収集家として知られるシカゴの大富豪メリウェザーは、ある日訪れた東洋帰りの男から、チベットの秘伝書を買い取った。

元海兵隊員の父を誇りに、カール・ウェブスターは、早撃ち名手の連邦執行官になった。

十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。

石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。

十和田への帰郷を楽しみにしていた奥田は、なぜ殺されたのか?彼を慕うスナックのママ・明子は、奥田が乗るはずだった「はやて13号」で、青森に向かった。

火曜日の深更、独り暮らしの娘を絞殺し屍体の一部を持ち去る。

十津川警部は帰宅途中を襲われ、不覚にも誘拐されてしまう。彼が気付いたときには、不可思議な島にいた。

女の名はフィービ・ウィチャリー。二十一歳。

前集に引きつづきソーンダイク博士の活躍する、倒叙ものと謎解きもの。法医学探偵の面目を伝える秀作群。

弁護士クリスにテレビ・インタビュアーのメアリから電話が入った。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

鉄砲にかけては百発百中の名手稲富治介は風采のあがらない無骨者のため細川忠興・ガラシア夫妻にうとまれ出陣の機会も与えられず不愚の一生を終えた。

1930年代の英国。バーフォード伯爵家の荘園屋敷に、テキサスの大富豪、大公国の特使、英海軍少佐など豪華な顔ぶれが集まる。

刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。

深夜の稲村家。女は夫に火を放とうとしている。

犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。

不慮の死を遂げた夫のポケットベルへ、ひたすらメッセージを送信し続ける女。

『陰の季節』の「黒い線」で、心に深い傷を負った平野瑞穂。

人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。

走った。ひたすらに走りつづけた。

単身でギリシャに赴任した悟に、一方的に離婚を切り出した妻の奈美子。

あの夏の夜のことは忘れられない。挑発され、怒りに駆られてナイフを握った。

病院長の孫娘が誘拐された。犯人からは、人質の黒髪と、前代未聞の要求が突きつけられる。

ロサンゼルスの日系企業で働く探偵のサム永岡は、一人の若者を探すように命じられた。

日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。

地震で津波が発生し、警報が遅れる事故が起こった。

公正取引委員会の審査官伊田は汚職の嫌疑をかけられた。何者の策略に嵌り事件に巻き込まれたのだ。

ヨーロッパの原子力発電所の事故による放射能汚染食品が、検査をすり抜けて日本国内に輸入されていた。

人気球団オリオールズの投手・沢村。

侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

史上初の推理小説「モルグ街の殺人」。

推理作家ミセス・オリヴァが名づけ親になったシリヤの結婚のことで、彼女は先方の母親から奇妙な謎を押しつけられた。

大晦日、京都・八坂神社。おけら詣りで賑わう境内で、晴着姿の若い女性が破魔矢で胸を突かれ殺された。

作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。

夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。

情報部からナチの大物スパイ“NとM”の正体を秘密裡に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で任地へと赴いた。

