路上の弁護士
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点9.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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これの前に原告側弁護人を読みました。こちらは正義感あふれる新人弁護士が大手法律事務所を訴える話だったのですが、こちらは新人弁護士の活躍と言うより運に助けられて(と言うか判事が活躍しただけ?)と思えるような話でいまいちだったのですが、『路上の弁護士』はなかなかよかったです。ミステリーではありませんが、主人公のマイケルがある事件をきっかけに、ホームレスの人達のための無償の弁護士として人生をやりなおす物語ですが、変化していく過程とその人物描写が非常によかったです。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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John Grisham(Feb.5, 1955~)の作品を、また手に取ってしまう。大手法律事務所に勤め、独禁法の業務に携わり、数千万円の年収を得ていた32歳の白人男性弁護士Michael Brockは、医師の妻と暮らしていた。ある日ダイナマイトを体に巻いて拳銃を装備した黒人の男に、事務所で他の弁護士とともに監禁されてしまう。だが結局黒人の男は、警察に頭を撃たれて死んでしまう。ところがこの黒人男性は、合法的に住んでいた倉庫から、違法な手段によって立ち退きにあっていたことをMichaelは知る。そしてこの男性の他にも立ち退きの運命にあった者はいて、中には22歳の未婚の母が4人の子どもとともに、2月の寒空のもと車中泊で凍死した例もあった。 Michaelはこれら不幸な違法な立ち退きに、彼の勤務していた大手法律事務所が加担していたことを知る。そしてMichaelは監禁されたにもかかわらず、数十万ドルの年収を捨てて、人手不足に悩んでいたスラム街の“弁護士事務所”に、年俸3万ドルで雇われることになる。彼は勤務していた法律事務所の不動産担当部署から、違法な立ち退きを行なったことを示す書類を“借りて”、コピーをとった。だが大手法律事務所は、名声の毀損と損害賠償を恐れて、Michaelを追い回す。また大手法律事務所に勤めることによって、給与のみならず、大きなBenefit(特典)が与えられることが描かれ、同じく大手法律事務所に勤めている兄から訪問を受け、「気は確かか」と説得される。 この小説で最も読みごたえのあるのは、不正を問われた大手法律事務所が評判の悪化と巨額の賠償を恐れて、Michaelが所属する小事務所と和解する場面だろう。特に一人当たりの賠償額について大手法律事務所が提示した額を、Michaelたちが吊り上げていく様子は読んでいて頼もしささえ感じる。一方で米国の不法行為法の深さも、描かれている。Grishamはさすが弁護士出身の作家だけあって、こうした場面を幾つも体験しているのだろう。「A Time to Kill」ほど深くはないが、米国の持つ問題を的確に描いている。 | ||||
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最初の事件からバシッとストーリーに惹きつけられて、その後はモルデカイなどの登場人物や、主人公の心の動きに共感しながら、最後まで読めてしまいました。 法律を学ぶなら、精神が大事ですね。 | ||||
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Michael は大手法律事務所で働くエリート弁護士。ある日、ダミーのダイナマイトを体に巻いたホームレスの男が法律事務所を訪れて、強制立ち退きについて抗議を行ないますが、Michaelの目の前で、駆けつけた警官に狙撃されてしまいます。大企業を弁護して巨額の報酬を稼ぎ、事務所に高価な家具が増えていく。そんな働き方に疑問を持つようになったMichaelは、大手法律事務所を離れて、Street People やホームレスのために、働くことを選びます。 撃たれ男は一体、何を主張したかったのか?大手法律事務所による強制立ち退きは合法だったのか?Michaelの運命は? 自分がMichealの立場だったら、ホームレスを救うことよりも、大手法律事務所のパートナーとなれるチャンスや巨額の報酬を選んでしまうかもしれません。 文章がシンプルでストーリーも面白いので英語の学習用として良いと思います。付属のCD-ROMに入っている朗読も素晴らしいです。 | ||||
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グリシャムの初期の作品とは異なるリズムで話が展開します。冒頭だけはスピード感ある流れがあります。その後、社会を見つめるグリシャムの想いが登場人物を通して述べられていきます。Time to Killのような展開を期待される方は、流れのリズムに戸惑うかもしれません。他のレビューを書いた方が指摘するように、初期の頃の作品のように、現実味を無視したようなおもしろさはありません。おもしろさではなく社会への考察が主眼になっています。巻末にグリシャムが書いているように、いろいろな方面でないようについてリサーチして書いたために、ありえないようなことは書いてありません。この本には、ホームレスだけではなく、グリシャムの想いが込められています。友人、家族などに対する考え方もみられます。page-turnerの作品ではなく、ゆっくりと社会について考えさせられる作品です。しかし、今一踏み込んだ感じがありません。 | ||||
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アメリカの訴訟社会を良くも悪くも背負っている弁護士の衝撃的な事件を通じての変化を、息もつかせぬ展開で書ききっている。 アメリカ社会の象徴的な大規模法律事務所、一方でホームレスを助ける法律事務所、離婚、沈滞した公共サービスなど、言葉を費やすことは無いのだが、夫々の場面が天井に張り付いて覗き込んでいるかのようにリアルに迫ってくる。 早く読み進みたいが、読み終えるのが残念という、そんな気持ちを持たせる本だ。 お陰で、通勤電車で降りる駅を、過ごしてしまった。 しかも、面白いだけでなく、社会との係わりや生き方まで考えさせる力も備えた内容だ。 グリシャムの本から離れられなくなりそうだ。 | ||||
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