空気男
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雰囲気のある魅力的な題名だと思っていたが、「空気男」とは物忘れがひどいというだけの社会人になり切れない有閑青年のことで、乱歩作品の語り手としてごくごくよくあるタイプだった。残念……。 またせっかくの、そして一般作品としては最後の長めの物語で、冒頭で野間の口を借りて、この話も、書いていくうちに、つじつまの合わないことも出てくるだろうが、なんて書いてしまうのは乱歩らしくてステキなのだが、中盤までは、伊東のプラクティカル・ジョークの実演談が繰り返されてやや退屈。 中盤以降、野間と美耶子の関係を軸に話が展開して、「ジョークと犯罪は紙一重で、利欲を伴わない詐欺がジョークだ」と伊東が語るシーンが、オチへの布石になっているところは流石だと思ったが、全体的には、うーん、まあまあといったところ。 内容に関係ないが、野間が美耶子にビッグ・ボウ・ミステリの作者ザングウィルについて、「左がかった普通の小説家だよ」なんて紹介していた。 登場する労働運動家たちが悪い人じゃないというだけだがw | ||||
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『ペテン師と空気男』、『堀越捜査一課長殿』、『防空壕』、『妻に失恋した男』、『指』の5つの話が載っています。 中でも長編の『ペテン師と空気男』は空気男こと主人公の野間五郎は、物忘れが激しい空気のように頼りない男です。たまたま乗り合わせた列車で知り合ったいたずら好きの伊藤錬太郎とその仲間たちとジョーカークラブに入会します。プラクティカル・ジョーク(冗談のいたずら)の名手である伊藤が主体となってたまたま居合わせた一般の人に笑えないいたずらを次々と仕掛けていきます。そして伊藤の妻に恋心を抱いた野間でしたが、最後はやはり1枚も2枚も上の伊藤にしてやられます。 『堀越捜査一課長殿』:銀行強盗の犯人から死後に送られて来た告白状を読む堀越捜査一課長。 『防空壕』:たまたま空襲で避難した防空壕での一夜のロマン。 『妻に失恋した男』:妻に失恋したと想い悩む男の終末と執念の捜査をする刑事。 『指』:ピアニストの友人の腕を切断治療をした医師と切断された指の奇怪な動き。 私は、中でも『妻に失恋した男』が推理小説としては印象に残りました。 | ||||
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遊び心のある二人の男が、ふざけた事ばかりしたあげく、大人の解決をしたお話のようで、感心しました。 | ||||
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昔のテレビドラマで西村晃がジョーカー伊東錬太郎を演じていたのを思い出す。 メフィスト的な役のイメージがぴったりだった。 自分としては江戸川乱歩でもっとも好きな作品。 プラクティカル・ジョークという「いたずら冗談」の面白さ。 ジョーカー伊東によるジョークと犯罪の実例披瀝も興味深い。 浮世離れした前半のテンポは秀逸。 破局から意外な結末を迎える後半は冗長な部分もある。 江戸川乱歩の間口の広さを感じさせる。 | ||||
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やはり乱歩は面白いな、と久しぶりの乱歩を堪能した一冊です。多賀新の表紙イラストは今作でも素晴らしいです。 内容は5編。表題作の「ペテン師と空気男」、「堀越捜査一課長殿」は長く、「防空壕」は短めの中編、「妻に失恋した男」は小編で、「指」は超短編といった趣き。 「ペテン師―」は最初から先の読めない展開で、乱歩の新たな一面を覗き見させてもらった感じ。「堀越捜査一課長殿」は推理もので、さほど捻った話ではないけれど読み応えがあります。「防空壕」はいちばん印象に残った作品。二十面相シリーズを読んで育った自分としては、大人向けの乱歩はこういう話も書くんだなぁ、と妙に感心させられた一冊です。 全体に、淡くも真剣な恋を描いている話が多く、乱歩の描く恋の世界を堪能できます。 | ||||
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