天国への階段

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種別
長編
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あらすじ

2003年03月31日 天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫)

家業の牧場を騙し取られ、非業の死を遂げた父。将来を誓い合った最愛の女性・亜希子にも裏切られ、孤独と絶望だけを抱え十九歳の夏、上京した柏木圭一は、二十六年の歳月を経て、政財界注目の若き実業家に成り上がった。罪を犯して手に入れた金から財を成した柏木が描く復讐のシナリオとは?大ベストセラーとなったミステリー巨編。(「BOOK」データベースより)

評判

天国への階段の評価:

8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点8.00pt

天国への階段の総合評価:

7.97/10点 レビュー 60件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(8pt)

運命は夜に開かれ、紆余曲折の末に辿り着くのは、やはり愛

上中下巻全1,411ページ。
それまでの白川作品で最長を誇る本書は過去を追いかけ、そして過去に追いかけられる男の物語。白川版『砂の器』とも云うべき大作だ。

これだけのページが割かれるのはそれぞれの登場人物が語るからだ。そう、白川作品の登場人物は語る、饒舌なまでに語る。

時に他者と自分の人生とを重ね合わせてその為人を語る。

または溜めていた思いを一気に吐き出すように語る。

自分の勘と感受性を信じて感じたことを知らせたいと思いに駆られて語る。

刑事は能弁なほどに捜査の過程で自分の直感によって感じた関係者の人物像と心の移り変わり様を説教師のように語る。

命を捧げるとまで部下は社長に心酔し、社長はその思いに応えるためにお互いの小指を傷つけて血の指切りを交わし、来世でも共に歩むことを誓う。

それらは我々の日常生活では少し気恥ずかしさを覚えるほどロマンティックであり、そしてセンチメンタルだ。

それでもこれだけの長さを誇りながらも全く無駄を感じさせない物語の密度の濃さ。
復讐物語であり、かつての恋が再燃する恋愛物語でもあり、そして緻密な捜査に尽力する警察物語でもある。私は本書を読む最中、至福の時を味わった。

まず展開するのは青年時代に恋人と父の牧場を奪われた男柏木圭一の復讐への道のりだ。

共に親が牧場主である柏木圭一と寺島亜木子は常に一緒にいた仲で将来結婚して牧場を支えていくのが当然だと思っていたが、経営難に陥った牧場は寺島牧場が東京の実業家である江成氏の息子達也と娘亜木子を半ば柏木との仲を裂くように政略結婚させ、事業拡大に成功したのに対し、柏木牧場はその寺島牧場に買収され、父親は片隅に追いやられ、やがて亡くなり、柏木は全てを失ってしまう。

柏木は亜木子を奪った江成達也への復讐のために成り上がり、彼の全てを奪おうと画策する。同じ貸しビル業を営む江成興産と自分も政界に同じ選挙区から立候補して議員としての地位の両方を。

やがて物語が進むにつれ、それぞれの登場人物たちの過去が立ち上る。そして誰も彼もが過去に囚われ、今を悔やんでいることが判ってくる。

そして復讐を企てる柏木自身もまた復讐のターゲットになっているのが解ってくる。
彼を復讐の的にしているのは本橋一馬。柏木の会社に入った新人で運転手を務める若者だ。

さて本書のキーワードを挙げると夜と飲み屋、自然、星、そして馬だ。それらは全て作者本人が好きなものなのだろう。

夜が好きなのは後に挙げた飲み屋と星を作者が好むからだ。相場師としての経験がある作者は色んな業界の人間と接し、そして人脈を築いていったことだろう。それには会食、いわば接待というのは必要不可欠だろうし、自身も嫌いではなかったはずだ。

星が好きなのは作者が天文学に興味があるのかは解らない。ただ星に纏わる描写やエピソードが本書にはよく出てくる。これについては後で述べよう。

自然は事あるごとに柏木と亜木子が思いを馳せる故郷北海道の大自然と見習いカメラマンの江成未央が自然の中で生きる動物たちを活写する写真家を夢見ていることが挙げられる。この大いなる自然に対する想いは作者が北京生まれ、即ち大陸生まれである事が関係しているのかもしれない。

