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パノラマ島奇談
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【この小説が収録されている参考書籍】
パノラマ島奇談の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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前巻の1巻と2巻は閉店予定の古本屋で見つけて購入したのですが、古い本なので続編がなかなか見つからず、ようやく続編を見つけたので嬉しい限りです! | ||||
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江戸川乱歩さんのお決まりのエログロさは比較的抑えられている方だと言える短編集です。 『人間椅子』では椅子の中に忍び込む発想や『パノラマ島奇談』ではうりふたつの他人になりすますという発想は理解しがたいエログロさはありました。 また『一寸法師』では、脚が短く背の低い不具合者である一寸法師を含め登場人物が全て疑わしい殺人犯であるのを明智小五郎の推理で真犯人を解き明かしていく話は良かったと思います。 | ||||
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もう大昔の小学生の時。クラスメートには「乱歩マニア」が結構存在した。図書室のポプラ社の「少年探偵団」の本はいつも大人気で、クラスの「小林君」は、必ずと言って良いほどに「小林少年」と呼ばれていた。その「小林少年」は「命名」した悪ガキ共に「お前らも『少年』だろうが!!」と反論する事も無く、嬉々として?その「尊称」を受け入れていた記憶がある。 それからウン十年。本当に久しぶりに乱歩を読んだ。初めて大人の目で読んで、つくづく感服した。乱歩先生。貴方は一体何者なのか。 「パノラマ島奇談」は1926~27年に発表された作品。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と同時期に生まれた作品という事になるが、今から90年以上も昔に、この「パノラマ島」や「銀河鉄道」のような、ある意味「荒唐無稽」で破格の発想を持った作品を生み出した彼らのイマジネーションの凄さをどう形容すればよいのだろうか。 この「パノラマ島奇談」は「子供に向けた」作品では無いし、中々に猟奇的でグロテスクな描写も少なからず登場する。しかし、その語り口は極めて平易で、あたかも温厚な紳士が少年・少女に向けて語っているかのようだ。そして、このお話の多くの部分を占める「パノラマ島」の描写の見事さや繊細さはまさに驚異的。この部分を読んで、つい連想したのがヒエロニムス・ボスの謎の名画「快楽の園」や、スクリャービンの「交響曲第5番」。乱歩は具体的な「パノラマ島」のイメージを脳内にキチンと焼き付けた上で、この緻密な描写を行なったのだろうか。そうだとしたら、こんな仕事は桁外れに豊かなイマジネーションと、それを「誰にでも想像出来る」ように「描写」する能力を兼ね備えている超人でなければ出来ない偉業だ。そして、この「グロテスクにして耽美的」なストーリーの中に更に織り込まれた、主人公とその「妻」の千代子の微妙な「男女の」心理のあやは、大人の目で読むと尚更印象深い。 「謎解き」のストーリーとしては、やや物足りない部分、強引な部分は無きにしも非ずだが、それでもこれ程に「ぶっ飛んだ」「わかりやすい」「グロテスクにして耽美的」な怪作・傑作を90年以上も前に遺した乱歩の破格の才能には最大限の敬意を払わざるを得ない。「人間椅子」等もそうだが、その発想の斬新さ、「ヤバさ」には微塵の古臭さも無い。「乱歩無くして、今のミステリー小説の世界は無かった」と賞賛されるのにも本当に納得である。 それにしても、21世紀の今世に出ている様々な「文学」の中で、乱歩。賢治、漱石の数々の傑作のように、100年後の22世紀までトップクラスの人気と価値を保てる作品が果たしてあるのだろうか。それを思うと暗澹たる気持ちになるのを禁じ得ない。乱歩先生。貴方はやっぱり凄すぎる。 | ||||