無政府主義者の秘密結社を支配している、委員長〈日曜日〉の峻烈きわまりない意志。

割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。

松山地検庁舎の怪火で事務官が焼死、事故として処理された。

新進の考古学者・高須通子は、石造物の調査のために訪れた奈良で、殺傷事件に巻きこまれた海津信六を助ける。

熱烈な清張ファンを自任する作家が一人で全巻を編集するいま最高に面白い小説選集。政治的謀略か、狂気による被害妄想か。

石油部門への進出を焦って熾烈な国際商戦の渦に巻き込まれ、倒産するにいたった巨大総合商社。

7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。

雨の港で海中へ転落した車。妻は助かり、夫は死んだ―。

遠沢加須子は、夫の遺した中部光学というレンズ製造会社を諏訪で経営している。

「あれの処理はまかせるよ」──言い遺して次期首相候補の秘書が死んだ。

小さな出版社を経営する紺野美也子は、ベストセラーをねらって大流行作家に近づき、その魅力で書下ろし小説を依頼する。

軽井沢で殺された外国婦人はマレーシアの密林に消えたタイ・シルク王の妹だった。熱帯蝶の標本が二つの事件を結ぶ。

「妹の面倒を見てやって」その言葉を残し妻は死んだ。残されたポールは、妻の最後の頼みに応えようとする。

いつものバーで、いつものように酒を呑んでいた「俺」は、見知らぬ女から、電話で奇妙な依頼を受けた。

ちんぴらに袋叩きにされて、“俺”は入院した。そこで偶然、病院の付添婦をしている昔の恋人と再会。

過去を隠し、人目を避けて山奥で暮らす榊原健三の許に、かつての暴力団仲間が現れた。

八年前、卑劣な罠で新聞記者を追われた畝原は、以来探偵として一人娘の冴香を養ってきた。

私立探偵・畝原の受けた依頼は、些細なマンションの苦情だった。

ごくありふれた浮気調査のはずだった。私立探偵・畝原の許へ現れた女は、夫の浮気現場の撮影を依頼してきた。

私立探偵・畝原は、足許に突然縋りついてきた少女に驚きを隠せなかった。彼女は血塗れで、体中が傷ついていたのだ―。

タフでもなければクールでもない。しかし、そうなろうとあがいている少年の物語。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

人は皆、警察までもが、河辺遼吉は浮気の果てに心中したと断定した。

早朝の鳥取砂丘に突き出た“足”。マネキンかと思われたその足は女性のものだった。

京都、本廟寺。親鸞聖人直系で厖大な信徒数をほこるこの名刹で、時期教王の座をめぐる骨肉の争いがおこっていた。

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき―百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸太夫が詠んだ歌に秘められた謎。

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。

密室で夫人が自殺して以来、奇怪な噂の絶えないダーンリーの屋敷。

ロンドンから70マイル。ここ田舎町のデントンでは、もうクリスマスだというのに大小様々な難問が持ちあがる。

ロンドンの住宅街の一角で、浮浪者が餓死しているのが発見された。

自殺を図り奇跡的に助かったらしい写真家の女性は、昏睡から目醒めたとき過去数日間の記憶をなくしていた。

資産家の老婦人、マチルダ・ギレスピーは、血で濁った浴槽に横たわって死んでいた。

母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。

どしゃ降りの雨の夜。

クロックフォード―どこにでもありそうな平和で平凡な町。

雪道の自動車事故で半身不随になった流行作家のポール・シェルダン。

まがいものの“神”になってしまったジョンの苦悩は続いた。

精神科医コンラッドは殺人罪で起訴された少女エリザベスを看ることになった。

新年を迎えたシェトランド島。孤独な老人を夜に訪れた黒髪の少女は、四日後の朝、雪原で死んでいた。

ロースクールで学ぶ女子大生ダービー・ショウ。

ワインの銘柄を当てる大博打の結末は? 夫殺しの凶器の行方は? ラスト一行に襲いかかるショックとは? 常軌を逸した賭けの行方や常識人に突然忍び寄る非常識な出来事など、短篇の名手が残酷かつ繊細に描く11篇を、すべて新訳で収録! 出版社からのコメント 名作

「あんた、あいつに瓜二つだ」飲んだくれの役者ロディングがロンドンの街頭で出逢った孤児のファラー。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。

生彩に富む筆致が興趣をかきたてる贋作ホームズ物の第三短編集!古代遺跡に怪異な物語が展開する「アドルトンの悲劇」、ヨーロッパを股にかけた知能犯との対決「モウペルトイスの醜聞」、そして集中の白眉「スミス‐モーティマーの相続」では、ホームズが推理の才を遺憾なく発

好評を得た『シャーロック・ホームズの秘密ファイル』につづいて気鋭の女流が贈る、正調贋作第二弾。

伯母が生きている限り、ぼくは厭うべきこの土地からも、専横的な伯母からも、離れることはできない―。