墜落
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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「探偵・畝原シリーズ」の第5作。女子高校生の素行調査から殺人事件に巻き込まれていく畝原の冷静沈着な思考と熱い家族愛が融合したハードボイルド家族小説である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ススキノ探偵が軽妙さのある「陽」だとすれば畝原は沈着冷静な「陰」ですが同じ作者が書く以上、主人公が他者に向ける視点は似通っています。 低学歴で徒党を組む若者は「子ども」であり、躊躇無く正拳や足刀を見舞う対象となります。彼等はさしたる動機もなくおもしろ半分に人殺しをします。他方、地方限定とはいえ功成り名を遂げた老人も腹の中にどす黒いものを抱え大きな罪を犯すという設定が多いように思います。 一番温かい目で見られるのは、小悪党や小役人のようでも自分の領域にある仕事をこつこつ地道にやっている人物で、彼等は主人公と(ときに反目するが結果的に)協調するイイモンとして配置されています。 どの作品も長大になるのは粗筋に必要がない会話や描写が多いことが主たる原因ですが、そこがファンにはたまりません。本作では、たとえば刑事が打つメールとしゃべり言葉の差などが、おもしろかったところです。 すぐには出ない続編を待っています。 | ||||
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女子高生の素行調査を引き受けた私立探の偵畝原。しかし、その女子高生は、ホストクラブに出入りし、そのお金を稼ぐために老人に身体を売っていたのだ・・・。さらに一方で、猫の首なし死体が投げ込まれるという相談を受けた畝原は、依頼主の経営する駐車場で、殺人事件に巻き込まれるのだった・・・。 本書は私立探偵畝原シリーズの第4作。主人公の畝原をはじめ、各登場人物に愛着がでてきた。とくに、畝原一家の描写の場面は感動を覚える。「幸恵」の成長していく姿は涙なしには読めない。。。 | ||||
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2006年発表、2009年文庫化の本作品は、<畝原探偵シリーズ>の長編第5作にあたります。 事情があって、一番最初に、第4作「熾火」を読んだ私は、その後、第1作「渇き」、第2作「流れる砂」、第3作「悲鳴」と順番に読んできましたが、本作品では、第4作を経て、主人公、畝原浩一を取り巻く状況がどうなっているのか、一番に興味を抱いたところです。 と、言うのも、この第5作までで、畝原の周辺の状況が激変するのが、第4作「熾火」であり、本作品は、「その後が知りたい」というのが、読んでみようと思う大きなきっかけになっていたから。 この「その後」には、ひと安心と言ったところでしょうか。 また、これにより、私がこのシリーズの大きな特徴と感じている部分が決定づけられたような気がします。 その大きな特徴とは、畝原を取り巻く二つの環境、「内向きには【家族の絆】、外向きには【社会悪】」が作品世界を形作っている――と、いうものです。 この対立構造が、物語展開の中で、「緊迫感」と「安心感」の絶妙なバランス状態を維持していると考えています。 もう一つ、シリーズの大きな特徴は、「短い題名に込められた強いインパクト」です。 読み終えてみると、題名に込められたその意味深さに驚かされます。 本作品は、事件の真相はミステリ愛好者なら何となく想像がつくと思いますが、ここまで強烈な展開を持って来るとは思いませんでした。 「墜落」――あまりに、「緊迫感」ありすぎです。 でも、その後に待っている「安心感」により、救いのあるストーリーにまとめ上げられているものと考えます。 さらに、畝原という主人公よりも、名脇役に支えられ、彼らの運命が気になってしまう――そんなところも、本シリーズの特徴と言えるかもしれません。 | ||||
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畝原シリーズは一貫して「社会の闇」や「人間の怖さ」をテーマとしているが、 今作は最近の若者の生態と、ドロドロの文学界がテーマといったところか。 これまでの道警や闇社会といった「巨悪」に比べると、背景がややこじんまりとした感はある。 以前から感じていたが若者を描こうとすると、どうも作者は典型的というかありふれた描写になってしまうようだ。 ちょっとずれたというかキ○○イを描かせると天下一品だが、若者の生態にはあまり詳しくないように思う。 携帯や出会い系を使ったコミュニケーションにはそれなりの取材の跡は感じられるが、ちょっとリアル感にかける。 どうしようもない社会の腐敗や悪意、想像を越えたキ○○イに対して、割と普通の常識人であるところの 畝原を配しそのコントラストで、前者の異常さをより際立たせるというのが、畝原シリーズのおおまかな構図だが、 今回はどうも「悪人側」のキレ具合が今ひとつで、それが今作のぬるさにつながっているような気がする。 畝原シリーズを読んだことのない人にはあまりオススメできないが、シリーズを読み継いでいる人には 登場人物たちのその後が気になるであろうから、そういう楽しみ方がオススメ。 | ||||
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