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吸血鬼
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【この小説が収録されている参考書籍】
吸血鬼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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猟奇的な殺人、実行不可能に見える犯行――乱歩作品にはおなじみと言ってよい展開の連続で、アップダウンのある話運びに乗せられつつも、どこかで、ははあ、またこういった内容なのかと、あまりにおなじみすぎてうんざり感じてしまう人もいるかもしれません。 しかし、乱歩さんの他の作品もそうですが、一度、最後まで読み、その犯人の身になって物語全体を振りかえってみると、印象はかなり変わるはずです。 彼らは長い年月をかけ、濃厚な殺意や復讐心を胸に、ただその一事だけを思い描いて計画を練り、そして実行していったのです。さまざまなトリック、捜査員を煙にまく手法、幾名かの容疑者の存在も、その人たちのアリバイや利用価値に関してもその犯人が拵え、探偵の前に陳列して見せているのです。 今作も、あらためてその犯人の視点でお話すべてを眺めてみれば、その膨大な量の場面と、容赦のない犯行と、それらを支えつづけた犯人の意志の強さ、重さ、恐ろしさに震えあがりそうになります。 そういった発見をするたびに、乱歩作品がどうしてこんなにも長く広く愛されているのか、この理由の一端を垣間見る気がします。たしかに、これは、とても怖い話です。 | ||||
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『報知新聞』の夕刊に、1930年(昭和五年)9月から1931年(昭和六年)3月まで連載された作品。 五年後の1936年(昭和十一年)から始まる「少年探偵団シリーズ」の雰囲気を随所に感じました。文中にある次の一節の如き妙味がありました。 《明治の昔流行した、パノラマ館、ジオラマ館、メーズ、さては数年前滅亡した、浅草の十二階などと同じ、追想的ななつかしさ、いかもので、ゴタゴタして、隅々になにかしら、ギョッとする秘密がかくされていそうな、あの不思議な魅力を、(後略)》p.158 思わずギョッとする人物が出てきたり、グロい描写があったのも印象に残りますね。次のような文章は、現代の公共出版物だったらカットされてしまうかもしれません。 《(前略)鼻も醜く欠けて、直接赤い鼻孔(びこう)の内部が見えているし、眉毛が痕跡(こんせき)さえなく、もっと不気味なのは、上下の眼瞼(まぶた)に一本の睫毛(まつげ)がないことである。》p.27 《まるで飴細工(あめざいく)のタヌキみたいな太鼓腹(たいこばら)だ。死体膨脹(ぼうちょう)の現象である。内臓に発生したガスが、ひじょうな力で、死骸をゴム風船みたいに、ふくらませてしまったのだ。》p.350 タイトルの『吸血鬼』ですが、いわゆるドラキュラものの血を吸う化け物は出てきません。鬼は鬼でも、別種の鬼が出てきます。いかなる鬼であるか。それは、話の終盤で明かされます。ラスト三頁中二箇所で〝●●鬼〟と記述してありますが、こちらのほうが作品タイトルとして適当ではなかったかと、私は思いました。 それと、春陽文庫本の表紙カバーのイラストが、素晴らしく不気味っすね。多賀 新の『潜行する自我』というタイトルの銅版画。乱歩作品にふさわしいこのカバー装画に、乾杯! | ||||
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ありがとうございました。 | ||||
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吸血鬼と白髪鬼の長編2作品です。 <吸血鬼> タイトルである吸血鬼は登場しません。最終章の冒頭で犯人が吸血鬼のように執念深いという表現が1カ所ともう1カ所登場します。 幼い1人息子を持つ倭文子(しずこ)未亡人を取り巻く男たちと次々に起こる殺人事件が起こります。 事件を解決していく明智小五郎と助手の小林少年と玉村文代です。 火傷で唇がなく、義足と義手を持つ犯人が倭文子未亡人に忍び寄ります。 倭文子未亡人の屋敷のとある部屋には隠されたトリックがあります。 例によって明智小五郎の推理で犯人は一旦は捕まりますが、なぜか犯人を拘束しないまま犯人の動機を聞いたあとにまんまと逃げられたりします。 いつも明智小五郎はトリックを暴いて関係者に披露する時は再現ドラマのようにするのは最近疑問を感じるようになりました。 <白髪鬼> 獄中で自分の罪を語る大牟田敏清です。 絶世の美女の瑠璃子と結婚しますが、親友の美男子の川村と瑠璃子がいい仲となって川村が岩山に細工をして、そこから大牟田は転落して死にます。 しかし奇跡的に息を吹き返した大牟田は死にものぐるいで墓から抜け出し自分が死んだ理由を突き止めます。 復讐の鬼となった大牟田は別人を装って二人に近づき残酷な復讐を遂げますが呆気なく捕まり今に至ります。 墓の中の死と飢えに匹敵する苦しみを味合わせてやろうという復讐話ですが、墓の中にあった海賊の宝を上海で出会った海賊本人が初対面の大牟田に宝をやるをいう話がよくわからないまま都合よく話が大牟田の企み通り進むのが淡白に感じました。 | ||||
