黄金仮面
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黄金仮面の総合評価:
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痛快!明智小五郎VS黄金仮面! | ||||
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これはネタバレではなく基本情報だと思うので、あっさり書いてしまうが、黄金仮面とはアルセーヌ・ルパンがマスクを被った変装である。 最初にこの設定を知った際は相当びびったが、乱歩が通俗作品に舵を切るにあたっては、黒岩涙香ものとルパンもののテイストを狙ったというから、明智小五郎vsアルセーヌ・ルパンを演出しても不思議ではない。翻案ものが許される?時代だし、なにしろルパンシリーズの作者モーリス・ルブラン自身が、自分の作品に勝手にシャーロック・ホームズを登場させているくらいだ。【注1】 それにしても大胆な演出ではあるが、この成功がなければ、後に怪人二十面相が登場することもおそらくはなかった。 いくらルパンが大盗賊で変装の名人であろうが、日本では満足に行動できんだろうと思うが、外国人であることを隠すための黄金仮面というのが設定の妙だ。 ところで、ルパンと言えば、人を殺さない義賊というイメージがある。 本作品でも部下の言として、「われわれの首領は血を見ることが何よりもきらいなのだ」とある。 しかし本作品で、ルパンは殺すつもりで明智に銃をぶっ放してるし、開化アパートにいる明智を狙撃までしている。【注2】 これは乱歩が意識して書いていることで、終盤にルパンと明智が対峙するシーンでは、明智は上記のことに加えて、浦瀬を殺した事を糾弾する。 それに対してのルパンのセリフは、「浦瀬は日本人だ」「おれはかつてモロッコ人を三人、一時に射ころしたことがある」というとんでもないもの。 モロッコ人云々は、ルパンシリーズの『虎の牙』の中で、彼が豪語しているらしい。 乱歩はそれを読んで、ナチュラルな白人が考える“人”の中に、有色人種は含まれていないということを喝破したわけだ。【注4】 この話はこれくらいにして、わたしが本作品で大発見をしたことを書いておきたい。 ルパンは本作品で日本人の愛人を作り、彼女は犯罪の一部に加担する。 彼女の名前は大鳥不二子。 あわててWikipediaを繰ってみたが、モンキー・パンチは「峰不二子の名前は霊峰富士から取った」と語ったとの事。本作品の事は書かれていない。 1971年のアニメ版『ルパン三世』の第一話で、捕まった峰不二子はくすぐり拷問を受ける。 後に再放送で見たうぶな少年の脳裏にしっかりと焼付いたエロいシーンwだが、一方本作品で大鳥不二子譲は、ルパンの下から無理やり保護された際、こんな想像している。 こわい顔をした刑事たちに、柱にしばりつけられ、コチョコチョ、コチョコチョと執拗にわきの下をくすぐられているあさましいわが身の姿……。 アニメ第一話がモンキー・パンチの原作漫画とどれほどリンクしているかは知らないが、こういった類似が偶然だという可能性はとても低いのではないか。 モンキー・パンチ本人が覚えていたかどうかは別にして、まず本作品から不二子の名前を取って、そこから霊峰富士を連想して、名字を峰にしたという流れが正解ではないだろうか。 蛇足だが、本作中には、「ルパン一味の女性といえば、不二子さんのほかにはいない。」なんて記述まである。 ちなみに、モンキー・パンチは『ルパン三世カリオストロの城』を観て唸ったという。 出来栄えの良さとは別に、乱歩の『幽霊塔』からのオマージュにも気付いたのでは? 【注1】ルブランの作品では、確かエルロック・ショルメとして登場するが、初出時はホームズの名前をそっくりパクっていた。 【注2】ここの仕込みは、完全に「空き家事件」のパクリオマージュで、明智は「シャーロック・ホームズの古い手」と称している。 【注3】他にも、E・A・ポーの「赤き死の仮面」のシチュエーションをまるまる拝借しているし、わたしも名前だけしか知らないが、部屋全体が〇〇というトリックは、ルパンの先輩の犯罪者が暗躍するファントマシリーズから持ってきたらしい。 【注4】ルブランがことさら差別主義者という訳ではなく、当時の欧州人のナチュラルな意識であろう。フランス革命や人権宣言をただありがたがって世界史で教えている間抜けさ具合といったら……。 | ||||
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内容は良い。 | ||||
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アノニマスの仮面を黄金に塗ったようなマスクに、黄金色のマントなどの衣装で美術品を盗み出す黄金仮面。明智小五郎が警視庁の波越警部とともに黄金仮面をとらえようと奔走する。結構大掛かりな仕掛けで展開するストーリーは単純に面白い。でも、あと一歩のところで黄金仮面を何度も逃げられる明智小五郎は、ちょっと詰めが甘いんじゃないかと思う。「そんなことしないで早くお縄にしちゃえ! 」と 何度心の中で叫んだことか。黄金仮面の虜になる不二子さんが登場し、ルパン三世の峰不二子はこの人がモデルなのかなとも思ったり。 | ||||
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カバーなしの裸本でした。かっかり。 | ||||
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おもしろかった。 | ||||
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