■スポンサードリンク
不等辺三角形
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
不等辺三角形の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮城県奥松島の井上箪笥店に仙台箪笥の修理依頼が愛知県名古屋市からあり、名古屋から奥松島までそれは運ばれた。それは幽霊箪笥といわれ、依頼者が名古屋で殺害された。それがあったのは古い屋敷である陽奇館。そして奥松島の運河でまた殺人遺棄事件が。その持ち主の正岡家から、知り合いであった浅見の兄へ調査の依頼が、舞い込み浅見が調べることになった。箪笥を巡り、意外な過去が明らかとなっていく。これは内田の力作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初の頃の情熱あふれた作品も好きですが、今作では作者の年季と、格段に洗練された作風に驚きました。このシリーズは人々や地域の歴史も描きますが、初期の頃のそれともまた違う文章のさりげなさやこなれ感に、この箪笥と同じ味わいを感じました。 遠く離れた仙台との結びつきや、学問性ある謎解き、代々家財道具を大事にする土地柄も盛り込まれています。私が関心のある先祖の出生の秘密や、身内はもちろん途中で枝分かれした、寒い地方の親戚のことにも思いを馳せました。 奥が深く、作者が遺してくれた単純なサスペンス以上の小説は、もっとゆっくり読みたい作品です。ここに作者自身とシリーズ自体の歴史をも、垣間見える風情を感じることができ、宝物にしたい本です。 大好きな浅見光彦シリーズで、超地元の物語を、調査に5年費やして書き上げて頂いたことに、心から嬉しく感謝しています。地元民でも「陽奇荘」(もちろんこれはフィクションですが)について知らない人も多いなか、さらに地元や先祖に愛着が湧きました。 改めて浅見光彦シリーズはいいなと思い、でも仙台や名古屋以外の人も、読んでみて下さい!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内田作品はほとんど読んでいたのですが、これは漏れていた作品でした。残念なことに先生が逝去され、もう新作は出ないので、こんなふうに未読のものを発見するととてもうれしいです。先生の作品は旅情ミステリがほとんどと思いながらのんびり読んでいたら、時々これはと思う密度の高いものに当たることがありますが、この「不等辺三角形」もそのひとつでした。(あ、決して旅情ミステリを下に見ているのではありません。なんせ、なんだかんだ言いながら内田作品はほとんど購入してしまってますので・・)。 舞台は名古屋と宮城県東松島市。実際に先生が訪問し、実在のものを取材して書かれているので臨場感があります。名古屋で財閥と言われていた昔からの名家、正岡家と、そこへ嫁に来た先々代の奥様の実家である宮城県丸森町の旧家を繋いで、嫁入り道具として持参されたりっぱな仙台箪笥がありました。なぜその箪笥は幽霊箪笥と呼ばれるようになったのか、そして起きる2つの殺人事件。最初に殺されたのは正岡家の忠実な執事とも言うべき柏倉氏でした。かつて正岡家に逗留、そこで太平洋戦争中に病死した中国国民党の重鎮で孫文の側近だった汪兆銘に関する実話もからんでくるので、お話はどこか歴史的で格調高い雰囲気に仕上がっています。 東松島市沿岸の風景が詳細に描かれているので、あれ?これはあの大震災前の作品か?それとも後か?と思って調べたら、1年前の作品でした。よって今ではもう見られないその頃の風景がなんだか郷愁を帯びて感じられてしまいます。このことについて、内田先生もあとがきで感じたところを述べていらっしゃいます。あとがきの後に書かれている山前譲氏の解説もまた名文です。 ただ、実在の素材や史実を丸ごとそのままに使いすぎていて、考えて創作されていない感もあり、その分だけ星1つ減らしました。が、内田作品の中で出色の出来に違いないと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
