KGB上層部に潜むCIAの二重スパイ“パンドラ”―その正体を暴露する鍵となる文書の存在が、ソ連側に発覚した。

〓イギリスに革命の可能性あり〓その分析がソ連書記長の決断を促した。

すべて新訳で、初訳作品も多数収録。オー・ヘンリーが甦った。

サンディはハイスクールに通うごく普通の少女だった。この夏までは。

流れ出した原油が夜の帳のように広がる海岸で、美しい女が鳥の死骸を抱いて泣いていた。女の名はローレル・ラッソ。

1通の書き置きを残し、25年前に姿を消した幻の画家、リチャード、チャントリー。

私立探偵のリュウ・アーチャーは怪しげな人物からの依頼で、失踪した女を捜し始めた。

実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。

アルゼンチンからの奨学生として、オックスフォード大学に留学した「私」は22歳。

舞台は『マクベス』第三幕第三場、バンクォー暗殺の場面にさしかかっていた。刺客の凶刃に倒れるバンクォー。

警察が悩む難事件も、ママにかかっては子供の遊びも同然だった。

ジェイクは半ば呆れていた。今日はディックが駆け落ちをやらかす日。

1940年代、シカゴ。とある路地で、3人の郵便屋が相ついで殺されるという事件が発生した。

一隻のトロール船が嵐の海で重傷を負った男を発見します。

衆人環視の浜辺で女性が絞殺された。目撃者は皆無で証拠も波に洗われ、被害者の身元さえつかめない。

19世紀末ロンドン。テムズ河で水遊びをしていた女学生ハリエットはボートに乗った三人の男と犬を目撃した。

頭部を撃ち抜かれて息絶えた、妻ステファニーの姿。

ダイヤモンド警視は、遺跡の地下で発見された人骨の身元照合に奔走していた。

呼び出しは深夜にきた。

ロンドンのビジネス街にあるささやかな煙草屋の二階に、切手商が間借りしていた。

境遇を越えて友情を育んできた、ショーン、ジミー、デイヴ。

フランス有数の頭脳、スタンガースン博士の住まうグランディエ城の離れで、惨劇は起きた。

老いた提督が水死体で発見された!事故に見えた死は、遺産をめぐる偽装殺人だった。

ビヴァリー・ヒルズの高級住宅地ベル・エア地区で二夜連続の殺人事件が発生―豪邸のプールに浮かんだ第二の被害者は、コロンボの上司、ロス市警副総監の妻だった。

ユーニスは怯えていた。自分の秘密が暴露されることを。

ロンドンの墓地で若い娘の絞殺死体が発見された。聞き込みを重ねても身許が割れず、名前も偽名だった…。

ルームメイトから頼みを受けた丹崎惠が自殺した女子生徒の足跡を調べるうち、学内にカルトめいた集団があり、自殺した女性がそれに関わっていたらしいことを知る。

我利我利亡者の地主、不気味な絵を描く洋画家、弾けなくなった天才ピアニスト、元博徒の顔役、腺病質な少年、書かない少説家…といった人々が住む小島、知る人ぞ知る“変人島”に続発した事件の犯人は?本格仕立ての『変人島風物誌』と、冒頭にプロローグとエピローグを並列し

時を超えて甦る伝承と封じられた怨念――民俗学ミステリー開幕! 民俗学者・蓮丈那智のもとに、教え子の男子学生から届いた一本のビデオ。

”即身仏”に触れたとき、忌まわしき記憶が蘇る――! 東北の山中にある〈供養の五百羅漢〉と呼ばれる謎の石仏群。

魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。

古物、骨董品を専門に扱う旗師・冬狐堂こと宇佐美陶子は、銀座の画廊で見たタペストリーに魅せられ、現金で全作品を買う約束をする。

春先のまだ寒い夜。ひとり息を引き取った、俳人・片岡草魚。

妻の死から一年。警察官の神崎守衛は、遺品の中から手紙を見つける。

ビールの苦みが、心に寄り添う夜がある―― 何度でも味わいたい、極上のミステリー! 若き日の面影を探して街をさまよううち、 カメラマンの有坂祐二はビアバー《香菜里屋》に辿り着く。

出会いはひととき、思い出は永遠。 ビアバー《香菜里屋》からメニューが消えた訳とは。

僕の名は有馬次郎。京都でも指折りの貧乏寺、大悲閣千光寺の寺男だ。

銀座の花師・佐月恭壱のもう一つの顔は絵画修復師。

大物弁護士西垣文雄が横浜の自宅で惨殺された。首や手足はねじ曲げられ、顔は激痛にゆがんでいた。

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い

第二次大戦下のドイツ。

異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。

第一次世界大戦に敗れたドイツ。極端なインフレと共産主義との闘いで混迷するなか、退廃的な文化も爛熟を深めてゆく。

戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。

昭和二十年四月、アメリカ軍が沖縄本島に上陸したとき、安次嶺弥一は十一歳だった。

地蔵坊先生お気に入りのカクテル『さすらい人の夢』の二杯目が空く頃、物語は始まる。

推理作家になるという夢を持つ12歳の秀介は、同級生の優希と虹果て村で夏休みを過ごす。

推理作家の美袋三条は、知人の別荘で出会った佑美子に刹那的に恋をする。

僕は運命を変える。

8歳のクリスマス・イブ、道子の隣家が火事で燃えた。炎の中で踊る奇怪な人影を、再び見たのは娘の真由と同じ夢の中だった。

四人の若者が廃工場に瀕死の男を運び込んできた。その男を“始末”するために。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

