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ハルビン・カフェ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ハルビン・カフェ
ハルビン・カフェ (角川文庫)

ハルビン・カフェの評価: 4.05/5点 レビュー 19件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.05pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全19件 1~19 1/1ページ
No.19:
(5pt)

日本の先行き、移民社会への警鐘かも

この物語の登場人物によるプロローグの後、齢6歳の少女が春をひさぐ吐き気を催す哀しい情景から物語がスタートします。
エンターテイメントの枠を超えた密度の濃さと複雑に絡み合ったプロットにしばしばページをめくる手が重くなりましたが、
外国人移民の町で頻発する「警官殺し」と警官による報復テロルという体裁をまとった移民社会への警鐘小説と捉えることは穿ち過ぎでしょうか、それともとんでもなく的外れか。
シナ人や朝鮮人ロシア人、東南アジア他からの不良外国人移民、不法入国者が我が物顔で闊歩し治安を乱し麻薬や銃器が蔓延するような国にしてはならない、
という当たり前の発言がヘイトとされる当たり前でない現在の日本。
舞台となった新興都市名が本文中に登場する度に、西川口が例とは言いませんが外国人移民がコロニーを形成し日本文化を蔑ろにし日本を食い物にする危惧が絶えずオーバーラップして困りました。
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No.18:
(5pt)

映画化は難しそう

錯綜する登場人物によって複雑になりながらも、すっきり解決。映画化したら見たいです。
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No.17:
(5pt)

魂がないのではなく、妥協と弁明を拒否したのである

冒頭、本書は物語ではなく記録だという記述がある。つまり、類型、形式、および時系列に沿った「筋」を顧みないという宣言である。結果として、読者はページを行きつ戻りつしながら時間と人間関係の相関図を立体的に構成していくこととなり、点と点が繋がる快感を得られるのである。

フィクションの作者なら誰もが一度は抱くであろう夢想。自らの分身を主人公として、やりたい放題させてみる。
その主人公はどんな人間なのか。
"大胆さ。細心さ。人間観察力。計画立案力。冷酷な実行能力""信念さえある。信念がないんじゃなくて、信念はあるんだ。そして孤独だ。"
その男の行動原理を想像してみる。
無自覚に先例をなぞるだけであれば、自由意志の存在意義はなくなる。苦悩の果ての選択が正しいとも限らない。留保の割り切れなさに耐え、決断への誘惑を回避することだけが決定論への抵抗となり得るのか。
男の結論は裏切り続けるという戦略であった。
陰謀こそ我が人生。"夢は見ない"。建築家のように設計する。
教訓を学ばぬ者、正義を振りかざす者、操られる者の眼に人形遣いの姿は映らない。
外形的な顛末の裏側に事件の実体が隠されている。不運な災厄の背後に神の悪意が潜んでいるように。

随所に見られる映像と音響の印象的な描写が臨場感を高める。クライマックスの市街戦をドラマチックに盛り上げる。

シビレル。
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No.16:
(3pt)

登場人物が多い

登場人物や組織が多く、それぞれの思惑が入り乱れており、この人物がどういう思惑で動いているのか理解して話を追っていくのが難しい。というか初読で理解しきるのは不可能ではなかろうか。概略は理解したつもりだけれど、著者の意図を汲み取れたかはあやしい。
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4043615027
No.15:
(5pt)