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『パノラマ島奇譚』冷静になって考えれば、同作品は極めて荒唐無稽である。だが、そこに誰しもが持つ大いなる野望感が見られ、一読者の私自身、最後の結末を望まなかった。むしろ、そのまま耽美の世界に溺れていたかった。パノラマ島は正に人工的に作られた快楽の楽園であり、それは双子と揶揄された赤の他人(故人)になりすまし、夢を実現させた男の一大事業と犯罪であり、それは後の『大暗室』や『盲獣』にも共通する、ある人間の生涯の野望への執着であると感ずる。誰しもが莫大な財産を得たならば描く極めて荒唐無稽な野望への執念。私は、その執念に対しての共感を禁じ得ない。 | ||||
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夢見がちで無気力な男が、機会を得ると、ああも大胆に実行するのかと、驚きました。 | ||||
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1970年代の後半にテレビで天知茂が明智小五郎になり、いろいろな事件を解決する話を思い出した。 テレビでは『バナナワニ園』や『近藤玲子水中バレー団』が出演していた。 しかし原作には明智小五郎は出てこない。 作中M県S郡となっているのは三重県志摩郡の離島だ。 1926年~27年に『新青年』に連載されたが、今から90年も前によくこんな話を想像したなと感心する。 この原作をもとに高階良子が『血とばらの悪魔』という漫画をかいている。このコミックスは絶版だと思う。 なんせ30年以上も前のコミックスだから 主人公の人見廣介は定職に就かず、極貧の生活の中で、理想郷を実現することを夢見ていた。 彼とうり二つの大富豪菰田が死ぬと、菰田を装って、莫大な財産を使って理想を実現する。 廣介が千代子に自身のパノラマ哲学・美学を語る場面はこの作品のクライマックスで感動する場面だ。 | ||||
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パノラマ島奇談,白昼夢,鬼,火縄銃,接吻・・・収録m(_ _)m 高名噂に名高い『パノラマ島奇談』を俺は読んだ♪\(^o^)/けど、想像力が追いつかなくて受け入れ困難だったんだぜ・・・ ポルノなどがまだ抑制されていた当時の表現として限界があったから、此処までだったのだろうけど 現代のように規制なき表現の自由を得ていたなら、もっとエロく毳毳しくオドロオドロシイパノラマ島が拝めたかと思うと・・・(・□・;) まあ、最後、明智に似た名前の探偵が出てきたのは良かったよ。彼が天才性を発揮してあんなラストを作ったからね♪ de、その他なんだけど、『白昼夢』・・・何気に不気味なんだけど、これは乱歩自身がこれ以上のアイディアを持てなかった作品だね。 問題は『鬼』ですわ・・・残念ながらこの作品には明智小五郎は出て来ない。けれど、俺の好みで『パノラマ』よりは評価する。 つか、めちゃめちゃ面白いんだわさね・・・詳しい人はこれが翻案小説というか元ネタがあると言うが これは良かった。 レビューで詳細語るとネタバレになるから此処までだけど・・・あっ(;゚Д゚)!『接吻』もいいよ | ||||
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ここでは、本全集の表題作である「パノラマ島奇談」のみ取り上げる。周知のごとく「押し絵と旅する男」と並んで乱歩の代表作と称される。 もっとも、「パノラマ島奇談」では物語の終わり近く、卒然北見小五郎なる探偵が現れて、得々と主人公人見広介のなりすましと妻の偽装殺 人を暴く探偵物の構成をとっているので、「押し絵と旅する男」のような一抹の淡い余韻を残す幻想的な大団円はない。 毎度のことながら、おどろおどろしい看板の前に佇む一見分別ざかりの読者を、乱歩特有の語り口で覗きからくりの世界へ引きずりこむ手腕 は地祭りの香具師も顔負けである。 瓜二つの友人の資産家の死にことよせ、まんまとその家の主人になりすまし、掠め取った私財を湯水のように蕩尽しながら、人見広介が脳裏 に描く一大パノラマを陸の孤島に展開するのは、今日でいう健康的な老若男女が訪れるテーマパークとは発想が異なり、人見自身の赤裸々な 夢魔の実現と言ったほうがよいだろう。 人見広介は殺害を下心に妻千代子を伴い完成間近のパノラマを逐一案内する。夫のなりすましに気づいた妻千代子が、怖々それに従いながら も、パノラマ島の耽美性と解放感に序々に酩酊し始めるくだりは物語の圧巻である。 そして、探偵北見に見破られた偽装殺人の末路で人見広介がとった選択とは・・・・・ なお本全集は巻末に澁澤龍彦氏の「乱歩文学の本質」と題した評論が併載されている。 ついで、第2巻の挿絵は古沢岩美氏である。 | ||||
