斜影はるかな国



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初公開日(参考)1991年06月
分類

長編小説

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斜影はるかな国 文春文庫

2003年11月08日 斜影はるかな国 文春文庫

1936年、フランコ将軍らが蜂起して勃発したスペイン内戦。その最中に、ギジェルモ・サトウと名乗る日本人義勇兵がいた。通信社特報部の記者・龍門二郎は、男の足跡を取材するためスペインに飛ぶが、その裏には大いなる秘密が隠されていた―。スペインの過去と現代を舞台に描かれた、壮大な冒険ミステリー。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

斜影はるかな国の総合評価:8.85/10点レビュー 13件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

好都合な偶然が多いけど

1990年から91年にかけて新聞連載された長編小説。文庫本で750ページというボリューム満点の冒険エンターテイメント作品である。
「スペイン内戦で反乱軍側に参加していた日本人がいる」という情報を手に入れた通信社の記者・龍門二郎は、その正体を探り記事にしようとスペインに飛び、雲をつかむような頼りない情報をもとに取材を始めたのだが、知れば知るほど謎が深まり、さらに謎の殺し屋に狙われて我が身に危険が迫ってきた・・・。
スペイン内戦で反乱軍に参加した日本人を捜すというのが、本筋。それに加えて、龍門の母方のルーツを探るというサブストーリー、さらに、バスク独立派のテロ組織と右翼の秘密暗殺部隊の対立、さらに、内戦時に隠された金塊を巡る争い、さらには龍門の苦い恋愛、という、いくつものストーリーが重なった盛りだくさんの物語である。しかも、逢坂剛ファンにはうれしい岡坂シリーズのヒロイン花形理絵が登場し、主役・岡坂もちょこっと友情出演するなど大サービス、もう満腹をとおりこしそうなボリューム感である。したがって、いたるところで話の展開を楽にするための好都合な偶然の出会いがあるのが、ちょっと難点と言える。
スペイン内戦時と現代を行き来する物語の複雑な構成の割にストーリーを追うのが楽で、アクション、サスペンス、政治的なスリルもたっぷりと詰まっていて退屈することがない。アクション小説ファンにはオススメだ。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.12:
(5pt)

(2022年―第40冊)スペインを駆け巡る冒険ミステリー巨編

1989年、東和通信社・特報部記者の龍門二郎は、スペイン内戦時代にフランコ反乱軍側について戦った日本人義勇兵がいたとの情報を得て強い興味を持つ。ギジェルモ・サトウと名乗った男のその後をたどるためにマドリードに入るが、そこで発生した不穏な殺人事件に巻き込まれていく……。

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『 クリヴィツキー症候群 』、『 十字路に立つ女 』と続いた岡坂神策シリーズの第3弾です。といっても、岡坂神策の名が登場するのは小説の中のほんの一瞬だけ。スペインで龍門とともに事件に翻弄される人物の中に明央大学助教授の花形理恵がいて、今はマドリード留学中の彼女がかつて関係のあった岡坂に電話する場面がわずかに描かれるのみです。
 つまり、これは岡坂神策ユニバースにおけるスピンオフ的な作品で、しかもスペインの歴史の闇の中に現地で分け入っていく大長編ミステリーです。

 朝日新聞の夕刊紙上で1990年から1991年にかけて一年間連載された小説ですから、この文春文庫版で700頁を超える一大巨編です。しかしなんら臆することはありません。とにもかくにも、逢坂先生の文章のリーダビリティの高さは抜群です。
 また、共和国政府側に立って戦った日本人がいた話はよく知られていますが、敵対する反乱軍側にもそうした人物がいたとの逢坂先生が耳にした情報をもとにこれだけ遠大な歴史ミステリーを紡ぐ出す手腕は天下一品です。二転三転する物語には一度として倦むことがありません。
 スペイン内戦における左派政権軍と右派反乱軍の戦いは、得てして開明的・民主的な前者と頑迷保守の後者の戦いと単純化して見てしまう向きもあるかもしれません。しかし、この小説がつきつけるのは、あの時代どちらに与するかは、スターリニズムとフランコニズムとの間のレッサー・イーブル(lesser evil)の選択であったという事実です。その意味で『斜影はるかな国』は、内戦の不都合な真実を冷徹に見つめた政治小説として秀逸だといえます。

