地獄の道化師



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初公開日(参考)1949年01月
分類

長編小説

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地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)

2015年03月20日 地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)

オープンカーが車輪を石畳の外へと踏み外し、乗せられていた石膏像が投げ出された。その像の割れ目から赤い血が染み出て、中に人間が塗りこめられていることがわかった。死体の顔は潰されていたが、ある女性が警察を訪れ、右腕の傷痕から家出した姉のみや子であることを確認する。道化服に身を隠した悪魔の智恵が生み出した意外なカラクリと執念の愛憎とは?表題作のほか、明智シリーズ長編群の先駆けとなった作品『一寸法師』、計二編を収録。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

地獄の道化師の総合評価:7.95/10点レビュー 19件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

大人になった今読んでも怖い……

道化師の格好をした殺人鬼が女性を狙うという、10歳ぐらいの頃に学校の図書館で読んで凄い怖かった話。
最近読み返してみましたが大人になった今でもやはり怖かったです……

ピエロの恐怖を書いた話といえばスティーブンキングの『IT』が有名ですがこれはその40年以上も前、その『IT』のモデルとなったキラークラウン、ジョン・ゲイシーが生まれるより前の作品です。
この時代にピエロを恐ろしい存在として書いた作品は日本はおろか、世界的にも稀だったのではないですかね?
(道化師をそのユーモラスさを逆手にとった恐怖小説の始祖はおそらくポーの『ちんば蛙』でやはり乱歩の小説の『一寸法師』がその影響を受けていますね)

ホラー小説としてはすばらしいと思うのですが推理小説としてみるとちょっと……と言いたい出来です。



▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

なつかしい

小学生6年生の時に学級文庫で借りて、続きが気になり
授業中もこっそり読んだことを思い出しました。

子どもだったし、まったく犯人がわからなく結末に驚かされました。
記憶違いでなければ、私が読んだ版には心理試験も収録されていました。
どちらも面白くって、帰宅してからも夢中になって読んでいました。

yukonikokobegirl
Y4DRUWKR
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.17:
(5pt)

オイ、お前には、この世に絶望した人間の気持ちが分かるかね。ウフフフフフ

常人の想像を絶する悪魔の知恵、狂人の幻想。悪魔の着想。狂人の叡智。狂人の国の論理。こういうおどろおどろしい言葉が並ぶ。まさに乱歩節。私は、本作のプロットはよく出来ていると思う。トリックは手垢に塗れており、現実的にやや無理があるのは確かだが、本格推理小説ではそもそもないのだし、乱歩の代名詞たる通俗スリラーものとしては傑作である。

第一の事件、彫像轢死事件。踏切内に、オープンカーより石膏で作られた若い美女の裸女像が落ちてしまう。列車に轢かれるや、石膏像の中から本物の美女の死体が出てくる。死んだ人間が塗りこめられていたのだ。たしか乱歩の『一寸法師』にも似たような描写があった。が、顔面がほとんど原型をとどめておらず、所持品もないので、身元鑑定が行えない。昭和14年の作なので、DNA鑑定などはできないものの、指紋照合や歯型鑑定などはできたかもしれない。が、その辺はさらっと身内の人間による、「身体的特徴の一致」によってパスしてしまう。昔はこんなもんだったのかなと思いきや、後ほど、伏線となってくる。

第一の事件の後も、犯行は続く。なんと、第一の事件の被害者のもとに、生前、奇妙な道化師の指人形が送りつけられていた。被害者は、その指人形が送られて以降、自分の死を暗示させる言動を取っていた。そのように証言をした妹が、警察署からの帰り道、その指人形にそっくりな道化師に後を付け回され、

”ふと気が付くと、耳朶のあたりに生暖かい人の息吹が感じられた。あい子はギョッとして立ちすくんだ。そして、突然、ねちねちとした太い嗄れ声が鼓膜をくすぐったのである。「オイ、お前には、この世に絶望した人間の気持ちが分かるかね。ウフフフフフ、それがどんな気持ちだかわかるかね」今にも倒れそうな気がしたが、それをやっとこらえて、怖いけれども、振り向かないではいられなかった。首をねじ向けて、ヒョイとみると、肩の上に道化師の顎が乗っかっていた”