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タイトルである吸血鬼は登場しません。 最終章の冒頭で犯人が吸血鬼のように執念深いという表現が1カ所だけ登場します。 ストーリーはというと、 幼い1人息子を持つ畑柳倭文子(はややなぎしずこ)未亡人を取り巻く男たちと次々に起こる殺人事件。 事件を解決していく明智小五郎と助手の小林少年と玉村文代。 火傷で唇がなく、義足と義手を持つ犯人が倭文子未亡人に忍び寄る。 倭文子未亡人の屋敷のとある部屋には隠されたトリックが・・・。 例によって明智小五郎の推理で犯人は一旦は捕まりますが、なぜか犯人を拘束しないまま犯人の動機を聞いたあとにまんまと逃げられたりします。 いつもそういうご愛嬌はありますが、明智小五郎が先手を打って犯人を焦らす辺りはとても痛快かも知れません。 | ||||
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ページ数が多く読み切れるか不安でしたが、そんな事もなく続きが気になってすぐに読めてしまいました! ずっと読み続けられている小説には理由があるのですね! | ||||
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そうくるか、と思いきや違ってたり。かなり翻弄されました。でも最後は期待通りの結末でとっても面白かった。 | ||||
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どんでん返しが連続することは、本作品も他に劣らず、乱歩は小出しに種明かしをして読者をじらしますが、結末の行方は最後まで分からない読者がほとんどでしょう。乱歩も読者も好きな、色恋ものであり、倭文子の艶めかしさにまたもや欲情しそうです。「お勢登場」同様、ポーの「早すぎる埋葬」のプロットも使っています。文代さんと小林少年も登場し、にぎやかに大活劇は展開します。面白いですよ。 | ||||
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本作品は、昭和5年(1930年)9月から翌年3月まで新聞連載されたもの。 名探偵明智小五郎が活躍するシリーズの1作品であるとともに、その後、「怪人二十面相」を初めとするジュブナイルで活躍する「少年探偵団」の団長、小林少年が初登場する作品でもあります。 物語は塩原温泉の旅館で行われた、毒薬を用いた決闘の場面から幕を開ける。 二人の男性は、湯治に来ていた美貌の女性、倭文子(しずこ)とどちらが付き合うか、決着をつけようとしていたのだ。 この決闘に事実上勝利した男性は、倭文子の東京の屋敷に招かれるが、次々と事件が起こる。 倭文子の息子の誘拐、謎の男の屋敷への侵入と、密室状態での、男の殺人。そして、その死体の消失…。 陰で糸を引いている吸血鬼のような悪魔の真の目的と正体は? 明智小五郎の推理が冴える――。 新聞連載ということもあってか、場面転換の早さは、読者に考える隙を与えず、次々と起こる事件に加え、その陰で裏をかこうとする犯人に対峙する明智小五郎の活躍に目を奪われてしまいます。 冷静に考えてみると、ツッコミたくなる部分もあるのですが、そのような小さなことは気にせずに、一気にラストまで連れて行かれるところは、乱歩のストーリーテラーとしての手腕が十分に発揮されていると感じました。 本作品は、昭和25年(1950年)に、「氷柱の美女」と題して、映画化されたとのこと。 この「氷柱」が何を意味するのか? それを知るためだけでも、本作品は、乱歩の作風が好みの方であれば、読む価値はあるものと考えられます。 ジャンルとしては、スリラーやサスペンスといった分野になるもので、犯人の意外性や密室状態でのトリックは、それほどのものではないですが、何しろ物語展開が面白く、これほど様々な要素を詰め込んだミステリというものはなかなかお目にかかれないと思います。 乱歩の水準としては、平均レベルだと思いますが、21世紀の読者も十分に楽しめる作品に仕上がっていると感じました。 | ||||
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これは面白かった。 連載時の区切りを示すマークもあって読者サービスが良いのはちょっとやり過ぎかな。 警視庁の担当は恒川警部で浪越警部ではなかったが、明智小五郎と文代さん、小林少年が 登場して探偵助手として活躍する。 トリックの大盤振る舞いで、後の作家の作品に大きな影響を与えているよね。 気球での逃亡、ボートでのチェイス、犯人入れ替わり等々。 一番気に入ったのは明智小五郎と文代さんの結婚かな。 | ||||
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大人になってから読むと面白さが増すように思います。 現代の小説でここまでいろいろ詰め込んでいるサスペンスものはないんじゃないかと。 楽しめました。 | ||||
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乱歩は小学生の頃かなり読みました。 今ポプラ社から復刻版が出てるのは嬉しい限りです。 まさか最後のトリックが乱歩の短編集で見たようなものとは驚きました。 | ||||
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何となく久しぶりに読みました。 江戸川乱歩先生の作品はとても読みやすく好感が持てます。 明智小五郎は素人探偵と設定していますが、なかなかどうして痛快な活躍ぶりで楽しめました。オススメです。 | ||||
