事件当夜は雨
- 雨 (2)
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最初は意味すら分からない犯罪に思える。どしゃ降りの夜にドアを叩く音で眠りを覚まされたソレンスキー。異様な恰好の男はロベンズの家はどこかねと尋ねた。この先を400メートルほど行った先の | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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1960年5月12日のどしゃ降りの大雨の夜。果樹園経営者のヴィクター・ロベンズは、訪ねてきた黒ずくめの男に突然銃で撃たれて殺されます。ヴィクターは穏やかな性格で他人から恨まれるようなことはないという。奥さんのマータは美人で露出の多い服装をよくしていると近所のおばさん達の噂に上っている。捜査をするのは、フェローズ署長とウィルクス部長の2人。地道な捜査を続けていきます。会話が多いのでサクサク進みます。訳も変な日本語とかはない。犯人がわかって逮捕された後も、もう1つ謎解きが待っています。こちらのほうが気分が盛り上がりました。 | ||||
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とにかく頭から終わりまで丹念に読んでいただきたい。 一見地味。読んでても、本当に地味。 いつもながら茫洋漠然とした事件と手がかりで始まる今作。 派手な要素などない、丹念な事情聴取の繰り返しで人物像を把握し、人間関係を洗い出していく、フェローズやウィルクスたちの地道な捜査の過程。警察捜査小説としても相変わらず堅実。 が、250頁を過ぎたあたりから、俄然、本格推理作家としての手腕が静かに本領を発揮し始める。 読み終えて振り返ってみれば、いやー結構なことやってます、ヒラリー・ウォー。 とりわけ、「あれ?なんかどこかで」の違和感の正体がわかった瞬間など、夜中だったが唸ってしまった。 幕切れも、勝利の余韻に酔うようなものでは全くない。 不眠不休の捜査を続けたフェローズ署長とウィルクス刑事の遣る瀬無さ。 大人向けのいい本格を読んだな、と言うじわじわとした余韻がたまりませんでした。 『ながい眠り』を先に読んでいたので、ウィルクスが部長刑事なのに署長のフェローズとタメ口なのは 少し気になったが、これはむかし早川書房で出ていた吉田誠一氏の訳をそのまま用いているためらしい。 いずれ法村里絵氏による新訳版も出版してほしいな、とも思う。 | ||||
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「失踪当時の服装は」で著名な作者のもう一つの代表作。本作は冒頭が劇的である。ある土砂降りの晩、ロベンズという農夫の家に謎の男が現われ、「あんたに50ドル貸しがある」と言って、いきなり発砲する。謎の男はその直前、隣家にも2回顔を出しているが、双方の家の住人共、男に心当たりはない。この茫洋とした事件を、警察が地道な捜査によって解決に導く様を描くのが作者の持ち味である。サイコ・キラーによる通り魔的犯行という線が早々と消えるのは予想外。これでは容疑者や動機が絞られ、名探偵登場型でも良かったかと思わせるが、本作の捜査陣は署長のフェローズを初め想像力に長けている。ロベンズの魅惑的な妻マータによる共謀殺人、ロベンズが弟で女誑しのジョージと誤って殺された可能性、マータの不倫相手である近隣住人の旦那の犯行、と様々なケースを想定する。それを一つ一つ潰して行くのが警察小説の醍醐味であるが、犯人のミスリードもあって、捜査陣が振り回される様子が良く描かれている。犯人の用意した仕掛けがそれ程巧妙ではないので、解決は時間の問題的な印象を受けるが、最後に用意された趣向も楽しめる。特に冒頭との対比が見事と言える。最後に訳について一言。署長と部長刑事が対等の口を利くなど不自然。英語では敬語がないのでそのまま訳したのだろうが、刑事ものでは刑事同士の会話が一つの魅力になっているので、刑事間の関係を曖昧にする本訳は不適切だと思う。この辺は注意して対処して欲しかった。 | ||||
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「失踪当時の服装は」で著名な作者のもう一つの代表作。本作は冒頭が劇的である。ある土砂降りの晩、ロベンズという農夫の家に謎の男が現われ、「あんたに50ドル貸しがある」と言って、いきなり発砲する。謎の男はその直前、隣家にも2回顔を出しているが、双方の家の住人共、男に心当たりはない。この茫洋とした事件を、警察が地道な捜査によって解決に導く様を描くのが作者の持ち味である。 サイコ・キラーによる通り魔的犯行という線が早々と消えるのは予想外。これでは容疑者や動機が絞られ、名探偵登場型でも良かったかと思わせるが、本作の捜査陣は署長のフェローズを初め想像力に長けている。ロベンズの魅惑的な妻マータによる共謀殺人、ロベンズが弟で女誑しのジョージと誤って殺された可能性、マータの不倫相手である近隣住人の旦那の犯行、と様々なケースを想定する。それを一つ一つ潰して行くのが警察小説の醍醐味であるが、犯人のミスリードもあって、捜査陣が振り回される様子が良く描かれている。犯人の用意した仕掛けがそれ程巧妙ではないので、解決は時間の問題的な印象を受けるが、最後に用意された趣向も楽しめる。特に冒頭との対比が見事と言える。 最後に訳について一言。署長と部長刑事が対等の口を利くなど不自然。英語では敬語がないのでそのまま訳したのだろうが、刑事ものでは刑事同士の会話が一つの魅力になっているので、刑事間の関係を曖昧にする本訳は不適切だと思う。この辺は注意して対処して欲しかった。 | ||||
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ヒラリー・ウォー の最高傑作に推す人もいる、 超絶のメタミステリー。 あっと驚く結末を迎えるが、 発想の次元が違う。 哲学や純文学の好きな人により受けるかもしれない。 オリジナリティ溢れる大トリックを考える人には、 絶対思い付けない結末。 思い付いても、自分の名誉欲を満たす為に小説書いている奴には、 書く勇気は出ないだろう。 同じようなネタをファンタジーとしてル・グィンが短編でやっていたが、 あれは白けた。 あっと驚くネタというのは、 人によっては白けたり怒り狂うもんだが、 これは小説読み全てが唸るだろう。 何が凄いのか気付けない人は、 思索が足りません。 推理小説のゼータ関数やM理論をヒラリー・ウォー は 発見していたと叫びたくなる、 至高の古典にして完璧な前衛の究極の推理小説。 ここまでやらなくても、普通のドンデン返しで私は充分で、 私はこれをヒラリー・ウォー のベストだとは思いません。 今のところは『この町の誰かが』 が一番好きです。 ねぇ、あたしの言ってる意味、ワカル? | ||||
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