史実とフィクションを織り交ぜた作品は秀逸でした。物語の世界に引き込まれてあっという間に読み終えてしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初期の内田康夫作品群は、話の展開とトリック等に、思わず上手い!と言いたくなるような仕掛けがありました。それだけ自然な流れの中で話が展開してゆき、それだけに読んで豊な読後感と安心するものがありました。作品群が増えるにつけ、出来がもう一つと言える作品が生まれるのは、これだけ多作な作家だけに仕方がない面もあるのは納得できます。 この作品も途中までは話の展開が巧妙で、この作者得意の地方・土地と歴史・時間の組み合わせが上手く働いています。しかし、最近の傾向として、最後の方になって「慌てて話をまとめる」という感じが否めないのです。ということは作者の都合の良いように筋書きが展開し、突然に事件の犯人又はその近辺の人間として新しい登場人物が出て来て、話がドタバタと説明調になってしまいます。後出しジャンケンのような探偵小説は退屈です。段々西村京太郎の作品群に似た所が出て来たような感想を持つのは自分の偏見でしょうか?タンス・漢詩の解釈・三角形の結び付きも、どうも強引過ぎて無理を感じて仕方がありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内田康夫のファンです。近所に本屋さんがないのでネットで買ってみました。到着した本がとても古本とは思えないほど美しくしかも申し訳ないほど安価で感激しました。又次も欲しいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近はあまり家庭で見かけなくなった箪笥。 箪笥職人が修理を依頼されることから事件が始まって行きます。 宮城、名古屋と光彦が奔走します。 結構、大掛かりな物語の割に、犯行の動機がいたってシンプル。 また、犯人を見逃してあげるという結末も残念でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
以前は新刊が出るたびに読んでいたのだが、しばらく離れていた。出張が続くことになり、移動時間に気軽に読める本を探していた。やはり、浅見光彦はいいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内田康夫氏は良いですね(^^) 楽な気持ちで読めます。 これまで沢山読みました(^^) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
浅見光彦シリーズです。 安心して読めます。 小説に出てくる場所を旅するのも楽しみにしています。 なかなかいけませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内田康夫氏の作品は大好きですが、みなプロットが多彩で、場所の選択が秀逸だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久振りで、ポーの「黄金虫」高橋克彦「猿丸幻視考」を彷彿とさせる、作品に遭遇。作者がこの様な作品を書くとは驚いた。文句無く面白い。最近は海外作家(ウイルバースミス、D・トマスン、K・カッスラー Jロリンズ)などを読んでいたが和書もなかなか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初は流れが掴みにくかったが、読み込んでいくうちに引き込まれていった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
殺人の犯人捜しもさることながら、箪笥に込められた願いがなんだったのか?宝物とはなんだったのか?? 答えが何も書かれていない分だけそれに対する思いが私の頭の中にいろいろ形を変えて現れてきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東北と名古屋など色々な地方の風景・様子や、時代考証がとても面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は1934年生まれのベストセラー作家が、講談社創業100周年、デビュー30周年の記念に、2010年に刊行した浅見光彦シリーズの一冊(109番目の事件)の文庫化である。名古屋の大富豪「正岡家」(「正塚屋百貨店」社長家)の別荘「陽奇荘」にあった「幽霊箪笥」が、奥松島の野蒜築港跡付近に住む仙台箪笥職人井上孝夫に修理に出された直後、注文主「中沢茂夫」=柏倉哲が名古屋市中川運河の松重閘門で、また井上家への訪問者「小林」が築港跡付近の運河で、遺体で発見された。醜聞を恐れる「正岡佑直」は友人の弟浅見光彦に、事件の早期解決を依頼する。その調査は、箪笥の隠し棚にあった汪兆銘の漢詩と、宮城県丸森(「岩理屋敷」)出身の佑直の祖母雅子をめぐる謎をめぐって展開していく。