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はずれなしの乱歩の著作のなかでも、冒頭でのひとりの女性を巡るふたりの男の毒薬決闘は独創的、残酷でありつつそれだけでなく、なおかつ美しい仕上がりをみせています。 乱歩も気に入ってたアイデアだと思います。 冒頭は文章もわりと凝ってて、思い入れたっぷりに描かれている。 ラストも切なくてよい。 加害者が一方的な悪というわけでなくどこか純粋であったり 被害者が一方的な善でないことも、物語に深みを与えています。 | ||||
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実に面白かったです!明智小五郎に小林少年登場の冒険活劇って感じです。難しいことは考えないで楽しみましょう!!オープニングからエンディングまで、怪しい人物・怪しい雰囲気・消失トリック・アクション・変装・おどろおどろしい死体の数々…と、これでもかってぐらいテンコ盛り!乱歩ってすごい~~~~!! | ||||
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全体的な作品のトーンは、先に読んだ蜘蛛男、魔術師と同じです。 それなりに見せ場も多く、エログロの活劇を読みたい人は十分楽しめるでしょう。 一方、最後のオチは多少の伏線は確かに合ったもののかなり唐突で、犯人に同情したくなります。 悪女を描く小説として、技巧を駆使して同じテーマで誰かがリライトしたら、すごい小説になるかもしれません。 | ||||
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塩原温泉で行われた毒薬決闘を皮切りに、 恐ろしい「唇のない男」に命を狙われる美貌のヒロイン倭文子。 恋人を守ろうと、美青年三谷は怪人に挑むが、 神出鬼没にして悪辣な「唇のない男」の魔手は刻々と迫る。 名探偵明智小五郎の推理やいかに! という、THE・乱歩な内容です。 推理と猟奇が2:8程なので、 あくまで名探偵明智小五郎の「探偵小説」として 読むべき作品だと思います。 私は夢見る乙女なので、 ラストシーンにぐっと来ました。 | ||||
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疾走型ミステリーです。 古きよき時代の犯人メインの作品を 心行くまで堪能できます。 まず魅力的なのは その一連の事件。 どう見てもまるで舞台を見ているかのごとく展開する 殺人、そして犯行。 手段に関しても結末部分で驚かされるでしょう。 まさしく凝った推理小説にふさわしい、 仕掛けありの殺人手段。 この作品は乱歩の作品にしては さほどエロ・グロ色は強くないです。 恐怖系統はかなりではありますが。 その代わりに男を狂わす妖艶な女性は出てきます。 枝も付いているのですがこれではホの字になる人は 後を絶たないでしょうね… 犯人は残念ながら あまり隠蔽されておらず 勘の鋭い方は重大な事件前に 分かってしまわれることでしょう。 推理小説で爽快感を得たいあなたにぜひ。 | ||||
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乱歩の通俗長編のなかでは、比較的長い。 それは、連載の都合でもあるのだろう。 その長さにみあう面白さか?と問われれば、YESと即答する。 本作は私にはとても面白かった。 さまざまな欠点というか、弱点も指摘されているし、途中でかなりだれる部分もある。 だが、それを補って余りあるスリルとサスペンスだ。 死んだはずの男に纏わり付かれる可憐な美女を中心として、いくつかの愛憎が入り乱れてストーリーが進行する。 このハラハラ感を読者に与える筆力は、さすがに大乱歩である。 この長編を支える、十分なサスペンスだ。 そしてラストは、ちゃんとハッピーエンドというか、落ち着くべきところに着地する。 予定調和とはいえ、このあたりが乱歩作品が支持される所以であろう。 一応、意外性もある。 バレバレだが、乱歩としては十分な意外性だったのだろう。 例によって明智が登場するのだが、本作にはその他にも他の乱歩作品に出てくる重要なキャラクターが登場する。 それもまた、乱歩ファンにはお楽しみというところだ。 タイトルが内容にマッチしていない、とよく言われる。 作中で明智が犯人を吸血鬼に例えるのがかろうじて、なのだ。 しかし、本作好きの者にとっては、この漢字3文字のタイトル以外は考えられない。 シンプルで不気味で、読者に期待を持たせるハッタリとしても、申し分ない。 | ||||
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「吸血鬼」「一人二役」「双生児」の3編が収められている。 「吸血鬼」は、明智小五郎の活躍する冒険活劇。ついに文代さんと結婚することでも知られる。自作を再利用して書かれた作品であり、評価は別れるところだろう。私は、美味く昇華・変形していると思う。グロテスク趣味も十分。 「一人二役」は、結末が面白い。まあ、こうなるよなあ。 「双生児」は、有名な作品。妄執が怖い。 けっこうお買い得な一冊と思う。 解説は高木彬光。 | ||||
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