(短編集)
盲獣
- グロミス (14)
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表題作『盲獣』のほか、小品『妻に失恋した男』『指』を収録。 小品2作に関しては、どちらも鋭い味わいで、まどろっこしいドラマ性を廃し、事実だけを淡々と並べたような作品で、とても読みやすいし、なおかつちゃんと怖い。『指』などは、TVドラマ『世にも奇妙な物語』の、本篇の合間にやる小ネタ集みたいな、ああいった雰囲気があり、わかりやすく、面白く、やはり怖い。地味だけど素晴らしい作品たちです。 そして、『盲獣』です。 盲目の男が、幾名もの美女を次々に殺害し、その死体を損壊までするという、そしてそれらの行為がどことなくふざけている、猟奇的とか快楽的というよりも、児戯めいたおふざけ感がある。子供が周囲の大人たちの関心をひこうと、わざとらしく、滑稽に、暴れたり何かを壊したりするみたいに、生身の人間を殺害し、切り刻んでゆくのです。 乱歩さん自身も嫌悪感をおぼえた作品と聞きますし、現にこれを読んでみれば一目瞭然、その読後感はある種独特なもので、なんと言ってその感想を記したものか、いささか判断を躊躇してしまいます。 今作は何件も殺人がおこなわれていながら、その事件を解決する探偵役が存在しません。犯人は、最終的にある芸術論へ到達し、作品を拵えるわけですが、ではその人が最初から、そういった芸術的視点、芸術家としての目標なり志なりを胸に、数々の殺人を実行していったのかというと、わたしの目にはそうは映りませんでした。 唯一の救いと言うと哀しい話ですけれど、被害に遭った女性たちに、犯人の盲獣に魅入られる要素があらかじめ存在していたと、見ようと思えば見られないこともない、そう言って差し支えないのではないでしょうか。 そのような異常者、ふつうは恐怖や嫌悪を感じて距離を取る、非難する、関わり合いにならない人が大多数であるはずのところ、この物語の被害女性たちは、はじめ拒絶感をもちつつも、いつしか惹かれ、ついには恋人のような間柄となり、数々の行為や遊戯にまみれ、あるいは盲獣を陥れようと罠を仕掛けたりした挙句、殺されてしまうのですね。被害に遭うべくして遭った、と言うとなんとも気持ち悪い表現ですが、そうとでも思わないと、この作品の味わいはなかなか嚥下することができません。 | ||||
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触覚の芸術を堪能する・・・というよりも、オドロオドロしい乱歩ワールドを存分に楽しんで 読まれるのがいいと思います。 | ||||
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江戸川乱歩のなかではエログロと呼ばれるジャンルだと思います。エログロは私の好みではありませんが、最後までエログロで徹していればそれなりに評価できます。でもこの作品は後半からエログロの熱量が減ってきて最後は全くエログロらしからぬ結末で終わってしまいます。盲獣がいつの間にか盲人芸術家となってしまいました。一体この盲獣は何を目指していたのでしょう、わけが分かりません。おそらく乱歩先生も自覚していたと思います、これは失敗作です。 | ||||
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作者自身、この作品を嫌ったようですが、実際、背すじがぞわぞわします。犯人になりきらないと、このようなものは書けないと思います。現実的には、あり得ないだろうと思われる場面は多々ありますが、それを凌駕するほどの執念、欲望、迫力で、人間の業の深さを思わずにおれません。乱歩という人の凄さを再認識します。 また、視覚に頼らない芸術の在り方についても注意を喚起するあたり、盲人を障碍者とみるよりも、一つの才能とみなしているのは、現代においてもなお、先見的だと思います。 | ||||
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なかなか奥の深い作品でした。かなりメッセージ性の強いものでしたし、とても面白かったです。そして長すぎないというか、結構短編なのでそれもよかったです。 | ||||
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