オリンピックの身代金



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初公開日(参考)2008年11月
分類

長編小説

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オリンピックの身代金

2008年11月28日 オリンピックの身代金

昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていない。そんな気運が高まるなか、警察を狙った爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた!しかし、この事件は国民に知らされることがなかった。警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。「昭和」が最も熱を帯びていた時代を、圧倒的スケールと緻密な描写で描ききる、エンタテインメント巨編。 (「BOOK」データベースより)




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オリンピックの身代金の総合評価:8.27/10点レビュー 188件。Aランク


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No.10:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

オリンピックの身代金の感想

奥田英朗お得意の群像劇。
上下巻のボリュームながらも中だるみは一切ない。
冒頭から全てのチャプターに意味がある。
話の構成は上手いですね。
エンタメ小説としてはかなり面白い部類に入るが、
ページをめくる手が止まらないとまではいかない印象。
基本的に登場人物は皆魅力的なのでそこも私好みであった。

▼以下、ネタバレ感想

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マビノギオン
ETOPY8N1
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オリンピックの身代金の感想

まさに日本の高度経済成長期の頃のお話。
特に東京オリンピックが開催され、東海道新幹線開通した昭和39年は、この時代の輝かしいシンボル的な1年であったであろう。
本書は、その成長期の光と影に焦点を当てた長編社会派エンターテイメント小説という位置づけが適切だ。
原稿用紙1400枚ということだから、相当なボリュームがある。しかし単純な社会派小説ではないので全く重苦しくない。それどころか、エンタメ感満載で気楽にサクサク読める。
さらに、この時代の懐かしい世相もタップリ盛り込まれ、思わず笑いがこぼれる。この著者は、「罪の轍」でも感じたけど、この時代を非常に上手に描き切っているように思える。
調べたところ奥田氏は1959年生まれということだから、東京オリンピック開催年の1964年の時は5歳児であったわけで、結構研究されたんでしょうね。それに心理描写も上手だし、お見事ですね。

しかしこう書いてしまうと、なんだかお気軽エンタメ娯楽作品のようになってしまうけど、実際はとても哀しいお話です。

▼以下、ネタバレ感想

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マッチマッチ
L6YVSIUN
No.8:
(7pt)

オリンピックの身代金の感想

昭和39年、戦後復興の象徴ともいうべき東京オリンピック開催時が舞台のサスペンス。
犯人、警察、犯人の知人という三視点で描かれますが、
読者の大半は島崎国男視点で物語を読み進めることになると思います。
時代背景こそ昭和39年(1964年)という設定ですが、
描かれている格差社会の状況が現代にも通ずる部分があり違和感なく読み進めることができました。
2020年に56年ぶりに東京オリンピックが開催されることもあり、
今後の日本の在り方を考えさせられる良い物語だと思いました。

歌舞伎蝶
LMC3R9P9
No.7:
(9pt)

オリンピックの身代金の感想

復興日本の背景がこの本を通じて少し理解できたかな。
島崎の実直さゆえの行動と、裏社会を知り尽くす村田のコンビは最高ですね。

kmak
0RVCT7SX
No.6:
(8pt)

1964年と2020年、何にも変わってない?

2008年に単行本が刊行され、吉川英治文学賞を受賞した、奥田英朗の代表作。昭和39年の東京オリンピックを題材に、当時の社会状況をサスペンスに表現した傑作エンターテイメントである。
昭和39年(1964年)夏、アジア初のオリンピックを開催し、敗戦国から一等国に成り上がろうとする日本の首都東京。次々と建設される競技場や高速道路、新幹線などに、日本人は感動し、うきうきした気分で沸き上がっていた。しかしその裏には、人権も人格も無視して奴隷か牛馬のように働かされている地方からの出稼ぎ労働者の大群が隠されていた。そんな出稼ぎ者の一人がヒロポンで死亡し、種違いの弟で東大大学院生の島崎国男は遺骨を引き取り、葬儀のために故郷に帰ることになった。そこで見た現実は、東京の復活とは全く無縁の、敗戦時から一つも変わっていない貧困な故郷の姿だった。東京と故郷の格差に打ちのめされた島崎は、オリンピックを人質に国家権力から身代金を奪う計画を立てた・・・。
スケールの大きな計画犯罪なのに、島崎には思的な主張も金銭欲も名誉欲もなく、淡々と計画を実行して行くところがアナーキーでサスペンスフルである。政治的な主張を掲げるテロリストであれば、その主張に対する賛否があり、好悪が生まれてくるのだが、島崎国男の場合はすべてが虚無の塊のようで、物語の主人公でありながらキャラクターに対する共感や反発が生まれて来ない。ただひたすら、犯罪計画が実行されるプロセスのタイムリミットのサスペンスで読者を引っ張って行く。
当時の時代状況を物語るエピソードがノンフィクションのようなリアリティをもってちりばめられているのも、社会派ミステリーとして成功している。貧困と格差を抑圧した「繁栄の神話としてのオリンピック」という構図は、2020年もまったく同じではないのだろうか?
社会派ミステリーファンには絶対のオススメだ。

iisan
927253Y1
No.5:
(8pt)