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表題作は、江戸川乱歩の代表作のひとつとして有名ですが、評価は人によって分かれるかと。 鬱屈した生活をおくる主人公がふとしたきっかけから金に物を言わせて、自身の夢である人工の桃源郷を作るというのがメインストーリーです。ほとんどミステリー的な謎解き要素は無く、後半に描かれるパノラマ島の描写が圧倒的に記憶に残ります。 ミステリーを期待して読む人がどれだけいるか分かりませんが、むしろ幻想小説ファンに訴える話かと思います。 | ||||
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「パノラマ島奇談」「白昼夢」「鬼」「火縄銃」「接吻」の5編が収められている。 「パノラマ島奇談」はやはり傑作である。圧倒的なグロテスクと奇想。幸せになれそうに見えて、やはり破滅してしまうという運命。ラストの衝撃的な死。乱歩の真骨頂ともいうべき一編だ。 「白昼夢」と「接吻」は小品。 「鬼」は、翻案トリックが使われているが、女性の執念を描いており、怖い。 「火縄銃」も翻案トリック。 | ||||
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「パノラマ島奇談」「白昼夢」「鬼」「火縄銃」「接吻」の5編が収められている。 「パノラマ島奇談」はやはり傑作である。 圧倒的なグロテスクと奇想。 幸せになれそうに見えて、やはり破滅してしまうという運命。 ラストの衝撃的な死。 乱歩の真骨頂ともいうべき一編だ。 「白昼夢」と「接吻」は小品。 「鬼」は、翻案トリックが使われているが、女性の執念を描いており、怖い。 「火縄銃」も翻案トリック。 | ||||
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パノラマ島奇談は、奇怪な計画を実行する様子が描かれている部分はおどろおどろしいが、 その後、造り上げられたパノラマ島の全貌が、詳細に描かれている部分には、心を奪われる。 それは、絢爛であって、この世のものとは思いにくい。 夢の中を彷徨っている様な甘美な感覚と、主人公の邪悪な思惑が、渾然一体で、不思議な印象だ。 この絢爛華麗な世界を創造する主人公の執念に、ある種の狂気性を感じるが、著者の大きな到達点でもある。 近年の作家の推理作品は、社会構造そのものに、深くメスを入れたりして、作品に厚みを加えているが、 著者の、この傾向の作品群は、全く浮き世離れしていて、甘美そのものであって、それでも推理作品なのだ。 現実を忘れて、どっぷりと浸る事が出来る。 それは、幾年月を経ても、決して色褪せる事は無い。 | ||||
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パノラマ島奇談は、奇怪な計画を実行する様子が描かれている部分はおどろおどろしいが、 その後、造り上げられたパノラマ島の全貌が、詳細に描かれている部分には、心を奪われる。 それは、絢爛であって、この世のものとは思いにくい。 夢の中を彷徨っている様な甘美な感覚と、主人公の邪悪な思惑が、渾然一体で、不思議な印象だ。 この絢爛華麗な世界を創造する主人公の執念に、ある種の狂気性を感じるが、著者の大きな到達点でもある。 近年の作家の推理作品は、社会構造そのものに、深くメスを入れたりして、作品に厚みを加えているが、 著者の、この傾向の作品群は、全く浮き世離れしていて、甘美そのものであって、それでも推理作品なのだ。 現実を忘れて、どっぷりと浸る事が出来る。 それは、幾年月を経ても、決して色褪せる事は無い。 | ||||
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乱歩作品は今日では多数の文庫(光文社、創元、角川、筑摩、新潮)で読めるようになりました。集成としては光文社、当時の挿絵入りでは創元が優れていますが、光文社版は分厚くて寝転がって読むにもやや嵩張りますし、創元版は挿絵でイメージが定まってしまうという不満があります。春陽堂版は1969年に出た初版をベースにしており、年代問わず面白いところをすっと出してくれています。あの当時は春陽堂さんの文庫がなければ講談社の箱入り全集しかございませんでした。何となく乱歩の時代にあったようなやや黄ばんだ紙の上の文字を読んでおりますとだんだんと乱歩世界に入っていくことができるように思います。他の文庫もすべて持っておりますが、この春陽堂さんのものが一番乱歩を読むのに相応しいかと思うのであります。私はこの文庫で「陰獣」「パノラマ島奇談」を読んで以来ずっと乱歩の愛読者となってしまいました。 | ||||
