を抱くと時が停止するという奇癖を持つ青年末統一郎の言葉に、女子高生真奈は逆上した。

昭和38年9月、地下鉄爆破に遭遇した週刊誌記者・村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材するうちに、一人の女子高生の殺人事件の容疑者に。

1937年7月、北京郊外で軍事衝突が発生。戦火はたちまちに広がり、日中両国は全面的な戦争に突入した。

アルファベットのYのように人生は右と左へ分かれていった―。貸金庫に預けられていた、一枚のフロッピー・ディスク。

「無実の罪」ドキュメント―作家への野心を持つ鷹見に無謀な企画が持ち込まれた。

一般職OL兼名探偵・陶子さんの周りで起こる、不思議な“事件”の数々。月曜から日曜まで、丸の内の一週間は謎だらけ。

ゲルケン弁護士の日記に書かれていたワイン醸造所の調査中、二階堂蘭子たちは、リッベントロープ伯爵の部下に拉致された。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。

その夜またモスクワの路地裏に転がった死体からは、髪の毛とボタンが奪われていた。

死が村を蹂躙し幾重にも悲劇をもたらすだろう―人口千三百余、三方を山に囲まれ樅を育てて生きてきた外場村。

村は死の中に弧絶している―忍び寄る死者の群。息を潜め、闇を窺う村人たち。

警視庁巡査見習い、高木聖大23歳。直情径行、単純明快、おまけに短気でドジばかり。

ギャングのボスのために借金を取りたてる―どんな危険も顧みない幼なじみのジョーとピートにとって、それは簡単な仕事だった。

探偵小説の愛好家グループの中心人物・伍黄零無が奇妙な言葉を残し密室から消えた。

深夜のコンビニエンス・ストアに現れた少年強盗―。

もう後戻りは、できない。その一線を越える瞬間―。

カットグラスを片手に話す男たち。あの頃は見えなかった人生の密やかな断面、その煌きに目を留めた瞬間、新しい物語は始まる。

夭逝した天才作家の文学記念館で次々と起こる放火騒ぎ。それは惨劇への序曲だった。