理解も共感もできない人間に、魅力を感じるか否か

「あなたのような人間は存在します」
「そう言われると、なんとも反応に困る」
「理解を示すつもりは毛頭ありません」
「当然だ」

この小説は、あらすじに出てくるテロ組織「P」をめぐる一連の事件の記録である。多くの読書が言っておられるように非常に複雑で、多人数視点での描写もあって概要をつかむのは難しい。だが魅力を感じる人ならば、何度でも読み返せる至高の一冊になりうる。私自身、一読目は「なぜか凄まじくおもしろい」。二読目で時系列、人物をすべて把握でき、「やはりおもしろい」。三読目で「何回読んでもおもしろい」となった。ちなみに四度以上は数えていない。
この小説に入れ込むかの分かれ目は、「P]をめぐる事件の中心に位置する、ある個人への興味につきると思う。
上記のやりとりは、その人物と、もう一人の登場人物との会話である
その人間の行動は一言でいって「悪」である。個人の欲望を隠さず、あらゆる人間を裏切り、あらゆる組織を操り、裏切っている。だがその知性と手腕は多くの登場人物を惹きつけ、すべての悪を知る読者をも惹きつけてやまない。
その人間の内面は最後まで描写されない。その欲のかたち、動機を想像しても、自身が的外れなコメンテーターになったかのような違和感がつきまとう。だがその人物に惹かれる。
カリスマというものはこういうものか、と思う。
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No.14:
(5pt)

読了しました。皆さん是非チャレンジしてください。頑張って、頑張って、高い山の頂上から見た景色は、絶景でした。また、この山に挑戦したいと思います。

週刊文春の別刷エンタメで、恩田陸氏ら三名が選んだここ十年間のベストミステリーが、葉桜の季節に君を思うということ(歌野昌午)、ミステリ・オペラ(山田正紀)、そしてこのハルビン・カフェでした。

個人的に,
ミステリーオペラ(恩田陸氏が激賞)はタイムトリップもしくはパラレルワールドを時系列を崩して表現して高度な文章であると思いましたが、ご都合主義の連続で読後、読むのに費やした時間を返してほしいと思いました。

しかし、このハルビン・カフェは違います。

確かに、登場人物も多く、またその人物たちが複雑に絡み合うためわかりにくい。でも、なんかミステリーオペラと違う周波数を感じて、半分ほど読んだ時点で、もう一度最初に戻り、人物をリストアップし日本の俳優にあてはめ(ちなみに布施隆三はウッチャンナンチャンの内村、石川ルカは剛力彩芽)、起こった事件を”殉教者たちp170”の石川ルカの成長と比較した年表を参考に整理し、最後まで読みました。

凄い、の一言です。

おそらく、途中で読むことを挫折した人や、どなたかが書かれていたような難解だからとのことで評価が低いというのも理解できます。
しかし

以下、ネタバレ注意
布施隆三は極めてクレイジーな男性として描かれていますが、彼のこのドタバタ劇をおこした動機は、自らの手を汚してでも、国家権力による警察組織内の権力闘争の隠ぺい(これが実際にあるかどうかは別として)がマフィアの抗争に油を注いでいる負の連鎖を断ち切る、ということだったと思います。
公安(福井県警本部長の前園は公安出身の、実はノンキャリア)VSその他
市警察VS県警
北朝鮮マフィアVS中国マフィア
そして
ノンキャリアVSキャリア
この対立構図が、時系列が前後しまくり、かつ裏切りありとブラウン運動のように錯綜する。
これが、この小説のリーダビリティーに制限をかけていると思います。
しかし、打海先生も万人受けする小説を描こうと思っているとは全く考えられず、
むしろ警察組織という我々の英雄と思われている組織を舞台として、人間の本音(名誉欲、性欲、征服欲、しかし弱いものに対する優しさ)を描きたかったと想像します。

素晴らしい小説です、是非、読んでください、ではなく、チャレンジしてください。私ももう一度チャレンジしてみます。新しい発見があるはずです。
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No.13:
(2pt)

面白くない

裏切り、嫉妬、権力への欲望。男は、粛清の名のもとに血を流し、女は、愛のために決断をする……各紙誌で絶賛され、第5回大藪春彦賞を受賞した、打海文三が真価を発揮した最高傑作!
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No.12:
(5pt)

大満足です。

擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。
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No.11:
(2pt)

独りよがりの小説

これはひどかった。読み進んでも話の筋が一向に見えない。登場人物が多すぎて、しかも一つ一つのエピソードが複雑すぎて、なかなか理解できない。
テーマも普遍的ではない。福井県敦賀市辺りをイメージしているのだろうが、中華街、コリアンタウンの描き方がステレオタイプでリアル感に乏しい。頭の中でこねくり回して考えたようなプロットも煩わしい。下級警官(この言葉も目新しい)のテロルというテーマも現実味に乏しい。
ハードボイルド風の単なる難解な小説だった。
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No.10:
(5pt)