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乱歩作品は今日では多数の文庫(光文社、創元、角川、筑摩、新潮)で読めるようになりました。集成としては光文社、当時の挿絵入りでは創元が優れていますが、光文社版は分厚くて寝転がって読むにもやや嵩張りますし、創元版は挿絵でイメージが定まってしまうという不満があります。春陽堂版は1969年に出た初版をベースにしており、年代問わず面白いところをすっと出してくれています。あの当時は春陽堂さんの文庫がなければ講談社の箱入り全集しかございませんでした。何となく乱歩の時代にあったようなやや黄ばんだ紙の上の文字を読んでおりますとだんだんと乱歩世界に入っていくことができるように思います。他の文庫もすべて持っておりますが、この春陽堂さんのものが一番乱歩を読むのに相応しいかと思うのであります。私はこの文庫で「陰獣」「パノラマ島奇談」を読んで以来ずっと乱歩の愛読者となってしまいました。 | ||||
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乱歩の代表作の中に含まれるほど有名な作品として本作品は有名ですが、この作品の醍醐味はパノラマ島で繰り広げられる幻想世界でしょう。私は乱歩の作品で犯人の異常心理やトリックの使われない作品はあまり好きではありませんが、この作品はそれなりに読めました。乱歩のいいところは幻想世界を描くに当たってけして、非科学的な事に逃げないところだと思います。幻想世界もそれなりに科学的裏づけに乗っ取って描かれていますし、主人公がパノラマ島の幻想に浸りきるところはカミューのカリギュラを髣髴としてなんとも暴君というイメージがしました。文学的な見方としてもかなり評価の高い作品だと思います。ちなみにこの作品は乱歩のエログロの世界はあまり描かれていません。 | ||||
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乱歩の代表作の中に含まれるほど有名な作品として本作品は有名ですが、この作品の醍醐味はパノラマ島で繰り広げられる幻想世界でしょう。私は乱歩の作品で犯人の異常心理やトリックの使われない作品はあまり好きではありませんが、この作品はそれなりに読めました。乱歩のいいところは幻想世界を描くに当たってけして、非科学的な事に逃げないところだと思います。幻想世界もそれなりに科学的裏づけに乗っ取って描かれていますし、主人公がパノラマ島の幻想に浸りきるところはカミューのカリギュラを髣髴としてなんとも暴君というイメージがしました。文学的な見方としてもかなり評価の高い作品だと思います。ちなみにこの作品は乱歩のエログロの世界はあまり描かれていません。 | ||||
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事件の謎解きよりもパノラマ島の不気味な描写が印象的。推理小説というよりも幻想文学である。 読み終えたときに、吐き気や悪寒がする『白昼夢』。 犯人の情念が凄まじい『鬼』。 印象の薄い『火縄銃』。 ほのぼのした、しかしどこかブラック風味の『接吻』。 シリーズ全体の江戸川乱歩世界を一番表現していると思うカバーデザインは、一見の価値有り。 | ||||
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事件の謎解きよりもパノラマ島の不気味な描写が印象的。 推理小説というよりも幻想文学である。 読み終えたときに、吐き気や悪寒がする『白昼夢』。 犯人の情念が凄まじい『鬼』。 印象の薄い『火縄銃』。 ほのぼのした、しかしどこかブラック風味の『接吻』。 シリーズ全体の江戸川乱歩世界を一番表現していると思うカバーデザインは、一見の価値有り。 | ||||
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表題作は、乱歩らしい世界が凝縮されている感じで、舞台になった三重県鳥羽市に足を運びたくなります。「白昼夢」は、短いながら、強烈な印象を残します。夏の暑さが効果的な作品です。「鬼」は、トリックに目を奪われがちですが、具体的な凶行の場面を想像するとゾッとします。こういう女に好かれては・・・と男性が気の毒に思えます。「接吻」は、血の気配がしない作品です。なんとなく、乱歩の日常生活に思えてしまったりした作品でした。 | ||||
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