そして馬。本書は競馬シーンで幕を開ける。
恐らく作者がギャンブル、とりわけ競馬が好きなことから来ていると思う。短編でも競馬を扱った作品があるくらいだ。

今回の登場人物たちの運命はどれも夜作られている。

特に夜の飲み屋はそれぞれの思いを丸裸にし、そして秘めたる何かが開かれる。

江成未央は自分が出版社に破格のオファーを受けたことを母の亜木子に相談するのは一緒に夕食を食べに行った後に行ったホテルのバーであり、母亜木子もまたそこで逆にその後自分が過去に好きだった男にした仕打ちを打ち明け、そのことを今でも後悔していることを打ち明ける。そしてそこで母娘は父が浮気相手と一緒にいるところに出くわす。

そして夜の飲み屋はそれぞれの運命が切り拓かれる場でもある。
中でも柏木と及川の運命の起点は後に及川の妻となる加代の経営していた「バー花」だ。加代を中心に彼女を慕って集まったホステス達。そこで及川と柏木はある意味その後の人生の岐路に出くわす。

出所した及川が唯一通っていたのが大森のかつて「バー花」のホステスの1人だった織江が切り盛りする一杯飲み屋だった。仕事の終わりに独り酒を飲みに行っていたお店がそこで彼にとって唯一の憩いの場だった。

また先述のように白川作品には星が象徴的に登場する。デビュー作『流星たちの宴』がそのタイトルに星を謳っていること、そして主人公の相場師梨田が再起をかけて立ち上げた会社の名が「群星」だった。

本書では柏木とかつて将来を誓いあいながらも別れることになった亜木子の二人が思いを馳せるのが故郷北海道浦河の牧場の大自然と満天の星空だ。

亜木子は都会の星空が薄いのは地上との繋がりが薄いからよと娘に説き、柏木もまた部下の児玉に浦河の星の光は我々に降り注ぎ静寂をもたらすと呟く。

また本書のキーを握る登場人物の1人、本橋一馬は育て親の及川の置手紙に彼が強い星の下に生れてきた人間だと書かれている。

そして及川と柏木との繋がりを桑田と清水の刑事コンビに気付かせるのも北海道の星だ。及川が弁護士に漏らした北海道の星の美しさに思いを馳せることが捜査の糸口の1つとなっている。

そして柏木と亜木子が将来を誓い合ったのは絵笛の星空だ。
二人であの星の許へ旅立とう、それが二人の天国への階段だと云い、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」のLPを買って歌詞の意味に想像を巡らす。二人育った絵笛で一緒に天国への階段を上ろうと亜木子は誓う。それは亜木子が圭一と一緒になってずっと絵笛で牧場を経営して骨を埋めようと告白した、ある意味プロポーズなのかもしれない。

これだけ夜が象徴的に描かれるのはやはり作者白川氏が夜に生きてきた男だからだろう。そしてそれは即ちビジネスの表と裏をも知り尽くした男でもある。会社経営にも携わってきた作者はビジネスの昼の顔と夜の顔を知っているからこそ書けるのだろう。

例えば本書の主人公柏木圭一を筆頭に、牧場のオーナーも含め、数々の経営者が出てくるが、彼らは決してクリーンな身ではない。酸いも甘いも噛み分けてきた歴戦の強者たちだ。

そんな彼らの成功は一種道理から外れた過去、深い業を背負ってきたことで成り立っているように思える。それらの業が深ければ深いほど成功もまた大きくなる。恰も振り子のように。

また柏木圭一が成り上がっていったのも彼が人脈に恵まれたからだ。
政界の事情通である横矢にW大学時代に偶々同じ食堂にいたことで知り合い、『カシワギ・コーポレーション』の礎となるゲームソフト会社を作った中条、そしてやさぐれていたところを拾った児玉は柏木に絶対の服従を誓う。

つまり白川氏もかつてはそういう人脈に恵まれたからではないか。ビジネスを成すには資金だけでなく、人の繋がりが重要である。だからこそこういう仲間を子細に語ったのだろう。

