不等辺三角形
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
不等辺三角形の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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タイトルからして「何のことやら?」と疑問には思いましたが、読んでいく中でその言葉そのものが事件を解決へと導くキーワードになっていました。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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宮城県奥松島の井上箪笥店に仙台箪笥の修理依頼が愛知県名古屋市からあり、名古屋から奥松島までそれは運ばれた。それは幽霊箪笥といわれ、依頼者が名古屋で殺害された。それがあったのは古い屋敷である陽奇館。そして奥松島の運河でまた殺人遺棄事件が。その持ち主の正岡家から、知り合いであった浅見の兄へ調査の依頼が、舞い込み浅見が調べることになった。箪笥を巡り、意外な過去が明らかとなっていく。これは内田の力作である。 | ||||
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最初の頃の情熱あふれた作品も好きですが、今作では作者の年季と、格段に洗練された作風に驚きました。このシリーズは人々や地域の歴史も描きますが、初期の頃のそれともまた違う文章のさりげなさやこなれ感に、この箪笥と同じ味わいを感じました。 遠く離れた仙台との結びつきや、学問性ある謎解き、代々家財道具を大事にする土地柄も盛り込まれています。私が関心のある先祖の出生の秘密や、身内はもちろん途中で枝分かれした、寒い地方の親戚のことにも思いを馳せました。 奥が深く、作者が遺してくれた単純なサスペンス以上の小説は、もっとゆっくり読みたい作品です。ここに作者自身とシリーズ自体の歴史をも、垣間見える風情を感じることができ、宝物にしたい本です。 大好きな浅見光彦シリーズで、超地元の物語を、調査に5年費やして書き上げて頂いたことに、心から嬉しく感謝しています。地元民でも「陽奇荘」(もちろんこれはフィクションですが)について知らない人も多いなか、さらに地元や先祖に愛着が湧きました。 改めて浅見光彦シリーズはいいなと思い、でも仙台や名古屋以外の人も、読んでみて下さい!! | ||||
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内田作品はほとんど読んでいたのですが、これは漏れていた作品でした。残念なことに先生が逝去され、もう新作は出ないので、こんなふうに未読のものを発見するととてもうれしいです。先生の作品は旅情ミステリがほとんどと思いながらのんびり読んでいたら、時々これはと思う密度の高いものに当たることがありますが、この「不等辺三角形」もそのひとつでした。(あ、決して旅情ミステリを下に見ているのではありません。なんせ、なんだかんだ言いながら内田作品はほとんど購入してしまってますので・・)。 舞台は名古屋と宮城県東松島市。実際に先生が訪問し、実在のものを取材して書かれているので臨場感があります。名古屋で財閥と言われていた昔からの名家、正岡家と、そこへ嫁に来た先々代の奥様の実家である宮城県丸森町の旧家を繋いで、嫁入り道具として持参されたりっぱな仙台箪笥がありました。なぜその箪笥は幽霊箪笥と呼ばれるようになったのか、そして起きる2つの殺人事件。最初に殺されたのは正岡家の忠実な執事とも言うべき柏倉氏でした。かつて正岡家に逗留、そこで太平洋戦争中に病死した中国国民党の重鎮で孫文の側近だった汪兆銘に関する実話もからんでくるので、お話はどこか歴史的で格調高い雰囲気に仕上がっています。 東松島市沿岸の風景が詳細に描かれているので、あれ?これはあの大震災前の作品か?それとも後か?と思って調べたら、1年前の作品でした。よって今ではもう見られないその頃の風景がなんだか郷愁を帯びて感じられてしまいます。このことについて、内田先生もあとがきで感じたところを述べていらっしゃいます。あとがきの後に書かれている山前譲氏の解説もまた名文です。 ただ、実在の素材や史実を丸ごとそのままに使いすぎていて、考えて創作されていない感もあり、その分だけ星1つ減らしました。が、内田作品の中で出色の出来に違いないと思います。 | ||||
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史実とフィクションを織り交ぜた作品は秀逸でした。物語の世界に引き込まれてあっという間に読み終えてしまいました。 | ||||
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初期の内田康夫作品群は、話の展開とトリック等に、思わず上手い!と言いたくなるような仕掛けがありました。それだけ自然な流れの中で話が展開してゆき、それだけに読んで豊な読後感と安心するものがありました。作品群が増えるにつけ、出来がもう一つと言える作品が生まれるのは、これだけ多作な作家だけに仕方がない面もあるのは納得できます。 この作品も途中までは話の展開が巧妙で、この作者得意の地方・土地と歴史・時間の組み合わせが上手く働いています。しかし、最近の傾向として、最後の方になって「慌てて話をまとめる」という感じが否めないのです。ということは作者の都合の良いように筋書きが展開し、突然に事件の犯人又はその近辺の人間として新しい登場人物が出て来て、話がドタバタと説明調になってしまいます。後出しジャンケンのような探偵小説は退屈です。段々西村京太郎の作品群に似た所が出て来たような感想を持つのは自分の偏見でしょうか?タンス・漢詩の解釈・三角形の結び付きも、どうも強引過ぎて無理を感じて仕方がありません。 | ||||
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