パノラマ島奇談
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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売れない物書きで、明日も知れない貧乏生活の傍ら、空想の中に自分の理想郷を描く日々を送る主人公の男。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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前巻の1巻と2巻は閉店予定の古本屋で見つけて購入したのですが、古い本なので続編がなかなか見つからず、ようやく続編を見つけたので嬉しい限りです! | ||||
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江戸川乱歩さんのお決まりのエログロさは比較的抑えられている方だと言える短編集です。 『人間椅子』では椅子の中に忍び込む発想や『パノラマ島奇談』ではうりふたつの他人になりすますという発想は理解しがたいエログロさはありました。 また『一寸法師』では、脚が短く背の低い不具合者である一寸法師を含め登場人物が全て疑わしい殺人犯であるのを明智小五郎の推理で真犯人を解き明かしていく話は良かったと思います。 | ||||
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もう大昔の小学生の時。クラスメートには「乱歩マニア」が結構存在した。図書室のポプラ社の「少年探偵団」の本はいつも大人気で、クラスの「小林君」は、必ずと言って良いほどに「小林少年」と呼ばれていた。その「小林少年」は「命名」した悪ガキ共に「お前らも『少年』だろうが!!」と反論する事も無く、嬉々として?その「尊称」を受け入れていた記憶がある。 それからウン十年。本当に久しぶりに乱歩を読んだ。初めて大人の目で読んで、つくづく感服した。乱歩先生。貴方は一体何者なのか。 「パノラマ島奇談」は1926~27年に発表された作品。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と同時期に生まれた作品という事になるが、今から90年以上も昔に、この「パノラマ島」や「銀河鉄道」のような、ある意味「荒唐無稽」で破格の発想を持った作品を生み出した彼らのイマジネーションの凄さをどう形容すればよいのだろうか。 この「パノラマ島奇談」は「子供に向けた」作品では無いし、中々に猟奇的でグロテスクな描写も少なからず登場する。しかし、その語り口は極めて平易で、あたかも温厚な紳士が少年・少女に向けて語っているかのようだ。そして、このお話の多くの部分を占める「パノラマ島」の描写の見事さや繊細さはまさに驚異的。この部分を読んで、つい連想したのがヒエロニムス・ボスの謎の名画「快楽の園」や、スクリャービンの「交響曲第5番」。乱歩は具体的な「パノラマ島」のイメージを脳内にキチンと焼き付けた上で、この緻密な描写を行なったのだろうか。そうだとしたら、こんな仕事は桁外れに豊かなイマジネーションと、それを「誰にでも想像出来る」ように「描写」する能力を兼ね備えている超人でなければ出来ない偉業だ。そして、この「グロテスクにして耽美的」なストーリーの中に更に織り込まれた、主人公とその「妻」の千代子の微妙な「男女の」心理のあやは、大人の目で読むと尚更印象深い。 「謎解き」のストーリーとしては、やや物足りない部分、強引な部分は無きにしも非ずだが、それでもこれ程に「ぶっ飛んだ」「わかりやすい」「グロテスクにして耽美的」な怪作・傑作を90年以上も前に遺した乱歩の破格の才能には最大限の敬意を払わざるを得ない。「人間椅子」等もそうだが、その発想の斬新さ、「ヤバさ」には微塵の古臭さも無い。「乱歩無くして、今のミステリー小説の世界は無かった」と賞賛されるのにも本当に納得である。 それにしても、21世紀の今世に出ている様々な「文学」の中で、乱歩。賢治、漱石の数々の傑作のように、100年後の22世紀までトップクラスの人気と価値を保てる作品が果たしてあるのだろうか。それを思うと暗澹たる気持ちになるのを禁じ得ない。乱歩先生。貴方はやっぱり凄すぎる。 | ||||
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『パノラマ島奇譚』冷静になって考えれば、同作品は極めて荒唐無稽である。だが、そこに誰しもが持つ大いなる野望感が見られ、一読者の私自身、最後の結末を望まなかった。むしろ、そのまま耽美の世界に溺れていたかった。パノラマ島は正に人工的に作られた快楽の楽園であり、それは双子と揶揄された赤の他人(故人)になりすまし、夢を実現させた男の一大事業と犯罪であり、それは後の『大暗室』や『盲獣』にも共通する、ある人間の生涯の野望への執着であると感ずる。誰しもが莫大な財産を得たならば描く極めて荒唐無稽な野望への執念。私は、その執念に対しての共感を禁じ得ない。 | ||||
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夢見がちで無気力な男が、機会を得ると、ああも大胆に実行するのかと、驚きました。 | ||||
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