一方敵役となる刑事の桑田規夫もまた強烈なキャラクターだ。
若かりし頃に及川が犯した強盗殺人事件を担当したことが縁で彼の殺害事件の捜査に自ら志願し、足で稼ぐ地道な捜査で一歩一歩及川の過去の人間関係を露わにし、やがて柏木圭一に辿り着く。銭湯の息子として生まれたが、親が早々と家業を畳んだこともあって警察官になり、捜査畑一筋の定年間近のベテラン刑事だが、一人息子を事故で亡くした暗い過去もある。そしてもしその息子が生きていれば本橋一馬と同い年だということもあり、彼を息子同然に慕う人情派でもある。

この彼の人間に対する眼差しが本書を濃い人間ドラマにしている。

及川が出所後に出した手紙に書かれた「傷ついた葦」という表現に及川が誰かを庇っていると推察する。その誰かこそが及川殺しの鍵を握っているとして執念の捜査を続ける。

彼には犯罪が心の病という信条があり、どんなに科学捜査が発達しても人間の心こそ犯罪を解き明かすカギだと信じて疑わない。従って彼は何度も本橋一馬の許に赴く。赤ちゃんの時に及川の妻加代に抱かれた一馬は彼の中では変わらぬ子であり、そして亡くなった我が子を見るかのように、彼の行く末を按ずる。

そしてその桑田が信じるように本書の物語は人が人によって動かされた悲劇でもあった。

その中でも最たる者は本橋一馬だろう。
この本橋一馬の境遇は何ともやりきれない。

過去を捨て去る人もいれば、過去を懐かしむ人もいる。いや過去を捨て去った人も過去を懐かしむ時がある。

捨て去った過去を懐かしむ時、それは心惑わすことが起きた時だ。
全てを捨てたはずの者が過去に還るのは原点を見つめ、そして新たな気力を奮い立たせるためだ。

一方で人が忘れていた過去を懐かしむ時は、いわば後悔の産物だ。
あの頃は良かったと感慨に耽ると同時にどうしてこうなったんだろうと今を儚む。

それは私もそうだ。
登場人物たちが過去を懐かしむ時、私もまた同様だった。そしてあの時のあの人は今どうしているのかと思いを馳せ、胸に少し痛みを感じた。

そして過去を知ることで憎悪を燃やす者もいる。
本橋一馬の復讐の情念は未央という存在が介在することになると一層燃え上がっていく。

一馬は未央に魅かれていく。そして柏木と逢うときに未央が実に愉しそうにしているのを見て嫉妬に駆られる。

また自身が人生の苦汁を舐めてきただけに白川道氏の小説には復讐譚が多い。

しかしそれらは情念とか怨念といったどす黒い感情をむき出しにした獣のようなそれではなく、やられたからやり返す、いわば筋を通すといった類の芯の通ったそれだ。仁義を通すとでも云おうか。

それは恐らく作者自身の人生経験に裏打ちされた一種の美学から来ているのかもしれない。

しかしその美学はあまりに身勝手だ。それが顕著に本書の主人公柏木圭一に現れている。

この柏木圭一という男はどこか私の肌に合わない感じがした。
裸一貫で会社を立ち上げ、新進気鋭の実業家とまで評され、背が高くて40を超えても若い女性からも魅力を感じ、あまつさえ恋愛感情をも抱かせるその肖像はあまりに理想を描き過ぎだろう。私は佐藤浩市あたりを頭に思い描きながら読んだのだが、それにしても柏木本人も筋が通っているようで女々しさを感じさせるところがどうも他者から見た姿との違和感が拭えなかった。

例えば彼の腹心の児玉は命を擲ってでも柏木を護る、そのためには自らの手を汚すことを厭わないとまで誓い、そして物語の終盤実際に自分が犯した警備員殺人事件が露見しそうになると迷わず夜の海へダイヴし、命を落とすくらいの男なのだが、柏木自身がそれほどの男には見えない。

