ハルビン・カフェ
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点9.00pt |
ハルビン・カフェの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
多彩な登場人物。誰が死に誰が生き残るのか先の読めない展開。重厚なそしてリアルに機知に富み視点の確かさを示す美しい文章。一人のモンスターと云える恐ろしい男。その陰の男を追い詰めていく特命チームのわずか六人の刑事。銃撃戦の描写や各人の思惑をリアルに生きた言葉で語り展開していくストーリー。面白かった。純粋に面白かった。こんな確かな文章で語られる物語は最近では久しぶりだった。それぞれの視点で語られるストーリーと動きがリンクしていきクライマックスに至る。男も女もそれぞれの人生を生きた。最後の静かな余韻のような出来事にも心惹かれる。汚れた英雄と執念の男。壮大なロマンさえ感じる物語だった。 | ||||
| ||||
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この物語の登場人物によるプロローグの後、齢6歳の少女が春をひさぐ吐き気を催す哀しい情景から物語がスタートします。 エンターテイメントの枠を超えた密度の濃さと複雑に絡み合ったプロットにしばしばページをめくる手が重くなりましたが、 外国人移民の町で頻発する「警官殺し」と警官による報復テロルという体裁をまとった移民社会への警鐘小説と捉えることは穿ち過ぎでしょうか、それともとんでもなく的外れか。 シナ人や朝鮮人ロシア人、東南アジア他からの不良外国人移民、不法入国者が我が物顔で闊歩し治安を乱し麻薬や銃器が蔓延するような国にしてはならない、 という当たり前の発言がヘイトとされる当たり前でない現在の日本。 舞台となった新興都市名が本文中に登場する度に、西川口が例とは言いませんが外国人移民がコロニーを形成し日本文化を蔑ろにし日本を食い物にする危惧が絶えずオーバーラップして困りました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
錯綜する登場人物によって複雑になりながらも、すっきり解決。映画化したら見たいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冒頭、本書は物語ではなく記録だという記述がある。つまり、類型、形式、および時系列に沿った「筋」を顧みないという宣言である。結果として、読者はページを行きつ戻りつしながら時間と人間関係の相関図を立体的に構成していくこととなり、点と点が繋がる快感を得られるのである。 フィクションの作者なら誰もが一度は抱くであろう夢想。自らの分身を主人公として、やりたい放題させてみる。 その主人公はどんな人間なのか。 "大胆さ。細心さ。人間観察力。計画立案力。冷酷な実行能力""信念さえある。信念がないんじゃなくて、信念はあるんだ。そして孤独だ。" その男の行動原理を想像してみる。 無自覚に先例をなぞるだけであれば、自由意志の存在意義はなくなる。苦悩の果ての選択が正しいとも限らない。留保の割り切れなさに耐え、決断への誘惑を回避することだけが決定論への抵抗となり得るのか。 男の結論は裏切り続けるという戦略であった。 陰謀こそ我が人生。"夢は見ない"。建築家のように設計する。 教訓を学ばぬ者、正義を振りかざす者、操られる者の眼に人形遣いの姿は映らない。 外形的な顛末の裏側に事件の実体が隠されている。不運な災厄の背後に神の悪意が潜んでいるように。 随所に見られる映像と音響の印象的な描写が臨場感を高める。クライマックスの市街戦をドラマチックに盛り上げる。 シビレル。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物や組織が多く、それぞれの思惑が入り乱れており、この人物がどういう思惑で動いているのか理解して話を追っていくのが難しい。というか初読で理解しきるのは不可能ではなかろうか。概略は理解したつもりだけれど、著者の意図を汲み取れたかはあやしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「あなたのような人間は存在します」 「そう言われると、なんとも反応に困る」 「理解を示すつもりは毛頭ありません」 「当然だ」 この小説は、あらすじに出てくるテロ組織「P」をめぐる一連の事件の記録である。多くの読書が言っておられるように非常に複雑で、多人数視点での描写もあって概要をつかむのは難しい。だが魅力を感じる人ならば、何度でも読み返せる至高の一冊になりうる。私自身、一読目は「なぜか凄まじくおもしろい」。二読目で時系列、人物をすべて把握でき、「やはりおもしろい」。三読目で「何回読んでもおもしろい」となった。ちなみに四度以上は数えていない。 この小説に入れ込むかの分かれ目は、「P]をめぐる事件の中心に位置する、ある個人への興味につきると思う。 上記のやりとりは、その人物と、もう一人の登場人物との会話である その人間の行動は一言でいって「悪」である。個人の欲望を隠さず、あらゆる人間を裏切り、あらゆる組織を操り、裏切っている。だがその知性と手腕は多くの登場人物を惹きつけ、すべての悪を知る読者をも惹きつけてやまない。 その人間の内面は最後まで描写されない。その欲のかたち、動機を想像しても、自身が的外れなコメンテーターになったかのような違和感がつきまとう。だがその人物に惹かれる。 カリスマというものはこういうものか、と思う。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 19件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|