こういう慄然とした文章を書かせると乱歩の右に出る者はいない。妖気に溢れ、怨念に満ちた、読む者を震撼させる表現は、非常に臨場感、スリル満点。道化師の人を食ったような態度は恐ろしく、明智の手をすり抜けて、やすやすと第二の犯行を遂げてしまう。

それにしても乱歩の筆致はすさまじい。例えば、次のような文章はどうであろうか。

”やがて、屏風の框の畳から一尺ほどの高さのところに、白い虫のようなものが、ポツンと現れた。そして、その白いものが、少しずつ、少しずつ大きくなっていった。それは人間の指であった。指が極度の臆病さで、屏風の端から、麗子の方へ伸びてくるのであった”

通俗怪奇小説は伊達ではない。残念ながら、こういう演出の仕方は、その後の小説家には受け継がれず、例えば少年漫画である金田一少年の事件簿などに主役を奪われた感がある。私も、コナンや金田一などの漫画世代だが、乱歩の小説を受け継いだのは彼ら少年漫画の世界であったのは悲しい。乱歩のような筆力を持った小説家の登場が待たれるところだ。

最近の作家の、表面的なエログロナンセンスを掻撫するような作品の横行に対し、呆れるよりも、むしろ痛ましい気持ちになってくるのだ。内に秘めた狂気の発情、積年の頃から増幅された劣情がもたらす情欲的な嫉妬、飢えた野獣のように求める肉感的な快楽と挫折、そういうものを艶消しのような表現で幼く露見させては鼻白むのである。もはや、乱歩の作品は「通俗」スリラーとか、「通俗」怪奇とは呼べなくなってしまったのかもしれない。高尚なものとなり、手の届かないものになってしまったのかな。
地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)より
4394301491
No.16:
(3pt)

江戸川乱歩先生の ファンです。

本の文字が 前に持っていたものより 大きく読みやすくなっていました。江戸川乱歩先生の 独特の作風が感じられる本で 好きな作品です。
地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)より
4394301491
No.15:
(3pt)

またまた石膏像に塗り込められた裸女の死体

<ネタばれ注意>

(1)地獄の道化師(『富士』昭和14年1月~12月号/139頁)★★★
 またまた石膏像に塗り込められた裸女の死体。どれだけ好きやねん。
 冒頭の事件は、描写をそのまま読めば間の悪い事故であるが、それが発生しなかった場合に、犯人がどのように企てていたのかが不明。まぁ描写がないだけで、ハイヤー会社には届け先も連絡されていた筈だから、適当な展示場所が用意されていたのだろう。
 そちらはともかく、犯人が相沢麗子の同情を惹いて彼女の家に入り込むところまで計画したというのはあまりに勝率が低いのではないか。

 とは言え、三人の入れ替わりトリックは、通俗明智シリーズの中ではなかなかのトリックではないか。

 ついでながら、綿貫創人はなかなか魅力的なキャラだと思う。
 明智の押しかけ弟子となった彼に深夜墓穴を掘らせながら、明智はそれを手伝いもせずに眺めていたとかwww
 トンデモねーな明智と思ったが、師匠と弟子文化においては、それもまた修行か。
 それだけに、綿貫が本作だけの登場なのがもったいない。

(2)一寸法師(『東京朝日新聞』『大阪朝日新聞』大正15年12月~翌年2月/157頁)★★★★

 再読のつもりで読んだが、まったくピンとこない。よくあるように読んだつもりになってただけだったか……。
 乱歩が本作品を上梓した後、一年ほど断筆・放浪していたのは有名な話で、本作品に辟易したのが理由だと言われている。しかし今回読んでみると、150頁程度の中編ながら、プロットはかなり凝っていて、謎やトリックは比較的しっかりしているので意外に面白かった。屋敷からの失踪トリックは『悪魔の紋章』と同じだが、順番的にこちらが先だしw
 傑作とまではいかないにしても、良作ではないだろうか。