後はかつて愛した女性亜木子の娘未央との関係だ。
最初は積年の仇である江成達也を破滅させるために、彼女の縁談を破談させるために裏工作をしていたのだが、やがてその芯のある性格と亜木子に似た風貌に興味を抱き、しばしば食事に誘うようになるが、それはもう未央に若い頃の亜木子と同様の恋心を抱いているのと同義だ。
そして母親の亜木子には自分のことを知られたくないのにも関わらず、未央と逢瀬を重ねる矛盾。そして娘の口から母の亜木子が今でも柏木を慕っていることを知り、彼の復讐心は揺れ動く。

正直この柏木の行動は余分だ。
過去の苦汁から「今に見ておれ」と自らを奮い立たせてきたのが、昔の恋人の自分への思いを知ることで揺らぐなどとは企業の経営者としてはあってはならぬことだ。つまり柏木圭一という男はそれまで孤独な境遇に晒されてきただけに自分に関心を持つ人に弱いのだろう。そしてその孤独ゆえに愛に飢えているのだ。
だから情にほだされてしまう。人は論理では割り切れないことを知り、だから彼は人を見て融資するか、もしくは自分の仲間に引き入れるか判断してきた。そしてそれが人を見る目を養ってきたのだが、惚れた女性にかくも弱さを見せる。そして未央に心惹かれていくうちに復讐のためにかつて奪われた牧場を奪い返すことで彼女が哀しむことを悟り、その信念も揺らいでいく。また隠してきた殺人事件を知られることですぐに動揺する。

海千山千の修羅場をくぐってきた肝の据わった男だと思われた柏木もその胆力は実は薄皮一枚だけにしか過ぎなかったことが次第に解ってくる。

そして特に柏木に対して嫌悪感を強くしたのは未央と逢瀬を重ねるところだ。
柏木は未央がかつて結婚を誓い合った女性亜木子の娘であることを知っており、興味本位、いや亜木子への未練から未央に逢いたいと願い、偶然を装って近づく。柏木は未央にかつて愛した若かりし頃の亜木子を見出し、魅かれていく。

更に一馬も未央に魅かれていく。そして柏木から未央を守ろうと決意する。一馬は未央を女性として見つめる。

この何とも云えない恋愛沙汰に私は嫌悪感しか覚えなかった。

さらに未央と逢瀬を重ねることで柏木の復讐への信念に揺るぎが出てくる。彼は牧場を江成から奪うことで彼女と亜木子が哀しむことに今更ながら気付く。そしてそれがやがてかつて父から牧場を奪った寺島浩一郎の自殺を招くに至り、自分のやってきたことの愚かさに気付くのだ。

そう、結局彼は私怨のために周りを利用し、生きてきただけの男だと知る。
そのためにかつて愛した亜木子を捨て、そして東京で知り合った及川を捨て、新開英子と彼女の身体の中に宿した子を捨てた。そして出世のために政治ゴロの横矢と知り合い、彼の娘奈緒子と結婚するが、子供は邪魔だとみなして避妊手術までしながらもその事実を明かさず、単に体裁だけの結婚生活を送る男。

一方で未央を知るに至り、彼女が自分の娘であったら自分はこんな復讐に生きた男にならなかっただろうと零す。
何とも煮え切らない、筋の通らない男だ。

色んな人を、特に女性をないがしろにして今の地位を築いた柏木圭一像が浮かび上がってくるうちに彼に同情できない自分がいた。それが私には残念でならなかった。

一方で英子と及川夫婦の関係の美しさはどうだろうか。
英子は出産が元で自分の命が亡くなることを悟って、加代に一馬を託す。加代もまた死の間際に及川に真実を語って亡くなる。そして及川もまた自分が手紙に一馬の出生の秘密を託して柏木に殺される。

一馬という男をそれぞれが愛おしく思い、重荷を背負わせないように大切に育ててきた、親子愛の伝言ゲーム。
自らの死を悟る時にそれぞれが一馬の真実を託すバトンリレーに真の親としての深い愛情を感じた。

そう、結局愛しかないんだろうな、最後に残るのは。

どんなに相手を憎もうと、復讐の炎を滾らせようと、最終的に残ったのは親子の愛だ。
子供は自分の復讐には足手まといになる存在だと女を捨てた柏木圭一は自分にいないと思っていた子供がいることに気付き、彼らのために犠牲になろうとする。

