兇眼
- 身元不明 (119)
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本書は『時には懺悔を』で活躍した探偵会社アーバンリサーチの面々が再び登場するシリーズ第2作だが、彼らは脇役に回っていて、今回は過去に傷を持つ一人の男とその男に興味を持ったノンフィクションライターの女が主人公となっている。いや、もしかしたら主人公(たち)は、大人社会に叛乱を起こし、自らの「共和国」を築こうとした子どもたちかもしれない。どうやら著者はこうした子どもたちの叛乱劇に相当肩入れしているようだ。 最新作『裸者と裸者』でも近未来の日本に子どもだけの軍隊が現れている。(その上巻のサブタイトルは「孤児部隊の世界永久戦争」である。) この世界を救済するのは弱者やはぐれ者とされている人々であり、子供たちなのだと言わんばかりだ。 著者は短いセンテンスと乾いて簡潔な文章という、ハードボイルド探偵小説のフレームを借りながら、実は子どもたちが主役なのだという独自の小説世界を造形している。 | ||||
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打海さんの作品は「ピリオド」から読み始めて、ほとんど読み、最近資金的に余裕が出てきて、文庫化もされたので一気に買い集めました。どの作品も好きではありますが、全作品の中でこの作品は最もストーリーが破綻している作品だと思います。前半のほうでカルト教団が残した五億数千万の資金に暴力団が絡んでくる、いかにもハードボイルドな設定が出てきますが、後半ではそれらは影を潜め、教団の集団自殺で遺された子どもたちの話へ移っていきます。ハードボイルドを求めている人は、その時点で何だこれ?と思うでしょう。始めのほうにでてくる女性記者も後半では全く活躍しなくなりますし、前半と後半で書かれているテーマ自体が変わったといっても過言ではありません。しかし絶賛されている「裸者と裸者」が、この作品と同じ年頃、親がいないという同じ境遇の子どもたちを描いているということを考えれば、この作品を通して「裸者と裸者」が生み出されたとも言えます。そういう意味では作者にとっては意義のある破綻だったのだと思います。ただし打海さんが好きでない人にはお勧めしません。特に「一九七二年のレイニー・ラウ」や他の打海作品を親しんでから読んだほうがいいと思います。 | ||||
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