真っ赤な朝焼けの中、娘が一陣の風とともに忽然と消えた。居合わせた父親が自身番に捕らえられるが、自ら命を絶ってしまう。

夜な夜な江戸市中に出没する辻斬り「かまいたち」。町医者の娘おようは、夜おそく父を迎えに出て、かまいたちに出会ってしまう。

失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

念願の新居に引っ越した僕たち家族は、いきなり隣家の犬・ミリーの鳴き声に悩まされることになった。

マンションの屋上からの飛び降り、地下鉄への飛び込み、そしてタクシーへの飛び出し。

高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。

星泉、17歳の高校二年生。

ペンション「春風」のオーナー・晶子のもとに、21年前のクリスマスイヴに起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が。

酔いどれ左門は腕が立つ。酒より好きなものは怪談ばなし。

真鍮で作られた檻の中に飾られた真珠の首飾り。世界に二つとない首飾りは、「人魚の涙」と呼ばれ、デパートで展示されていた。

「わたしは、妹を二度殺しました」。金田一耕助が夜半遭遇した夢遊病の女性が、奇怪な遺書を残して自殺を企てた。

「あの島には悪霊がとりついている】額から血膿の吹き出した凄じい形相の男は、そう呟いて息絶えた。

〈病院坂〉と呼ぶほど隆盛を極めた大病院は、昔薄幸の女が縊死した屋敷跡にあった。

夏の軽井沢に殺人事件が起きた。被害者は映画女優鳳三千代の三番目の夫。

殺された女の裸の胸にマジック・インキで不気味な青トカゲが描かれているのを見た金田一耕助。

絶世の美女、源頼朝の後裔と称する大道寺智子が伊豆沖の小島・月琴島から、東京の父のもとにひきとられた十八歳の誕生日以来、男達が次々と殺される！　開かずの間の秘密とは…？（大坪直行）

長野県下の湖畔の町、射水で両大関といわれる名家の玉造家と矢部家とは先祖代々に亘る仇敵の間柄であった。

毒殺事件の容疑者椿元子爵が失踪して以来、椿家に次々と惨劇が起こる。自殺他殺を交え七人の命が奪われた。

陸軍刑法の裁きのもと、故国を遠く離れた戦場で、弁護人もないままに一方的に軍律違反者として処刑されていった兵士があった。

筑豊の廃坑の村。

私立探偵の真木は、実業家・磯村の依頼を受けて、十九歳の劇団研究生・乃里子の行方を捜し始めた。

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。

子供の頃から辞典を作るのが夢でした。今もまだ、夢のままです…。

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。

顔に白頭巾をかぶってひたすらワープロを打ち続ける男。

青葉ヶ丘中学3年A組―悪魔のようなこのクラスを、担任教師が名づけて「沈黙の教室」。

武蔵野の雑木林でデート中の男女が殺人事件に遭遇。瀕死の被害者は「テン」と呟いて息を引き取った。

スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へある日長文の手紙が届く。

蕗屋清一郎が下宿屋をいとなむ老婆を絞殺した。老婆がためていた大金をねらって…。

魚津へ蜃気楼を観に行った帰りの汽車の中、二等車内には「私」ともう一人、古臭い紳士の格好をした60歳とも40歳ともつかぬ男しかいなかった。

売れないもの書きの廣介は、極貧生活ながら、独特の理想郷を夢想し続けていた。

推理小説マニアの大学生・曳間が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。

ささやかだが平穏な暮らしが、その日、失われた。怪しい男たちが訪れた時刻から。

中国に渡って十五年、破産した紅真吾は、危機から救った大手商社の支店長・沢井から、儲け話に誘われる。

山間の温泉町へ向かった列車から八人の乗客が消えた。

CIAの『伝書鳩』とともに、父の仇である『リヴィエラ』を追っていたジャック。複雑怪奇な諜報機関の合従連衡。

ホステス殺害事件を追う合田雄一郎は、電車飛び込み事故に遭遇、轢死した女とホームで掴み合っていた男の妻・佐野美保子に一目惚れする。

「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。

昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。

原発技術者だったかつて、極秘情報をソヴィエトに流していた島田。

「私を誘拐してください」小宮山佐緒理は潤んだ瞳で俺の手を握りしめた―。

鹿児島の遙か沖の孤島、屍島に六人の男女が降り立った。彼らは都内で爆弾テロを行なった四人の実行犯と二人の幹部だった。