紆余曲折の末に辿り着くのは愛だけだった。

それは全てを奪った憎き仇、江成達也に対してもそうだった。
柏木はあることを知ると、寧ろそれほどまでに亜木子から愛されてなかった江成に憐れみを覚えてしまう。江成もまた独りぼっちなのだと。

結末も自己陶酔型だ。
柏木圭一、寺島亜木子は確かに悲劇のヒーロー、ヒロインかもしれないが、刑事の桑田が云うように過去事件で色んな人を見てきた彼にとって柏木の舐めた苦渋など取るに足らないものだ。なぜなら彼は成功することができたからだ。

才能も有り、行動力もありながらも成功できない人間はゴマンといる。彼が受けた仕打ちは確かに酷ではあるが、それでも新進気鋭の青年実業家とまで持て囃されるほどになった。

結果良ければ全てよしと云うが、良しとしなかったのが柏木だった。
彼は自分の将来を誓い合った恋人を奪った江成に復讐することを忘れずにその成功を復讐の道具にした。その結果、多くの死が彼の周りに起きた。

最初の死は新開英子だ。彼女は一馬を産んで亡くなった。

次は及川広美だ。

結局過去は過去だと流せずにいた柏木圭一というエゴによって周囲の人間が振り回され、そして死んでいった物語なのだ。

これが白川流ロマンチシズムとでもいうのだろうか。確かに濃密な読書体験だった。
しかしこの自己陶酔振りにやりきれなさが残ってしまった。

自らの信ずる道を進んだ時、そのエゴのために色んなことや人が犠牲になる。本書はかつての自分を柏木圭一に重ねた作者の悔恨の書なのかもしれない。

▼以下、ネタバレ感想

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.59
(5pt)

生まれて初めて、小説を読んで涙を流しました。

この本を知人に薦められたので、書店に行き、本のカバーを見ると、
『一日で読んでしまいました』という感想が出ていたので、面白そうだ
と思い、購入しました。
ところが、最初は、競馬の場面から始まっていて、ラブストーリーとは
程遠い感じで、あまりペースは進まず、100ページ読むのに1週間
位かかってしまいました。しかし、そこからだんだん面白くなり始め、
ペースがどんどん速くなって、下巻は3日で読み終えたので、上下巻
合わせて2週間で読み終えました。その2週間は、本を開いて、その
世界に入っていくのが楽しみで、毎日充実した日々を過ごすことが
出来ました。
この本には、大きなクライマックスが3回あるのですが、その場面に
なると、心臓がドキドキして来て、座ったまま読んでいることができず、
部屋の中をグルグル歩き回りながら読み、溢れ出て来る涙を抑え
ることが出来ませんでした。僕は、映画ではよく泣いてしまうのです
が、小説を読んで泣いたのはこの本が初めてでした。
この本の、他の部分は、このクライマックスに繋げるために書かれた
んだと、その時やっと納得することが出来ました。
何十年隔てても変わらぬ愛って、本当に素晴らしいですね。
そして、決して断つことの出来ない親子の情愛というものに、改めて
納得させられてしまいました。
読者の期待を裏切らないストーリー展開が、見え透いているというの
ではなく、納得させ、安心させてくれる。
昔のお涙頂戴時代劇のようなところもあるけど、水戸黄門の印籠の
ように『待ってました!』という気持ちにさせる、そういう本です。
この本は僕が今までに読んだ本の中で『火車』を凌ぐ最高傑作です
天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344403479
No.58
(5pt)

