鈴蘭



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    初公開日(参考)2010年05月
    分類

    長編小説

    閲覧回数2,808回
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    鈴蘭

    2010年05月31日 鈴蘭

    心の奥底に咲く花―罪を背負いし生きる者は、その姿を追い求めるのか。私立探偵・畝原シリーズ、待望の最新刊。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    鈴蘭の総合評価:8.73/10点レビュー 11件。Bランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (8pt)

    探偵・畝原がジョー・ピケットに見えた

    「探偵・畝原」シリーズの第8作。2010年の作品だが、それ以降は新作が出ていないのでシリーズ最終作なのだろうか? ゴミの山に埋もれて暮らす変人と同居していた女性、ヤクザの高校時代の恩師という二人の行方不明者探しを基軸に、今の時代が抱える問題と真摯に向かい合う畝原の熱い思いを描いた社会派ハードボイルドである。
    テレビ局からの人物調査依頼で札幌郊外のナチュラルパークに出向いた畝原は、大音量と共に現れた車から飛び出した男が暴れるのを制圧し、警察に引き渡したのを機にパーク経営者の早山と知り合った。早山によると男は嶺崎という老人で、パークと山を隔てた土地を不法占拠し、ゴミの山と痩せこけた多数の犬猫と暮らしているという。そこで、2年ほど前から嶺崎のところで暮らしていた女性が最近、姿を見せないので、その女性の行方を探してほしいと依頼された。同じ頃、知り合いのヤクザ関係者・兼田から「高校時代の恩師が消息不明になったので理由を調べてもらいたい」との依頼があった。二つの調査を進めた畝原は、その背後にある社会の病理、過去に縛られる個人の苦悩、懸命に生きた末に辿り着く老人の孤独の深さに震撼する。それでも畝原は人間の善性を信じようと前を向くのだった…。
    家族を愛し、人間の善性を信じ、損得なしに正義を貫いて行く。畝原シリーズの集大成とも言える作品で、札幌の私立探偵・畝原がだんだんワイオミングの猟区管理官・ジョー・ピケットに見えてくる。熱くてハートウォーミングなハードボイルドの完成形が、ここにある。
    派手なアクションや銃撃戦はなくてもハードボイルドの面白さを堪能できる傑作として、多くの人にオススメしたい。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.10:
    (5pt)

    続編を望む。

    本書で登場する案件は三つ。それぞれが別の事象に見えながら実のところ……というようにはならず、すべてが別個のままに一応の解決に至る。と書くと、内容の点で散漫であるような印象を与えるかもしれないが、実際には散漫どころかむしろ最終的な風景は実に美しい。というのも、三つの案件はお互いに異なりながらもすべてが同じ方向を指示しているからである。矢印の先にあるのは「生に対する態度」であり、それは裏側から見れば「死に対する姿勢」である。物語の中に登場し、動き、語る者にはいわゆる悪人が一人もいない。そしてまた物語の中で死ぬ者はいないが、死んでいた者が三人、比喩的な意味で掘り起こされ、その死の有り様が照らし出される。そのとき、題名である「鈴蘭」の意味がほとんど物理的な重さを持って迫ってくる傑作。
     本書の後、畝原シリーズは今のところ書かれていないのだが、これを最終巻としても決して違和感はない。
    鈴蘭Amazon書評・レビュー:鈴蘭より
    4758411530
    No.9:
    (4pt)

    好きな作家です

    好きな作家の本で、新刊がでるのを楽しみにしています。 すすき野シリーズや北海道を題材にしたストーリーが好きです。
    鈴蘭Amazon書評・レビュー:鈴蘭より
    4758411530
    No.8:
    (4pt)

    なんか地味でくどい(笑)

    「私立探偵・畝原」シリーズ

    畝原シリーズは現時点では、
    「待っていた女・渇き」、「流れる砂」、「悲鳴」、「熾火」、「墜落」、「挑発者」、「眩暈」、「鈴蘭」

    ということで、「鈴蘭」だけ読んだせいか、
    んー。あんまり。
    まあ、シリーズ物は巻により当たり外れがあるんだろうから、
    最初から読むとおもしろいのかもなんだけど・・・

    微妙にあんまり読む気にならないのは、
    なんか地味だから?
    というより、くどすぎるから?
    うーん。
    わからん。

    探偵はバーにいるは結構おもしろかったけど
    鈴蘭 (ハルキ文庫 あ 10-18)Amazon書評・レビュー:鈴蘭 (ハルキ文庫 あ 10-18)より
    4758437637
    No.7:
    (4pt)

    このシリーズ好きです

    ススキノ探偵よりこちらのシリーズの方がいいのに、映画化ドラマ化されないのは、畝原さんが地味だからかな?
    読む順番がごっちゃになってしまってて、あと読んでないのは何だろう?
    鈴蘭 (ハルキ文庫 あ 10-18)Amazon書評・レビュー:鈴蘭 (ハルキ文庫 あ 10-18)より
    4758437637
    No.6:
    (5pt)

    シリーズ全体の感想です。

    「鈴蘭」のレビューの欄ですが、あえてシリーズ全体について書かせてください。
    なぜなら、「鈴蘭」だけを読むファンはいないと思うし、もしこれだけを読んで面白くなかったという感想を持ってしまったらもったいないと思うので。
    ぜひ「待っていた女・渇き」から読んでほしいです。

    畝原シリーズは現時点では、
    「待っていた女・渇き」、「流れる砂」、「悲鳴」、「熾火」、「墜落」、「挑発者」、「眩暈」、「鈴蘭」
    の計8冊です。
    「挑発者」と「眩暈」の間に出た「疾走」という榊原健三という男のシリーズにもちょっとだけ登場します。

    「鈴蘭」はゴミ屋敷の問題とか、失踪した元高校教師の捜索とかが同時並行で進みます。
    いつもの畝原シリーズです。
    「悲鳴」や「熾火」のように現在進行形で大きな犯罪が起きているわけではないですが、やはり読ませます。
    問答無用で面白いです。
    いわゆるハードボイルドな探偵小説が好きな方には、ぜひオススメします。

    この四半世紀で登場したこの手の私立探偵といえば、私が知る限り、
    原寮   沢崎
    矢作俊彦 二村永爾
    大沢在昌 佐久間公
    藤田宜永 竹花
    くらいじゃないでしょうか。
    どれも面白いのですが、いかんせんコンスタントに新作が発表されていません。
    その点、1-3年に1作は新作が出る畝原シリーズは本当に貴重です。

    本編のストーリーとは別に畝原を取りまく環境も少しずつ変わっていっていて、それを楽しみにしているファンも多いと思います。
    実の娘である冴香なんて「渇き」では10歳だったのに、ついに「鈴蘭」では大学卒業が近づいていますしね。
    畝原自身も43歳から53歳にだんだんと年齢を重ねています。

    ひとつ問題点をあげるとしたら、その点です。
    人間関係が途中の一作だけ読んでもはっきりしないと思います。
    現在の畝原家は「熾火」の後で完成したものですし、明美がどういう人間なのかはそれこそ一作目から読まないと分かりません。
    玉木も最初のうちは現役の刑事だったので、それを把握した上でないと、今のポジションが分かりにくいと思います。

    「探偵はBARにいる」の映画からファンになった方も、オススメいたします。
    ぜひシリーズの通読を!
    鈴蘭 (ハルキ文庫 あ 10-18)Amazon書評・レビュー:鈴蘭 (ハルキ文庫 あ 10-18)より
    4758437637



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