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パノラマ島奇談



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パノラマ島奇談の評価: 4.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

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(4pt)

読者一人一人の想像力が問われる物語?

売れない物書きで、明日も知れない貧乏生活の傍ら、空想の中に自分の理想郷を描く日々を送る主人公の男。
彼はある日、自分に瓜二つの大金持ちの知り合いの死を知り、彼に成り代わる計画を立て、それを実行する。
莫大な資力を手に入れることになった彼は、自分の夢に描いていた光景を現実のものとするため、とある小島に理想郷の建設を始める……

形式としては一応倒叙ミステリに分類されるのでしょうが、物語の本質はあまりミステリ寄りではないかもしれません。

この物語を楽しめるかどうかは、日々現実逃避とも言える己だけの空想にふけりながら、それをとうとう実現させた主人公にどれだけ感情移入できるか。
そして、文章によって情景が描かれる、パノラマ島の光景をいかに自分の中に描けるかだと思います。
どちらをとっても、読者各々の想像力が問われていると言える作品なのではないでしょうか。

しかし作品発表当時はともかく、それから100年近くが経った現在。
ディズニーランドやUSJなどの大規模テーマパークを現実に目にしてしまっている現代人の我々にとって、いくら想像力と芸術センスのある男が金に物を言わせて作った理想郷といっても、所詮個人が作った人工物であるパノラマ島の光景を、仮に100%脳内に思い描けたところで感動を覚えることは難しいのではないかと感じてしまいます。

あるいはここで想像すべきなのは、作中のパノラマ島の光景よりも、主人公を自分の立場に置き換えた時、どのような自分の空想の中の理想郷を作成し、隣にいる魅力的な異性にそれを見せるだろうかということかもしれません。

低評価になったのは自身の想像力の乏しさのせいもありますが、それ以上に終盤の主人公の行動への反感からになります。

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ

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