流れる砂
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「探偵・畝原シリーズ」の第2作。素性を隠して暗躍する詐欺グループと新興宗教のつかみどころのない悪に戸惑いながら、絶対に許せない所業に全身で怒りを爆発させる熱いハードボイルド・サスペンスである。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
良かった | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表面上はまあまあでしたが、鉛筆による書き込みが10カ所近くあり驚きました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
父親による実の息子の殺害現場という、衝撃的なシーンから始まり、その回想の形をとって畝原シリーズの定番ともいえる日常の何でもないありふれた調査の話に移っていきます。 毎回そうだけど日常を丹念に普通に描きながら、それが一気に崩壊していく過程を描くのが本当に上手く感じます。それは読むものに自身の身近な風景、日常が実は薄氷の上にある事をイメージさせ、思わず足元に広がる底の見えない暗い世界を想像し背筋が冷たくなります。今回の話も相当にヤバい話でそれに対する畝原はあまりに小さくて、当たり前だけど一介の探偵に過ぎない畝原が出来る事など知れています、しかし、その小さな存在がそれでも自分自身の矜持と、そして大切な家族、友人を守ろうと奔走するからこそ、読み手はその姿に共感し惚れ込むのだと思います。 今回は畝原にとって立ち直れかねない程の悲劇があり、その悲しみに翻弄される畝原の姿が衝撃的。失うべからざるを失う時、人はこれほど心が壊れてしまうであろう表現とそこから立ち直り、戦おうとする畝原の姿はあまりに秀逸で素晴らしかった。 この作者の作品はどれもそうだけど、サスペンスドラマのような全ての謎解きや解決など存在しない。物語を読み終えても分からない事は分からないままだ。しかし、それ故に一層畝原という一人のキャラクターが光かがやき存在感を増し、作品としてのリアリティとか無常観も際立っている。シリーズの中で一番好きな作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1999年発表の本作品は、私立探偵畝原浩一を主人公としたハードボイルドシリーズの長編第2作にあたります。 このシリーズは、第1作が短編「待っていた女」であるので、短編を含めると、第3作目。 文庫本で、640頁程度と、少し長めの作品となっています。 このシリーズでは現実の世界と同じように時が流れているようで、長編第1作「渇き」(1996年)で45歳であった畝原は、47歳という設定になっています。 男手一つで育てている一人娘、冴香も、小学生のままですが、料理の腕も上がってきており、少しずつ成長している模様。 オープニングは、畝原の調査で、息子が悪事に手を染めていたことを知った父親が、息子に暴力を振るうシーンから始まります。 それは、思いもかけぬ重大事件に発展してしまうのだが…。 そして、畝原がその暴力事件へ発展した調査を請け負った時点へ場面は遡り、その調査をきっかけに、関係者を洗っていくと、徐々に明らかになってく「社会に潜む闇」。 それは、題名の「流れる砂」のごとく、全貌がよく掴めない、得体の知れないもの。 このシリーズの主人公、畝原浩一は、著者のもうひとつのシリーズ、ススキノ探偵<俺>ほどの強烈なキャラクターはなく、どちらかと言えば「普通のおじさん」です。 扱われる題材も、保険金殺人や、新興宗教法人など、ミステリ小説でこれまでにも再三取り上げられてきたものばかりで、新鮮さというものはありません。 しかしながら、600頁を超える長編を飽きさせることなく読ませる小説であるのは、「目に見えないとろで本当に起きているかもしれないという、現実感」が作品を支えているからでしょう。 はっきりした結末が好きな自分にとっては、「事件の全貌」をもっと明確に、描写してほしかったという印象はあるものの、ススキノ探偵<俺>と同様、サブのキャラクターが活写されており、「シリーズもの」として十分に楽しむことのできた作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
衝撃的な殺人シーンから始まる。おもしろそう。 自分は本格読みである。登場人物表が無かったので、自分で作りながら読んだ。 ひとりひとり登場人物の記述を吟味していく。 ところが事件を調べるうちに次から次からへと新たな人物が登場する。 そして登場人物が50人を超えたあたりでそろそろいやになる。 ひょっとしてハードボイルドってこういう読み方しちゃいけないのかな??? 作者が文中で、これで巨大組織vs探偵一名だったら小説だよな、というようなことを述べた。 そりゃそうだよ、小説なんだよ、読者はそうあってほしいんだ、と僕は思った。 だけどきっとそれは反語で、リアリティが身上、ということだったのだろう。 その結果、巨悪は意外な小物で、その他の真相は闇に包まれたまま終わる。 登場人物表が無駄に思えてきた。 ハードボイルドファンってこういうのが好きなのか。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 11件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|