オリンピックの身代金の感想

主に3人の視点で進みますが、時間軸が前後しており当初は戸惑います。慣れてくると、犯行後とその背景を交互に進める事で、犯人、刑事両方の側に感情移入出来た様な気がします。
前半は当時の東北の貧しさを、中盤は犯人が事件を起こすに至る経緯を、後半はクライマックスへどんどんエスカレートする様を描いています。
かなり面白かったので、ぜひおススメします。少し有る不満はネタバレにて。

▼以下、ネタバレ感想

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なおひろ
R1UV05YV
No.4:
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

オリンピックの身代金の感想

以前読んだ『サウスバウンド』がとても面白くユーモアがあったので、そう言うところもあるのかな?と思って読んだのですが、めちゃくちゃシリアスで切ない話でした。
映画の『三丁目の夕日』なんかを見ると、夢と希望があるれるまさにオリンピックの年の東京、一方で復興からは縁遠く忘れ去られたかのような地方の過疎の村。
東北の田舎では小作農家は長男も含めて出稼ぎに行かなければ食べていけない現実があって、その出稼ぎ労働者達の過酷な現場での労働の上に、なりたってきた富と繁栄。
主人公がそんな現実を理不尽に感じていった過程がよくわかります。

それにしても日本人の気質をすごく旨く表現してるなあと感じました。学生運動なんて叫んでいるだけだと感じる村田の言葉が一番ずっしりと響きました。
主人公の島崎より、村田の方に共感できる気がしました。
ただミステリーとしては偶然が重なりすぎているきらいがありますが、あの時代の雰囲気が手に取るようにわかりました。

ただ時代が変った今でも支配する側と搾取される側の構図は、何も変っていない気がします・・・。

たこやき
VQDQXTP1
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

オリンピックイヤーですね

昭和39年。東京オリンピックに沸く日本。オリンピックを無事開催させることに心血を注ぐ警察と、その警察に一泡ふかせるべく、開催を妨害しようとする学生。その闘いがみごとに描かれています。
この作品のいいところは、当時の世相・文化などがさりげなく織り込まれてまるでノンフィクションとおもってしまうようなリアリティーがあること。当時流行ったモノや人気のあった有名人などが実名で出てくるとドキュメンタリーのような様相も伺えます。また、華やかな舞台の裏側で支えている下請け労働者の悲哀・格差社会の問題点も浮き彫りにされています。
時系列で物語が進むのですが、その日付が章ごとに前後していて読み進めるのにやや注意深さを要するのと、最後の場面は警察側だけではなく、島崎側からの視線でも描いてほしかった気がします。
いずれにせよ、オリンピックイヤーの最初を飾るのに最適な小説でした。

余談ながら。次回の東京オリンピックの誘致がちょくちょく取り上げられますが、この小説にもチラッと出てくるように、開催の間隔は100年に一度位でちょうどいいと思います。

本好き!
ZQI5NTBU
No.2:
(7pt)

いい作品に身を委ねられたと思います。

奥田さんの世界観は伊良部シリーズのみだったので、こんなものも書けるのかと興味を持ち読み始めました。主人公の島崎に共感ができないとの話しも聞きましたが、確かにその印象があります。事件の動機が、あ、結局それなんだ…と少し残念に思った点です。この時代っぽくないヒトということで盛り上がってしまうのですが、動機は感情移入しにくかったかな?ですが途中から、ん、実は島崎は主人公じゃないの?という見方にシフトチェンジしました。そう考えるとすんなりいくような…。その他、2つの時系列の少しズラした描き方や、時代を配慮した細かさは見事です。どこまで本当?天気とか調べてんのかなあ、など。結果、とても面白いです。いい作品に身を委ねられたと思います。エンターテイメント作品としてお薦めします。

ebis103
LYGER7MN
No.1:
(3pt)

この小説に何を思えばいいのか

この本は個人的には好みではなかった。
話にスピード感がないし、何より主人公(オリンピックを妨害する犯人)に全く同感できない。
主人公の様は読んでいてイラついて本を投げたくなるような場面が多い。

腹違いの兄が出稼先で死んで、東大生でありながら同じ出稼ぎ労働をし、言われるまま色々と体験し、
国を相手に強請るのだが、行き当たりばったりで運よく警察から逃れ挙句の果てに覚せい剤中毒になり・・・。

戦後の日本においてオリンピックという一大イベントにおいて、地方と東京の貧富の差やオリンピックを成功させるために人権を無視した労働をさせた事について、考えるきっかけになったのはプラスなのかもしれないけど。
発展途上国で行われるオリンピックは少なからず貧困者の出稼ぎによる犠牲の上になりたっている事なのか?

社会について色々考えるには読んで良いかもしれません。

タカタソン
HU0OGV5Q
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