吸血鬼
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猟奇的な殺人、実行不可能に見える犯行――乱歩作品にはおなじみと言ってよい展開の連続で、アップダウンのある話運びに乗せられつつも、どこかで、ははあ、またこういった内容なのかと、あまりにおなじみすぎてうんざり感じてしまう人もいるかもしれません。 しかし、乱歩さんの他の作品もそうですが、一度、最後まで読み、その犯人の身になって物語全体を振りかえってみると、印象はかなり変わるはずです。 彼らは長い年月をかけ、濃厚な殺意や復讐心を胸に、ただその一事だけを思い描いて計画を練り、そして実行していったのです。さまざまなトリック、捜査員を煙にまく手法、幾名かの容疑者の存在も、その人たちのアリバイや利用価値に関してもその犯人が拵え、探偵の前に陳列して見せているのです。 今作も、あらためてその犯人の視点でお話すべてを眺めてみれば、その膨大な量の場面と、容赦のない犯行と、それらを支えつづけた犯人の意志の強さ、重さ、恐ろしさに震えあがりそうになります。 そういった発見をするたびに、乱歩作品がどうしてこんなにも長く広く愛されているのか、この理由の一端を垣間見る気がします。たしかに、これは、とても怖い話です。 | ||||
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『報知新聞』の夕刊に、1930年(昭和五年)9月から1931年(昭和六年)3月まで連載された作品。 五年後の1936年(昭和十一年)から始まる「少年探偵団シリーズ」の雰囲気を随所に感じました。文中にある次の一節の如き妙味がありました。 《明治の昔流行した、パノラマ館、ジオラマ館、メーズ、さては数年前滅亡した、浅草の十二階などと同じ、追想的ななつかしさ、いかもので、ゴタゴタして、隅々になにかしら、ギョッとする秘密がかくされていそうな、あの不思議な魅力を、(後略)》p.158 思わずギョッとする人物が出てきたり、グロい描写があったのも印象に残りますね。次のような文章は、現代の公共出版物だったらカットされてしまうかもしれません。 《(前略)鼻も醜く欠けて、直接赤い鼻孔(びこう)の内部が見えているし、眉毛が痕跡(こんせき)さえなく、もっと不気味なのは、上下の眼瞼(まぶた)に一本の睫毛(まつげ)がないことである。》p.27 《まるで飴細工(あめざいく)のタヌキみたいな太鼓腹(たいこばら)だ。死体膨脹(ぼうちょう)の現象である。内臓に発生したガスが、ひじょうな力で、死骸をゴム風船みたいに、ふくらませてしまったのだ。》p.350 タイトルの『吸血鬼』ですが、いわゆるドラキュラものの血を吸う化け物は出てきません。鬼は鬼でも、別種の鬼が出てきます。いかなる鬼であるか。それは、話の終盤で明かされます。ラスト三頁中二箇所で〝●●鬼〟と記述してありますが、こちらのほうが作品タイトルとして適当ではなかったかと、私は思いました。 それと、春陽文庫本の表紙カバーのイラストが、素晴らしく不気味っすね。多賀 新の『潜行する自我』というタイトルの銅版画。乱歩作品にふさわしいこのカバー装画に、乾杯! | ||||
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ありがとうございました。 | ||||
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吸血鬼と白髪鬼の長編2作品です。 <吸血鬼> タイトルである吸血鬼は登場しません。最終章の冒頭で犯人が吸血鬼のように執念深いという表現が1カ所ともう1カ所登場します。 幼い1人息子を持つ倭文子(しずこ)未亡人を取り巻く男たちと次々に起こる殺人事件が起こります。 事件を解決していく明智小五郎と助手の小林少年と玉村文代です。 火傷で唇がなく、義足と義手を持つ犯人が倭文子未亡人に忍び寄ります。 倭文子未亡人の屋敷のとある部屋には隠されたトリックがあります。 例によって明智小五郎の推理で犯人は一旦は捕まりますが、なぜか犯人を拘束しないまま犯人の動機を聞いたあとにまんまと逃げられたりします。 いつも明智小五郎はトリックを暴いて関係者に披露する時は再現ドラマのようにするのは最近疑問を感じるようになりました。 <白髪鬼> 獄中で自分の罪を語る大牟田敏清です。 絶世の美女の瑠璃子と結婚しますが、親友の美男子の川村と瑠璃子がいい仲となって川村が岩山に細工をして、そこから大牟田は転落して死にます。 しかし奇跡的に息を吹き返した大牟田は死にものぐるいで墓から抜け出し自分が死んだ理由を突き止めます。 復讐の鬼となった大牟田は別人を装って二人に近づき残酷な復讐を遂げますが呆気なく捕まり今に至ります。 墓の中の死と飢えに匹敵する苦しみを味合わせてやろうという復讐話ですが、墓の中にあった海賊の宝を上海で出会った海賊本人が初対面の大牟田に宝をやるをいう話がよくわからないまま都合よく話が大牟田の企み通り進むのが淡白に感じました。 | ||||
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タイトルである吸血鬼は登場しません。 最終章の冒頭で犯人が吸血鬼のように執念深いという表現が1カ所だけ登場します。 ストーリーはというと、 幼い1人息子を持つ畑柳倭文子(はややなぎしずこ)未亡人を取り巻く男たちと次々に起こる殺人事件。 事件を解決していく明智小五郎と助手の小林少年と玉村文代。 火傷で唇がなく、義足と義手を持つ犯人が倭文子未亡人に忍び寄る。 倭文子未亡人の屋敷のとある部屋には隠されたトリックが・・・。 例によって明智小五郎の推理で犯人は一旦は捕まりますが、なぜか犯人を拘束しないまま犯人の動機を聞いたあとにまんまと逃げられたりします。 いつもそういうご愛嬌はありますが、明智小五郎が先手を打って犯人を焦らす辺りはとても痛快かも知れません。 | ||||
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