 そのほかにも、POUM(マルクス主義統一労働者党)の指導者アンドレウ・ニンの謎の死や、共和国政府のもつ金塊のソ連への搬出計画、ソ連の秘密工作員アレクサンドル・オルロフの亡命、など実際に起きた歴史的事件の欠落部分を、独自の想像力で補って緊張感あふれる展開へと仕上げていくところもお見事としかいえません。

 このあと岡坂神策シリーズは『緑の家の女』で東京へ舞台を戻します。私は旧題の『 ハポン追跡 』を先に読んでいますが、それに続く『あでやかな落日』『カプグラの悪夢』と、このシリーズではしばらくスペインとは無関係な物語が続くようです。一足飛びに『牙をむく都会』へと読書の手を伸ばすことにしようかと思います。

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斜影はるかな国Amazon書評・レビュー:斜影はるかな国より
4022563095
No.11:
(4pt)

おもしろい、ながい。

マタロンと風間、理恵の位置づけが中途半端。
作者自体がストーリーを続けているうちに収拾がつかなくなったのでは?
で★一つマイナス。
斜影はるかな国Amazon書評・レビュー:斜影はるかな国より
4022563095
No.10:
(5pt)

フラメンコ・ウエスタン

逢坂剛のスペインを舞台にした作品のなかでも、完成度の極めて高い作品のひとつ。ただ、1930年代と現代(とはいっても80年代だが)が交錯し、さらに舞台もスペインと日本がしばしば入れ替わる。加えて、スペイン内戦を話の核に据えているので、スペインの現代史になじみのない読者にとっては、とっつきのいい作品とはお世辞にも言えない。しかし、そこを我慢する、あるいはネットでWikipediaなどを通じて、スペイン内戦についてごく簡単な知識を頭に入れると、この作品は俄然面白くなってくる。アクション、恋愛、サスペンスが渾然一体とし、そして筆者が得意な人探し→正体は実は○○だった、というどんでん返しも冴えわたっているので、読むのに労力は必要だが、読み終えた後の爽快感が大きい、骨太の小説である。

それにしても、パリやロンドン、ベルリンといった欧州の中心部から外れたスペインを舞台にし、しかもスペインの過去史が欠くことのできない構成部分となっている逢坂剛の作品に、どうしてこうも心惹かれるのかと思う。逢坂剛のこれら作品群の影響で、スペイン内戦を扱った専門書や堀田善衛の著作を、一時期ずいぶん読んだ。その結果痛感したのは、スペインという国は古今東西老若男女左右を問わず、とにかく情念の濃い国だということである。フラメンコに闘牛といった文化を見ただけでもそんなことは当たり前だろうと言われるだろうが、政治であれ恋愛であれ文化であれ、スペインの人たちはすべてに全力で取り組んでいる。だから、日本であれば過剰だと思われる言動も、スペインが舞台になると違和感がないのである。

思うに、自分が読みたい、見たいのは血沸き肉躍る冒険活劇、それもどちらかと言うと、少し古いタイプのモノなのだろう。男女とも熱いハートを持ち、男はより優しくそしてたくましく、女は強くしかしたおやかにという、現代の感覚では少々古臭い作品かもしれない。逢坂剛は往年の西部劇のファンだというのをどこかで聞いて、彼が描いている世界は、まさに私が読みたい世界なのだとすぐに分かった。しかし、日本人をアメリカの西部劇に登場させるのは、さすがに無理があるし、日本を舞台にするとウソ臭さが出てくる。一方、スペイン内戦には、日本人義勇兵が参加したことは記録として残っていることもあり、日本人がそこにいてもおかしくはない。日本人がかつての西部劇のような活躍ができる世界、それがスペインなのだろう。
斜影はるかな国Amazon書評・レビュー:斜影はるかな国より
4022563095
No.9:
(4pt)

読者

昔、新聞連載で読みましたがあまり覚えていません。何10年振りに読み返し、本当に面白かった。
昨年スペインに旅行したので思い出して読んだわけですが、かの国の陽光と人達の長い影はまさしく題名のとおりで、2度旅行に行ったような感慨を覚えました。ありがとうございました。
斜影はるかな国 文春文庫Amazon書評・レビュー:斜影はるかな国 文春文庫より
4167520079
No.8:
(4pt)

いつでも

大好きな逢坂剛さんのスペインもの長編をいつでも読める便利さはたまらない魅力である。
斜影はるかな国Amazon書評・レビュー:斜影はるかな国より
4022563095



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