事件の真相の解明のされ方にやや納得できないものを感じるが、それはさておき、「あとがき」にあるように、物語そのものは虚構であるとはいえ(梅の木や防空壕の位置なども実際とはずれる)、その舞台となった三地点にはそれぞれ実在のモデルが存在しており(揚輝荘、野蒜築港跡、齋理屋敷)、著者自身がそこで取材をしているため、土地勘のある人にはその点でも楽しめる読み物となっている。この翌年に奥松島が被災したことで、本書は別の意味をも持ったことも述べられている(「あとがきのあとがき」、「解説」)が、やはり私としては「陽奇荘」に目が行ってしまう(というより、そこで話を聞いたからこそ本書を読んだのだが)。ついでに、小説類を殆ど読まない私には、これが浅見シリーズで通常のことなのかどうかもよく分からないが、本書の随所に作家自身への自己言及があることも興味深かった。浅見光彦の家なんてものもできたんですな〜。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
以前から浅見ファンでほとんど読んでますが、この作品は初期の頃の浅見作品を彷彿させる読み易い作品です。何より登場人物が暖かみのある魅力的な人物ばかりです。内田ファンなら途中で犯人が想像つくかも知れませんが、推理小説というより旅情人間ドラマの作品として十分満足できる作品でお勧めです。今回も浅見さんのお嫁さん候補になりうる魅力的な女性が3人も登場し、どなたかと進展があるかと期待しますが・・。 内田作品を読むといつもですが、物語の舞台となる愛知、宮城それぞれ訪れたくなりますが、この作品を出されてから1年後におこったあの震災。奥松島の風景はどうなってしまったか心が痛いです・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の描く若い女性は、いずれも魅力的な美しい人に思えてくるから不思議だ。特別にそういう描写がなくても、会話文からそういう印象を持ってしまう。これがこの作者の魅力なのだろう。他の作者ではこういうことはあまり無いように思う。特にミステリー関係では。 この作品の珍しいところは、新作にもかかわらず作者のあとがきがあることだ。作品を読むと、モデルになっていのは名古屋の松坂屋や伊藤家ということがわかるが、それらとはまったく関係なく作者の空想の産物であるとことわっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の描く若い女性は、いずれも魅力的な美しい人に思えてくるから不思議だ。特別にそういう描写がなくても、会話文からそういう印象を持ってしまう。これがこの作者の魅力なのだろう。他の作者ではこういうことはあまり無いように思う。特にミステリー関係では。この作品の珍しいところは、新作にもかかわらず作者のあとがきがあることだ。作品を読むと、モデルになっていのは名古屋の松坂屋や伊藤家ということがわかるが、それらとはまったく関係なく作者の空想の産物であるとことわっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
浅見光彦シリーズです 全て読ませてもらっているこのシリーズですが、今作は自分の嫌いなパターンの作品でした 浅見光彦は兄こそ警察庁刑事局長ですが、警察関係者ではありません だからこそ彼には犯罪者に対して法を適用する必要は無いのです 要するに必ずしも犯罪者を摘発する必要が無いということです 犯罪者の心理と行動が十分に同情に値するものであれば、 そしてその犯罪者が十分に自分の犯罪と向き合っているのならば、 それを自分の胸にしまっておくだけで十分だと思うのです にもかかわらず 犯罪を犯さざるを得なかった十二分に同情の余地のある人を 司直の手ではないにせよ追い込んでしまった事件が過去にどれだけあったことでしょう 犯罪は裁き方こそ違えど全て裁かれなければならないなどという 極めて偽善的ないまや愚かといっていい道徳に 何故、浅見光彦がとらわれてしまうのか その偽善的としか思えない態度に共感を得られなかったことが少なくありません そんな浅見光彦が、 同情の余地は無いと思われる犯罪者に自分で自分を裁く道を選ばせたわけです 事件の背景からそのこと自体は納得できます ですが、 犯罪者に同情する余地が無いにもかかわらず 事後の対応への心配をかけたくないからという独善に過ぎる理由で 真相を依頼者にも告げませんでした いかな名探偵といえども、ひとかど以上の成功者に対して思いあがりも甚だしい といえるのではないでしょうか 今作の浅見光彦は極めて独善的な人間になってしまっていました とても残念です | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!