よい作品だが、結末には少し残念

父親と牧場、そして「天国への階段」を一緒に上ることを約束した最愛の恋人亜木子をも奪われ、失意の元に北海道を後にし、上京した柏木圭一郎。26年の歳月がたち、実業家として財をなした柏木は、彼からすべてを奪った江成への復讐劇を開始する。しかし、心ならずも片棒を担ぐ羽目になった犯罪が原因で、人生の歯車が狂い始めてくる。中巻では家のために自分を捨てた亜木子を26年たっても恨みきれない柏木と、26年間柏木への罪の意識を持ち続けた亜木子が、絵笛で劇的に再会し、下巻に突入する。
下巻では、柏木の復讐の行方と、一方桑田らによる捜査が交互に描かれる。そして、柏木の息子と娘の存在を本人が知ることとなり・・・。
文庫化に伴い、数年ぶりに再読したが、やはりページをめくる手を止めることができず、特に下巻は一気に読み終えてしまった。
しかしながら、本作の結末については賛否両論あるように思う。私自身は、もう少し別の終わり方を期待していた一人である。「傷ついた葦」は「天国の階段」を誰と登ることができるのか。最後の10数ページは、ちょっと力業がすぎないか?もう少しページを割いてもよいし、別の終わり方でもよいのではないか?という意見を私以外にも抱く人はいるのではないだろうか。しかし、このような感想を持つこと自体、本作に引き込まれた証拠かもしれない。いずれにせよ読んで損のない作品である。
天国への階段〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 天国への階段〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344403495
No.57
(5pt)

よい作品だが、結末には少し残念

父親と牧場、そして「天国への階段」を一緒に上ることを約束した最愛の恋人亜木子をも奪われ、失意の元に北海道を後にし、上京した柏木圭一郎。26年の歳月がたち、実業家として財をなした柏木は、彼からすべてを奪った江成への復讐劇を開始する。しかし、心ならずも片棒を担ぐ羽目になった犯罪が原因で、人生の歯車が狂い始めてくる。中巻では家のために自分を捨てた亜木子を26年たっても恨みきれない柏木と、26年間柏木への罪の意識を持ち続けた亜木子が、絵笛で劇的に再会し、下巻に突入する。
下巻では、柏木の復讐の行方と、一方桑田らによる捜査が交互に描かれる。そして、柏木の息子と娘の存在を本人が知ることとなり・・・。
文庫化に伴い、数年ぶりに再読したが、やはりページをめくる手を止めることができず、特に下巻は一気に読み終えてしまった。
しかしながら、本作の結末については賛否両論あるように思う。私自身は、もう少し別の終わり方を期待していた一人である。「傷ついた葦」は「天国の階段」を誰と登ることができるのか。最後の10数ページは、ちょっと力業がすぎないか?もう少しページを割いてもよいし、別の終わり方でもよいのではないか?という意見を私以外にも抱く人はいるのではないだろうか。しかし、このような感想を持つこと自体、本作に引き込まれた証拠かもしれない。いずれにせよ読んで損のない作品である。
天国への階段〈下〉 Amazon書評・レビュー: 天国への階段〈下〉より
4344000560
No.56
(5pt)

筆者の代表作と言われる作品

筆者の代表作と言われている作品ですので、読んでみて駄作のイメージは持たれないかと思います。
初版本を家人と取り合いながら読んだ記憶があります。
ツェッペリン・天国への階段が、終始脳裏で響く作品でした。

すぐに話題となり、ドラマ化が発表された際には相当期待したものですが…。イメージが違いました。
ドラマ化・映画化にはよくある話で、やはり活字に優るもの無しを痛感しました。

筆者の後年作「最も遠い銀河」は、この作品と非常に雰囲気が似ています。そちらを好まれる方にはお勧めです。
「竜の道」もファンが多いみたいですが、そちらとは少し趣が異なりますね。
天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344403479
No.55
(5pt)

筆者の代表作と言われる作品

筆者の代表作と言われている作品ですので、読んでみて駄作のイメージは持たれないかと思います。
初版本を家人と取り合いながら読んだ記憶があります。
ツェッペリン・天国への階段が、終始脳裏で響く作品でした。

すぐに話題となり、ドラマ化が発表された際には相当期待したものですが…。イメージが違いました。
ドラマ化・映画化にはよくある話で、やはり活字に優るもの無しを痛感しました。

筆者の後年作「最も遠い銀河」は、この作品と非常に雰囲気が似ています。そちらを好まれる方にはお勧めです。
「竜の道」もファンが多いみたいですが、そちらとは少し趣が異なりますね。
天国への階段〈上〉 Amazon書評・レビュー: 天国への階段〈上〉より
4344000552

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