夜の記憶
- 記憶シリーズ (4)
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
夜の記憶の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まるで私の独り言を読んでいるような小説。 | ||||
| ||||
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
トマス・H・クックは癖になる作家ですが、この小説はファンの人も特にファンでない人も読まない方がいいと思います。読後感が最悪です。怖い、怖いというレビューがありますが、全然怖くありませんし、怖いのが好きな人を愉しませてくれるような作品でもありません。 人間性の闇の部分がどうこう言って感心するのはあまりにも“軽すぎ”でしょう。恐怖によって人を支配することは許されざる悪ですが、恐怖に支配されてしまったとしても仕方のないことで、声高にあげつらうような話ではないと思います。基本的に(たまには例外もいますが)人は拷問には耐えられないものであり、多くの冤罪事件が一見不合理な自白から産まれてきたのは知る人ぞ知る事実です。 解決を依頼された当面の事件についても、また主人公の過去の事件についても、決着の仕方が実に不愉快です。プロットの全体が、読者に対して、無用な嫌悪感を押し付けるものだというのが私の評価です。 『心の砕ける音』(正確には『Places in the dark』)が打ちふるえてしまうほど素晴らしい作品だったので、大いに期待して読んだものとしては、がっかりもいいところ。5作目にして初めて駄作に遭遇してしまったクックさんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
他の方が書かれている、主人公自身の過去の体験、その心理や真相がキモだというのは分かるのですが、過去の事件捜査部分は実にクラシック。 エルキュール・ポワロとかエラリー・クイーンが関係者に話を聞き周り、仮説を組み立て、それが崩れて、違う仮説を組み立てていくという、クラシックなパズラーそのもので嬉しくなりました。 地味な話なのだけど、ページをめくる手が止まらなくなる。 読み終えて、クイーンの「フォックス家の 殺人」を数十年ぶりに再読することにしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ジャンル分けすればミステリになるが、最後に謎が解けてもそれが忌まわしい結果を必然的に導くので、救いがなくて爽快感はゼロ、暗澹たる気分だけが残る。正直、読まなければよかったと思った。 文体はしっとりと落ち着いている。が、内容はかなりどぎつく衝撃がある。鬱傾向の人は読まない方がいいし、後味の悪いストーリーが好きな人以外にはお勧めしない。 話の造りは非常に巧い。終始、陰鬱なムードであるにもかかわらず、面白くてどんどん読める。 主人公の設定が特異。ポップな犯罪活劇シリーズを書いている人気作家だが、マンガ的なまでに古典的なスタイルで書くのは、子供の頃のある夜、異常者に目の前で姉を惨殺されたトラウマが深すぎるからだ。 彼は、邪悪でサディスティックな犯罪者と追いかける刑事を主役にすえてシリーズを書き続ける。フィクションによって「夜の記憶」を微妙にずらし、救われるためだ。それでも彼は、いずれはと予期して自殺の道具をロッカーに用意する(ミステリ小説にかつてこんな主人公がいただろうか)。 シリーズを読み、その背景を感じとった大富豪の娘の依頼で、作家は第二次世界大戦直後の50数年前、避暑地で起こった少女殺害事件の真相究明を引き受ける。 謎の追究は関係者の道徳的な腐敗と事件の暗然たる真実を次第に明らかにするが、それは同時に、作家が心の闇の奥底に隠した「夜の記憶」の真実をも照らし出し、戦慄の事実をえぐり出す。むごいとしか言いようのないプロットだ。 こうして、二つの殺人事件と小説に書いたフィクションの犯罪の数々が影響し合い、相乗効果で凄惨さが耐え難いほどに増幅していく。あまり類例のない構造を持つミステリで、クックの文学的な力量が窺える。 クックは最後に救いを用意しているが、とってつけたような扱いだから読後感は変わらない。主人公にとっても読者にとっても、これは珍しいほど残酷で、目を背けたくなるほどおぞましいミステリだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これは好き嫌いというカテゴリーでくくれない作品だと思います。 読後に評価に困った作品は久しぶりでした。 嫌だと思いつつ引き込まれるという話でもない気がしますし、 強いて言えば怖いもの見たさで目が離せない感じでしょうか。 主人公の心の闇はどこからくるのか、それはある程度読み進めて いくと分かってしまうかもしれません。はっきりとではないけれど、 大体の人はうっすらと感じ取って読んでいるのではないでしょうか。 ただ、そうであって欲しくないという願望から、その事実から 目を逸らして読んでいたけれど、やっぱり最後はそうきたか・・というタイプの話です。 主人公が作家なのですが、彼の思いはよく想像の世界に飛びます。 そこが多少だれるところでもあります。50年前の少女殺しの方は、少し 強引で結末はあっけない感じがしますが、メインはやはり主人公側の方 なのでしょう。こちらはかなり良い感じで、終盤はラストに向かってぐいぐいと読ませます。 希望があるとも取れるラストシーンですが、自分には主人公が 幸せになるとは到底思えませんでした。少しだけ心を開ける相手を 得たのかもしれませんが、やはりこのまま苦しみ、もしくは戦いながら 闇の中を歩いていくことになるのではないでしょうか。 その程度で深すぎる心の傷は癒せるものではない、と思わせたところが 一番怖かったところかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文庫本にして400ページを超える作品です。 最初から提示される謎は謎のまま、陰鬱な雰囲気に包まれた描写が続きます。 論理的な推理、それに挟まれる過去の描写、交わりだす過去と現在の事件の謎。 実は様々に張り巡らされた心理的な伏線の数々。 もう、秀逸に過ぎます。 恐怖に囚われた恐怖という人間心理を深く暗い場所で突きつけられる。 過去が顕わになる描写は、何度読んでも恐怖を感じずにはいられません。 読んで損は絶対にしない小説のひとつです。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 19件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|