天才作家の最高の一作

よくあるぬるいハードボイルドや警察小説等とは完全に一線を画す、ヘビーでスリリングで緊張感あふれる小説。
非常に複雑な作品なので、万人には勧められないが、読解力・理解力に自信があれば、一度は読んでみてほしい。
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No.9:
(4pt)

多視点・多民族の混沌な感じが好きな方へ

めまぐるしく変わる登場人物の視点と、無法地帯と化した北陸の地方都市の混沌とした街並み、そして警察内部の闇。名前しか出てこない人物こそが事件の発端だったりもするが、一人一人に焦点を当ててみると、人物の数だけストーリーがあり、事件に巻き込まれるきっかけはそれぞれ別モノであり、そう考えてみるとこの小説で起こっている事件に発端などはなく、歴史の教科書からはみ出た物語を集めたようなものか?
著者の冥福を祈ります。
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No.8:
(3pt)

読み手を選ぶ作品です

この作品を凄い、かっこいい、最高だ、と手放しで賞賛できれば格好いいのですが、
初読でそこまで理解できる素養は私にはありませんでした。
例えば、馳星周や新堂冬樹などに代表される、現代的で、ある意味身近な恐怖の対象
であるノワール、大沢在昌や垣根涼介のようにキャラクターやストーリーテリングで
引っ張る、ある意味ヒーローもののハードボイルドを期待していると、ページをめくる
手が重くなっていくでしょう。
この独特の世界観と重厚な雰囲気に魅せられて、早く先が読みたいと思わせる気持ちと、
登場人物の多さと複雑なプロットによって、なかなかストーリーを読み進めていけない
というジレンマは多くの人が感じるのではないでしょうか。
本当は、もう一度最初から読んでから書きたかったのですが、他にも読みたい本が山ほど
あるのでいつ読めるかわからず、やむなく解釈も中途半端なままレビューさせて頂きます。
2度読むか一気読みするかしなければ、理解することは難しい作品である気がします。
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No.7:
(5pt)

「濃密な読書時間」を楽しみたい人へ

文庫版の「ハルビン・カフェ」を書店の平積で見て始めて見ました。
装丁とタイトルがすごく良かったのでジャケ買い(^^)しました。
パラパラッとめくると、最初に地図があります。
地図がある本はわたしにとって「買い」
さかのぼれば、20年前、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や「指輪物語」の頃から、
最近では「サブリエル」など、あまりはずれたことはありません。
さて、内容は「クライムノベル」なんですが、
このレベルのものを、同時代に同じ国の人が書いた文章で
(つまり翻訳のバイアス無しで)読めるのは大変シアワセなことだと思いました。
とにかく、タイトルの持つ雰囲気と導入部に期待を膨らまして読み始めます。
場面転換が多く、説明が食い足りない分、読んでいて振り回される感じがします。
ちょっとイライラしたり、謎の主人公の男の正体が思ったより早く分かったり、少し不満にも思いましたが、
語り口や雰囲気になじんでくるラストに到る頃には、そんなことはあまり気にならなくなっています。
結局、架空の都市、多民族、キャラクター、プロット、など、材料の選び方も好きですが、腕の方に納得しました。
一読後、雰囲気を楽しむために何度か読み直したりしました。
よほど気に入った本でしかしないことですが。
文字がぴっちり詰まっていて、内容も複雑なので、「濃密な読書時間」という本読みの醍醐味を充分味わえます。
ただ、すいすい読める本ではないので、そこは注意してください。
ストーリーを楽しみたい方は「裸者と裸者」を読んだほうが良いです。
こちらの方が早く読めます。
それと、ハードカバー版も見ましたが、文庫本の方が装丁文字組が気に入りました。
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4043615027
No.6:
(4pt)

内容的には文句なし!