 乱歩の志向に反して通俗作品化に向かった作品かもしれないが、彼を休筆にまで追い込んだ理由がよくわからない。
 これまでは、グロ描写への自己嫌悪だと理解していた。
 たしか本人も自己嫌悪云々だとどこかに書いていた筈だ。
 しかし本作品はそれほど猟奇的でもない。死体は解体されたり飾られたりもするが、被害者は一人だし、描写もしつこくない。猟奇的な衝撃度では、前年の『踊る一寸法師』の方が上?である。

 一寸法師繋がりで、二作品セットで辟易してしまったのだろうか?
 あるいは、初めて連載した朝日新聞がマズかったのか。邪推か……。

 どうも乱歩は、一寸法師という身体障害者に対しては、弱者への共感よりも、違った者への恐怖を感じてしまう性質のようで、そんな自分に嫌悪を感じてしまったのか?
 しかし、復帰した次の年には、『孤島の鬼』で一寸法師が大暴れするしなぁ……。

 本作品はグロだとわたしは思い込んでいたのだが、どうも『盲獣』のいもむしごーろごろとごっちゃになってしまっていたようだ。
 あちらは本作品から四年後の作品だが、『陰獣』や『芋虫』なんかを経て、すでに悟りを開いていたのか。

 ところで、一応触れておくと明智小五郎。
 上海帰りで、いくらか見栄坊になっているようだが、顔は伯竜のようだとあるから、『D坂の殺人事件』から続く初期小五郎である。
 本作品で彼は、「小林くん、小林くん」と何度も呼びかける台詞があるが、それは小林紋三のことで、本作品には小林少年はまだ登場しない。ただし斎藤、平田という二人の助手が登場。チームを動かしてるみたい。
 ……赤坂の旅館に一時逗留中で、ぷらぷらしてるだけの筈なのに。金は?

 とりあえず、明智は始終ニコニコ、ニヤニヤ笑っていてかなり嫌味な印象。
 しかも最後には、勝手に裁判官の役もするのだが、その判断は甚だ疑問だ。
 真犯人は、殺害後に<ネタばれ反転>ピアノ⇒ゴミ捨て場に死体を隠し、化粧道具を使って捏造証拠を作っている。こんな悪質なことをしておいて、いくら殺意はなかった、反省しているって哀願してもなぁ。

 「三千子さんのような美しい存在をこの世からなくし(ママ)ないためには……」
こらこら。あかんで。
地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)より
4394301491
No.14:
(2pt)

こんなにデタラメだったっけ・・・そしてつまらない。

『地獄の道化師』『一寸法師』ともにむちゃくちゃすぎて目も当てられない。これがまかり通ってたのか。
どんな真相でどんなトリックで誰が犯人でももうどうでもいいや、くらいな気分になってくる。どこまでデタラメか見届けてやろう、の一心で意地張って最後までなんとか読んだ。

『地獄の道化師』は小学生のときに読んで再読。明智探偵のシリーズではこれが一番印象に残っている。
この小説で強烈なイメージなのはもちろん道化師の格好をした不気味な殺人鬼で、この一点突破の小説だ。
「ではなぜ、犯人は道化師の姿をしているのか?」
こどものころ、その理由付けにたいへん感心したことだけは覚えている。

思うところあって、小学生・中学生時代に読んだ本を再読する試みをしているのだが、当時おもしろかった本は40年経てもやっぱりおもしろい。ところが乱歩の長編は違う。こども騙しに合っていたわけでもない。『一寸法師』は新聞連載小説で大人向けの小説なんだから。大人がおもしろがって読んでたのか???これを。
何を喜んでこんなもんを読んでいたのかさっぱり分からない。そのくらいひどい。
地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)より
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No.13:
(3pt)

思い出を掘り返した結果

大昔に「地獄の道化師」のドラマを見て、子供心に大いに衝撃を受けたのを思い出し 原作を初めて読んでみた。 期待はずれであった。 あのドラマは脚色が上手かったのだろうな。 今となっては、死後、時間が経過した死体から真っ赤な血が流れるわけが無い と知っているからか、冒頭の有名なシーンもなんだか興ざめだった。 子供心には強烈だったのだけれども。 江戸川乱歩のゴーストライターをしていたこともある(らしい)横溝正史の 作品の方がどうやら時代の淘汰を耐え抜きそうだ。 字も大きく読みやすいので星を+1個。
地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:地獄の道化師 (江戸川乱歩文庫)より
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