されど修羅ゆく君は



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初公開日(参考)1996年04月
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長編小説

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されど修羅ゆく君は (徳間文庫)

2000年03月01日 されど修羅ゆく君は (徳間文庫)

姫子は十三歳。登校拒否の中学二年生。首吊り自殺のために入った山奥で偶然出会った男・阪本が殺人容疑者と知ったことから、事件に巻き込まれる。というより、彼に惚れてしまったのだ。ライバルは多い。公園に全裸死体で放置された女デザイナー、六十歳で元結婚詐欺師の探偵・ウネ子、とくにお婆は好敵手。恋も事件もねじれ、もつれ、姫子にも魔手が…。絶品の語り口調。ミステリーの枠を超えた傑作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

されど修羅ゆく君はの総合評価:6.63/10点レビュー 8件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

女の闘いは修羅の道?

打海文三氏は今はもう亡き作家だ。2002年に発表した『ハルビン・カフェ』で注目され、その後『裸者と裸者』に始まる近未来の日本での戦争を描いた『応化戦争記シリーズ』で将来を嘱望されたが2007年に心筋梗塞で夭折。まだ59歳という若さだったから、これはやはり不遇ということになるだろう。

彼の小説はなかなか文庫化にならず、デビュー作で横溝正史ミステリ大賞を受賞してから3作発表したが、初めて文庫化されたのが5作目の本書だった。
なおデビュー作の『灰姫 鏡の国のスパイ』は文庫化されていない。

デビュー作は題名から国際問題を題材にしたエスピオナージュのようなものを得意とする作家かなと想像したが本書は所謂プライヴェート・アイ小説。この作家独自の味付けがされている。

まず鈴木ウネ子(どうやら本名ではないらしい)は60過ぎの元結婚詐欺師という経歴を持つ女探偵。いつも男に飢えているが仕事はデキる。
探偵仲間の野崎は元警官で背の低さと容姿にコンプレックスを抱いているが心に獣を飼っている男。
彼らが追うのは元巡査で元探偵だった阪本尚人。人の人生に関らずにはいられず、仕事と私生活の境界線を引くことが出来ない不器用な男。
そしてもう1人の探偵が13歳の登校拒否児、戸川姫子だ。物語は渋谷の公園で見つかった全裸死体に阪本が関っていることが解り、彼を警察、鈴木ウネ子と野崎、戸川姫子の3組が阪本を巡って奔走するといったもの。

しかしこれは単なる人探しの探偵物語ではない。

これは女の戦いの物語である。

渋谷の公園で見つかった全裸の女性死体の事件に隠された警察の犯罪を描いたこの作品は実は阪本尚人という男を軸にした女同士の激しい戦いなのだ。

戦闘に立つ女性は4人。本書の主人公13歳の戸川姫子は登校拒否児であるが既に精神は大人であり、大人に同等に渡り合う知恵を備えている。

そして阪本の探偵仲間の鈴木ウネ子。

そして被害者の南志保。かつて自分の妹を殺された犯人が阪本の命令を逸脱した行為によって引き起こされたものと思い、糾弾していたがそのうちに阪本に惚れ、同棲していた女。

そして最後は高木伊織。キャリアで阪本の元上司だが、周囲と違う雰囲気を備えた巡査の阪本に惚れ、南志保と三角関係に陥ってしまう。

そう彼女たちの中心に位置する阪本尚人という男は冷めた顔に愛くるしい笑顔が似合うが、一旦仕事でも自分の人生に関ればその後の生き様まで目を見晴らせ、道を誤っていれば更正を促すという、いまどき珍しいほど情に厚い男。警官だったが上に書いた命令違反行為によって懲戒免職になり、その後探偵に身をやつし、その生活に疲れ、山梨の山奥で農家を始めて隠遁生活を送るようになった、一風変わった男。
彼がこの4人に嵐を生み出し、人が死ぬまでになった、いわば災厄の男なのだ。

つまりこれは追われる者阪本が現代版光源氏ともいうべき、出会う女がどうしても恋に、いや欲望に駆られざるを得ないようなフェロモンを漂わせている男なのだ。彼を追う警察の動機はもちろん警察上層部が女性刺殺事件に関った事実のもみ消しだが、他の女性たちはそんな利害よりも阪本という男を我が物にしたいと焦がれる欲望で突っ走っているようだ。
このプロットを可能にしたのが打海氏の設定の妙だろう。前述の姫子とウネ子は割愛するとして被害者の南志保は阪本が警官時代のミスがもとで妹を失い、阪本を社会的に抹殺しようと恨みを募らせていたが、いつの間にか阪本に惹かれてしまうし、高木伊織にいたっては阪本のかつての上司。このキャリアの警官が30代前半の女性だったという設定は他に見たことがなく、意外に盲点で感心した。

しかし本書に出てくる女性は老いも若きも互いの相手を年下、年増と侮らず同等の女性として扱っているのに感心する。特にウネ子の姫子に対する眼差しが温かく、清々しい。いいライバルとして機能していて読んでいて気持ちよかった。

傑作とまではいかないが読後感に一迅の涼風が吹く好編だ。

しかしもう少し題名はどうにかならなかったかなぁ。この題名から想像するのはすさまじいまでの撃合いとか暴力と血の物語だ。
先入観で読むのはいけないことだが、題名のつけ方も逆に云えば読者に先入観を与えるのだから大事なものだ。
もはや新作が読むことの出来ない作家だから、この声は届かないが、遺された作品に期待しよう。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.7:
(3pt)

普通

普通でした。
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4198604894
No.6:
(3pt)

伊坂幸太郎さんのエッセイを読んで購入しました

ちょっと不思議な打海さん独特の雰囲気があります。
猟奇的な部分もあるので、それが大丈夫なひとなら面白く読めると思います
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4198604894
No.5:
(1pt)

昭和の火サス

登場人物達にほとんど共感出来ずじまいだった。
描かれている行動原理も価値観も感情もモラルも、あまりに劇場型すぎて、安っぽい三文芝居のよう。

何というか、昭和の火サス的なのだ。セリフも、内面の描写も。

ラストシーンまでがなんというか、、、岩崎宏美の曲とともにエンドロールが始まりそうな昭和感。
狙ってんのかと思って吹き出しそうになった。

解説の池山冬樹も大概だ。ヒトが山ほど救いようもない死に方しているのに、『気持ちがやわらかくなる、実にいい小説だ』って。。。
この世代の価値観ではそうなのか?
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No.4:
(4pt)

子供から大人への複雑な感情

年齢層の広い登場人物であり、子供なのか大人なのか複雑な感情が絡み合いまた、お互いを思いやる気持ち、揺れ動く恋心また、親の感情だったり犯人にたどり着く、まわりの人間の感情がとても面白く素直に表現されていて面白かったです。
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No.3:
(4pt)

子供から大人への複雑な感情

年齢層の広い登場人物であり、子供なのか大人なのか複雑な感情が絡み合い
また、お互いを思いやる気持ち、揺れ動く恋心
また、親の感情だったり犯人にたどり着く、まわりの人間の感情がとても面白く
素直に表現されていて面白かったです。
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