ただし著書の表現の仕方に慣れていない人には、少々読見づらいのが難点。
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4048733486
No.5:
(4pt)

「蒼ざめた馬」から「神」を取り除いた物語?

物語が始まる前からすでにトリックが始まっている。最初から小さな謎が暗示されており、その小さな謎が解かれるとより大きな謎が深まるという構造になっているため、一度読み始めると途中で止めることは非常に難しい。複雑なプロットのため読者の頭に入っていく情報量は増大する一方。おかげでクライマックスに近ずくほどに読むスピードが落ちてくる。緊迫感は最期まで持続するので、読み終わるとどっと疲れる。不満な点は、謎めいた主人公の内面が、最期まで共感不可能なこと。まるで「空白の中心」を回転する物語のようでもある。最期にロープシンの「蒼ざめた馬」の影響は否定できないハズ、と思いました。でも現代には神様はいないので、ロープシンもカリャーエフも主人公にはなれない。だから作者はこの主人公を創造したのかもしれないな、と思いました。
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4043615027
No.4:
(4pt)

サイバーパンクと分かち合う多国籍都市の濃密な猥雑さ

タイトルに魅かれて購入しました。 語り手の視点が目まぐるしく転換する、とても複雑な構成になっていますが、最後まで飽かずに頁を繰らせる緻密な筆致で満たされています。 とくに架空都市・海市の微に入り細に入る描写が非常によかったです。舞台となる北陸の新興都市は、北朝鮮系の十星会・中華系の梟雄幇・ロシア系のマフィアグループが三つ巴に縄張りを競い合う非合法地帯として描かれています。街角に佇む欧亜混血の娼婦、牡丹紅酒楼、老沙事件、『日本海NEWS』など、都市生活の断片に与えられた独特の名称には、SFのサイバーパンクを彷彿とさせるネーミングセンスの妙味を感じました。ウィリアム・ギブスンの CHIBA City,コミック『AKIRA』のネオトーキョー、映画『ニルヴァーナ』の印僑街、押井守が描く美しいアジア諸都市……。SFの要素はまったくありませんが、これら異文化混交の未来都市に列なる濃密な猥雑さを分かち合っていると思います。雪国のモノトーンを強調した緊張感ある風景描写にしびれました。 断片的な証言から浮かび上がる陰謀の複雑さも圧巻です。濃密な読書時間を求めている方にはお勧めの一冊です。
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4043615027
No.3:
(3pt)

堅牢/硬質な群像劇

著者の最高傑作のひとつに数えられ、「このミス」2003年版では五位にランクインした作品。なので、この著者に興味のある方はこの作品から入門してはいかがでしょうか。ハードボイルドとして高い評価受けた感じがありますが、時系列を含め目まぐるしく変わる三人称多人数視点で、私としてはいまいち話にのめりこめませんでした。高村薫の退屈な部分を馳星周の骨組みに貼り付けた印象があり、原りょうや大沢在昌作品のようなキャラクターやストーリーテリングに期待する私のような《にわかハードボイルドファン》はちょっと注意が必要かもしれません。
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4043615027
No.2:
(4pt)

徐々に見えてくる恐るべき人物像

マフィアと警察の攻防を軸に、過去の事件とそれに関わった人間たちの関係を解き明かしていく。新聞でも読んでいるかのようなドライな文体。前半非常に難解だが、後半は情報の断片が一気にまとまっていく快感がある。中華街の喧騒、怒号、ネオン、濡れた路地、それらの猥雑な空気感もまた魅力。
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4048733486
No.1:
(4pt)

難解だが、、

文章の流れが複雑で、私の様に読み慣れてない人だと、何度か前のページを見直しながら進む必要があり、これくらいの分量の本にしては、異常に時間がかかりました。内容は、最後まで興味をそそられ一気に読みおわりました。飽きることなく読ませた点は評価できますが、わかりにくいところが減点で、4点としました。
ハルビン・カフェAmazon書評・レビュー:ハルビン・カフェより
4048733486

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